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会報より(2006/8/3発行) 現役インタビュー
SPECIALインタビュー
~秦賢太郎(はた・けんたろう)~

 「自覚と刺激」というスローガンを掲げ、歩みだした2006年度関学体育会。その顔・体育会学生本部長を務めているのが秦賢太郎だ。体育会の運営に関わり、約1800人が所属する体育会を牽引する存在である。彼の目指す体育会とは―秦本部長に本音を訊ねた。/font>

―なぜ体育会学生本部に入ろうと思ったのですか?
一年生の時に、当時本部員だった剣道部の先輩、助野太祐さんに誘われたことがきっかけですね。やってみようという思いで入りました。

―体育会学生本部長になって半年が過ぎましたが、本部長という役職には慣れましたか?
慣れてきたよ。本部長は責任感のある役職やとつくづく思いますね。ただ本部長って与えられた仕事ってないんですよ。形式的には体育会の顔とか、象徴とか言われるけど、僕自身はそんな目立ってないし。でも体育会で何か問題が起こったら、学生の窓口は僕になる。だから褒められることも、怒られることも本部長の役割やね。あえて言えば、僕の仕事は体育会各部の潤滑油になることだと思います。歯車としての存在ですね。僕を通じて、全然知り合いじゃない部活同士に、つながりが生まれると嬉しい。後は行事でのスピーチなどを通して、体育会員に伝えたいことを伝えられる立場ですね。現在は適度な緊張感を持って役職をこなせています。

―発言に関しては何か気を使っていることはありますか?
僕の発言が関学体育会を代表することになるわけやから、やんちゃな発言はできない。言葉を選ぶようにはなりましたね。僕が本部長になって初めて挨拶したのは昨年の覇業交歓ですが、以後どんな挨拶においても信念は変えないようにスピーチしてきたつもりです。その根本としているのは今年の体育会のスローガンにしている「自覚と刺激」。関学体育会の団結力を強めようという思いを込めて常に話をしています。

―本部長は体育会全体を眺める立場ですね。
そうですね。だから本部長になって、各部の戦績がすごく気になるようになった。それが本部長になって一番変わったことかもしれない。毎日、関学スポーツのホームページをチェックしています。体育会は勝つべき集団だから、各部の戦績は知っておきたい。さらに各部の主将・主務とも蜜にコンタクトを取るようにしています。親睦を深めるために私的に集まる会を開いたりもしました。

―2006年度関学体育会スローガンに「自覚と刺激」を掲げた理由は?
体育会員各自に、自覚を持ってほしいと思ったから。僕が本部に入って思ったことは、行事では私語が多く、整列がちゃんとしていない、授業中も体育会員が集まって他学生から浮いていたりする。体育会員も一学生であって特別な存在ではないはず。学生という立場の中で、スポーツマンとしての規律を守ってほしい。つまり、全ての体育会員にスポーツマンシップを持っていてほしいんです。最近、体育会員が悪い意味で取沙汰されるニュースが多い。だからこそ、関学生には「Mastery for Service」の意味を考えながら、「自覚」を持ってほしい。スポーツ面だけでなく人間的にも認められる体育会にしたい。その意味での「自覚」です。 次は「刺激」について。僕は体育会43部が、それぞれが関わり合いを持つことが大切だと思っています。その中で仲が良いだけではなく、ライバルとして競い合う各部のあり方を考えたときに「刺激」という言葉が浮かんだ。僕は「他の部の応援に行って下さい」といつも体育会員に言っている。各部の試合を生で見ることで刺激を受けて、「自分の部も頑張ろう」という気持ちになれると思う。その部が勝てば「俺らも勝とう」と思うし、負ければ「彼らの分は自分たちが返そう」と感じるはず。つまり各部に切磋琢磨してほしいという願いを「刺激」に込めています。

―どのような本部長、また体育会学生本部の姿を意識していますか?
愛される本部長になりたいですね。僕の言うことに耳を傾けてもらうためには、体育会員に信頼される存在になる必要がある。嫌なリーダーには誰も付いて来ないからね。芯を貫くリーダーでありたいと思います。また本部は体育会43部を統率し、各部同士をつなぐ重要な存在。本部が考えたスローガンに賛同してもらうためにも、本部もまた信頼を得る機関でないといけない。本部の統括はなかなか大変です。本部員はそれぞれ所属している部活も違うし、部内で担っている役割も違う。でもそんな本部員に同じ目標や方向を示していくのが本部長の任務やね。俺も一剣道部員やし、本部員だからという特別扱いは嫌。本部員には部活と両立できないなら、本部をやめろと言っている。本来の部活動がおろそかになっては意味がない。両立が大変だからこそ、本部員ならではのやりがいもあるんです。

―一番印象に残っている行事は?
リーダースキャンプやね。僕が運営の担当者だったこともあるけど。出発の日が大雪で、普通なら参加者の安全を考えて中止にするような天候だった。電車も動いてなくていちかばちかの賭けだったんです。それでも僕はどうしても行きたかった。そして参加した体育会員の協力があって無事着くことができた。着くまでの過程で、体育会としての団結力が深まっていましたね。あの状況で、ホテルに着いた瞬間、「今年の体育会はいける!」と思った。着いてからも、講演会を一生懸命聞いたし、討議にも真面目に取り組んだ。全てに集中した3日間やったね。飲み会にも力を抜くことなく(笑)。いろんな条件が重なってすごいリーダースキャンプになった。帰った後も、参加した体育会員に「行ってよかった」「ありがとう」というメールをもらって、本当に行ってよかったと思いました。

―本部長が目指す体育会の姿とは?
強い体育会やね。最近、関学の戦績が落ちているのが気になっているけど、「強い」ことは大前提。それと人間的に強い体育会。やっぱり結果を追う過程で人間的成長をしてほしい。人間的に一流でなければ、結果を出すことはできないから。心技体が揃わないとだめやね。あとは横のつながりも大切。体育会は43部もあるのだから、それぞれいい部分は吸収して、意見交換したりね。43部合わせてチーム関学としての気持ちを高めたい。団結力でも負けない関学やね。

―K.G.A.A.会員に対して一言お願いします。
大先輩ですね。昔の「強い関学」を知っている先輩方。たぶんその先輩方から見れば、今の関学の成績では満足できないと思う。僕たちが昔の先輩方を思い起こさせるような成績を残すことが、先輩方への恩返しになると思う。それには相互協力が必要ですね。僕たちは結果を残すことでアプローチして、先輩方も支援してくれる。両方の働きがマッチしたら、規模の大きな意味での「強い関学体育会」に近づけると思います。

◆秦賢太郎(はた・けんたろう)。社会学部4回生。剣道部所属。1984年4月4日生。郡山高出身。169㌢。60㌔。2年次からは体育会学生本部員を兼任。2006年度体育会学生部長。座右の銘は「ピンチはチャンス」。
(取材 福島早知子)