| ― 去年の優勝は一年でできたわけじゃなく、試行錯誤していろんなな人たちの努力があっての結果 |
ーーー法政のコーチになったきっかけは?
前監督の横谷さんが日立から出向で来られてて、その時僕は筑波の大学院にいたんですけど、そこの同じ研究室の方でレイソルのユースのコーチをしている人がいて、その人を経由して話がきた、というのがきっかけです。
ーーー去年のチームは水野コーチから見てどんなチームでしたか?
去年は、技術的にはやっぱり、ここ何年かでレベルの高い選手が入ってきて、やるサッカーの質も変わってきて、すごくいいチームだったと思います。でも、去年一年でたまたまできたわけじゃなくて、いろいろ試行錯誤して、いろんな人の努力があってここまで来たと思います。後は、他の二部のチームのチーム力が落ちてるってこともありますね。去年だったら、
明治以外は何回かやったら法政の勝つ回数の方が多かったかなという感じですね。
ーーー他のチームの力が落ちてきている、とのことですがその中でも、法政が力を落とさず
に伸びていけた理由はどんな点でしょうか?
1、2年から出てる選手もいますし、単純に力のある良い選手が入ってきたっていうのは1つの理由
であると思います。それ以外にもトレーニングに取り組む姿勢だったり、意欲とかは大きいですよね。
力がある選手がたくさんいても、毎日7、8割の力でトレーニングしてたりすると、本来持っている力が
出せないゲームも出てくる。毎日しっかり力を出せる、それは川勝さんだったり水沼さんだったりがい
らっしゃってトレーニングをすることで、技術的にも知識的な面でも大きいんですけど、やっぱり練習
の強度や追い込み方、勝とうとする気持ち…高い基準に合わせて毎日を過ごすことは大事ですよね。
ーーー水野コーチが法政にいらっしゃってから、チームの印象は変わりましたか?
そうですね。昔はやらされてる感もあって、なかなか個が見えなかった。全体の中でみんなの陰に
隠れてて、やることだけこなして、あとはゲームをするって感じで。ここに来た当初は、グラウンドに
出ても、ボール回>しをしている選手はほとんどいなかったですよ。練習が始まる前にボールに触って
遊んでいるのは、柳沢(柳沢将之選手:現東京V1969所属)たちくらいでしたね。
ーーー水野コーチが選ぶ、去年のMVPは?
秋本(現ヴァンフォーレ甲府所属)じゃないですかね。一番体を張って、一番勝負にこだわってて、普段の練習から気を抜いてる瞬間が少ない選手です。去年も出場停止のときがあって、秋本がいない試合は練習試合でもそうなんですけど、内容がいい時間もあるけど、危ない時間帯も多かったりだとか、早く切り替えられなかったりだとか、全体が若いチームだってこともあるんですけど。今の子はみんなおとなしいんで。真面目なんだけど、なんかこう、がめつさ・泥くささみたいなのがないな、と。そういう面で秋本の存在が大きくて、いなければ優勝は危なかったんじゃないかな、ぐらいの存在感でしたね。
ーーーその秋本選手が卒業してしまいましたが、これから法政というチームはどうなってしまうんでしょうか?
どうでしょうね(笑)。現3年生も立場が4年生になればだいぶ気持ちも変わってきますし、自覚が出て、それがプレーにも表れてくると思います。期待はしてるんですけど、今の時点で不安がないかというと、それはありますね。新4年生はほんとに真面目で、横のつながりもあって仲がよくて、シーズンが始まる前も始まった後も、たくさん話し合ってやってるんですけど、ただやっぱり、優しいというかおとなしいというか。そこの殻を破ってやれるかというところはありますね。まぁ谷田を始め…、谷田一人を見ていて変化がある、「やっぱり谷田は違うな」って感想を持たれたとすれば、ちょっと安心できるかなという感じですね。
ーーー為田選手が卒業されて、今年はキーパーも変わってきますが。
そうですね。やっぱりキーパーは大きいと思います。4年生の清野や山田もいるし、下にもいい選手がいますし、ここから競争して、誰が出るかっていうのはまだわかりませんね。上級生のほうが自覚はあると思いますし、それこそ一番必要なポジションですから、普段の積み重ねですね。
| ―今季、上位に食い込めるかは練習でのちょっとした妥協をいかに減らせるかに、かかっていると思う |
ーーー水野コーチから見て、今伸びてるなと感じる選手は?
やっぱり新4年生は多少は自覚があるかな、という感じです。これを持続してやれば試合に4年生が出る人数も増えるかなという感じはします。
ーーー今季の法政は、どういう戦いをして、どれくらいまでやれると思いますか?
上位に食い込む素質はあると思うんですよ。それを出せるかどうか、一部は二部よりももっと勝負にこだわった試合が多くなると思いますし。二部のチームはやはりどこか途中で切れてしまったりだとか、順位が下がってきちゃうと、内容が落ちて、気持ちも落ちて…と。戦いは厳しくなると思うんですけど、持ってる力を出せる毎日を過ごせれば、上位に食い込む力はあると思います。後は入り方ですね、初戦は国士舘なんですけど、最初の1、2戦で勢いつけられたらいいなと。
ーーー今年は試合数が増えますが、その点はどうですか?
モチベーションの切り替えが大事ですよね。うちの場合は一部に上がったばかりでフレッシュなんで、最初は新鮮さでモチベーションを維持できる部分もあると思います。でも夏以降、試合に慣れていって、数も多くて、毎週ゲームすることが当たり前になってきた時に、そこでモチベーションを維持して、強い気持ちでやれるかってことが、一部で上に行くか下に行くかの分かれ目だと思います。高いモチベーションを保てるチームであれば、それなりの結果が出る。選手にとってはチャンスだと思うんですね。プロに行ける可能性が高まるという点でもそうですが、試合数が増えることで、サブのメンバーにも試合に出るチャンスが増える。Bチームにも素質のある良い選手はいますし、そういう面ですごく活性化されます。チームの底上げができれば、ウチは本当に良いものになると思います。
ーーートレーナーであったり、コーチであったり、常にスタッフの方がグラウンドにいるっていうのは、法政は昔からそうなんですか?
いえ、そんなこともないですね。横谷さんが来てから、僕だったり朝比奈さんだったり、人が増えたんで、誰かがいるっていう状況ですけど、それ以前はそうでもなかったみたいです。今は本当に充実してて、川勝さんだったり水沼さんだったりが来て指導してもらえるっていうことは、まずあり得ないことですからね。二人ともOBでいらっしゃって、照井さんが監督をしていらっしゃるからであって、そうじゃなければあり得ない。選手は感謝しなきゃいけないですよね。
ーーー今季の柱になるだろう、という選手は?
やっぱり谷田が柱になってくれないと困りますよね。そうじゃないとチームがまとまらないですよね。谷田には、本人がそういう立場で、自分でゲームを決めてくる、得点だったりアシストだったり、そういうところを意識してやっていけば。11人の中で「谷田がどこにいる?」というのでは駄目ですよね。試合を見ていて、谷田が目立ってるという、そういう存在になれば、あいつ自身も、チームにとっても結果が出ると思います。
ーーーでは最後に、選手たちに望むことを教えて下さい
もう少し個が強くなってほしいですよね。上のレベルでやりたいと言う強い気持ちを持って。柳沢なんか、1年生の頃からずっとJリーグに行くって言ってましたし。その頃は多分、僕も含めて誰も、こいつがやるなんて思ってなかったし。柳沢はその為には妥協をしなかったし、行動も伴ってた。あいつの場合は身長もそんなに高くないですし、長い距離を走るのとかは頑張れますけど、特別にスピードがあったり、というわけでもないですよね。ホント努力で、自分の力でやり遂げたってことは、他の誰よりもすごいと思います。そういう強さを、集団に引っ張られるんじゃなくて、ひとりひとり持って…。サッカーは集団でやるんですけど、ひとりひとりが強い意志を持って、力を発揮できる、そういう個人であってほしいですね。