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191号1面より(2006/6/12発行)
 先日、ふと思い立ち、鳥取に帰省した。自分が生まれてから20年近く過ごした場所。思い出のほとんどがここに詰まっている。町並みを見れば、たくさんの思い出がよみがえり、どこかほっとする。私はここで培われた。まさにここでの日々が私の原点である▼進学を理由に故郷を離れてはや2年。気が付けば、就職活動を始める時期になった。現在の就職率は、徐々にではあるが回復傾向にある。これは私にとってうれしい知らせだ▼しかしその反面、離職率は右肩上がりを持続している。平成17年度の厚生労働省の調査によると、大卒者の入社3年以内の離職率は3人に1人の計算になるという▼なぜこのような現状に陥っているのか。もちろん転職など、自らの意志で次のステップへと踏み出す者もいる。しかし、多くの若者は、自分の思い描く理想像にギャップを感じ、その環境から逃げてしまいがちだ▼彼らには本当に、辞めるという選択肢しかないのか。確かにその決断に至るまでにはさまざまな理由があるだろう。だが思い出して欲しい。なぜその仕事を選んだのかということを。自立したい、人に役に立ちたい。きっかけは人それぞれだが、自分で選択し、決めたはずだ▼私は大学生活にやりがいを見出せない時期があった。有り余る時間と、自由という枠の中で、自分というものが分からなくなった。時に身を任せ、淡々とと過ごす毎日。そんな時、鳥取でともに青春時代を過ごした友人と会った。話をしていると、過去の思い出がよみがえるとともに、大事なことを思い出した。大学を目指した最初の気持ちを。さまざまな人が集まる所で多くの刺激を受け、自分を成長させたい―。だから、今できること、やりたいと思ったことはとことんやる。そう決めた▼何事も自分の思通りにいくとは限らない。うまくいくこともあれば、挫折しそうになることもあるだろう。しかし、そんな時にこそ、思い出してみてほしい。自分が新しい一歩を歩み出すに至った原点を。その原点回帰こそが、自分と向き合い、また前へと歩み出すきっかけを与えてくれる。(宮脇雅康)