明大1回戦
三嶋が決めた!抑えた!終盤の粘りで6季ぶりの優勝に王手!

東京六大学野球春季リーグ戦 第7週 VS 明 大 第1回戦
5月23日(土) 神宮球場

10
法  大
明  大

(法)二神、西、藤田卓、吉越、○三嶋(2勝)―石川、廣本

(明)野村、●隈部、森田―安岡


延長10回、決勝の適時内野安打を放った三嶋 8回に2点適時三塁打を放った多木
 
 

ついに迎えた最終カードの法明戦。両校が優勝を懸けての直接対決は、法大・二神、明大・野村の両エースの先発で幕を開けた。投手戦が期待された試合は初回から動いた。

1回裏、二神が先頭打者に四球を与えると、後続にも安打と死球で出塁を許す。無死満塁のピンチから4番・小道へ投じた2球目はレフトへ。これが犠牲フライとなり、早くも先制を許してしまう。初回はこの1点のみで切り抜けるも、今日の二神は制球が定まらず、精彩を欠いた。3回にも連続安打と四球などで1死満塁のピンチを招く。ここで踏ん張りきれず、6番・荒木郁に2点タイムリーを許したところで二神は無念の降板。序盤から0−3と突き放され、重苦しい空気が漂う。

一方法大打線は明大・野村の前に7回までゼロ行進。死四球を絡めて再三得点圏に走者を進めるもあと1本が出ず、試合は完全に明大ペースかと思われた。しかし8回、法大は先頭の3番・和泉が右前安打を放ち反撃ののろしを上げると、4番・松本雅が死球で出塁する。1死後、打席には1年生の6番・多木。1、2塁のチャンスで放った一打は、右翼線を破る三塁打に。走者一掃の2点タイムリーで1点差に詰め寄ると、7番・今井もこれに続く。ファールで5球粘ったあとの8球目を振り抜き、ライトへ貴重な同点タイムリー。疲れが見えた野村を攻め立て3−3と試合を振り出しに戻す。序盤に3点を失った法大は中盤以降小刻みな継投で立ち直りを見せる。西、藤田卓、吉越、三嶋とつなぎ、6回以降は無安打に抑えるリレーで試合はそのまま延長戦に突入する。

10回表、明大は投手を隈部にスイッチ。法大はその代わり端をとらえる。先頭の5番・佐々木が右前安打で出塁。続く6番・多木が犠打で送り、7番・今井が四球を選んだところで明大は森田貴がマウンドへ。8番・廣本が倒れ2死2、3塁となった場面で、打席には8回途中から登板している9番・三嶋。初球をたたきつけると、これがショートへの内野安打となり二者生還、5−3とついに勝ち越しに成功する。これで試合の流れは完全に法大に傾いた。その裏三嶋がそのままマウンドへ。簡単に2死をとると、最後の打者を自慢の剛速球で空振り三振に打ち取り、ゲームセット。法大は天王山の第1ラウンドを延長で制し、6季ぶりの優勝を大きく手繰り寄せた。

西、藤田卓ら上級生の活躍で試合を立て直し、多木、三嶋ら下級生の活躍で勝利をもぎとった法大。いざ43度目の頂点へ。チーム一丸となった法大が、2006年春以来の王座を懸けて明日の試合に挑む。(若山 泰樹)



*選手・監督の試合後のコメント*

二神投手(先発投手)

−今日の試合を振り返ってどうでしたか?
先発の役目を果たせませんでした。そこが反省点です。打線も野村投手を打ち崩 せていなかったんですが、最後に逆転できてすごいと思いました。
−調子のほうはどうですか?
ボールが高かったんですが調子はいつも通りでした。ただ今日はピッチングの組 み立てができませんでした。
−明大打線の印象はどうでしたか?
みんな良い打者なので甘い球は打たれるし、足が速い選手が多いので先頭の打者 は塁に出さないようにしようと思いました。
−チーム全体の雰囲気はどうですか?
みんな最後まであきらめないで、勝ちたいという気持ちが強いです。だから逆転 して勝てたと思います。
−注意した打者は?
小道、多田、謝敷選手を注意しました。
−どのようなゲームプランを考えて試合に臨みましたか?
先発として試合を作ろうとしました。
−試合前に監督さんからは何か話はありましたか?
いつも通りに投げろと言われました。
−明日への意気込みをお願いします。
勝ち点とって優勝したいです。そのために自分の役目を果たすだけです。


石川選手(スタメンマスク)

−今日の試合を振り返ってどうでしたか
 チーム全員の力で勝った勝 利でした。
−試合前の雰囲気は
 勝利を意識する部分があって固 くなっていました。緊張があったと思います。
−二神投手の調子は
 大事な試合だったのでいつもより固さがありました。それが試合に出てしまい ました。
−二神投手以降は無失点リレーでしたが
 西、藤田卓は 4年で、練習から4年生投手がチームを引っ張っていました。今日も2人がしっ かり抑えたのでそれが勝利を呼び込んだんだと思います。
−自身は4三振 で7回で交代となりましたが
 完全に力不足でした。帰って練習して少 しでも貢献したいです。
−下級生の活躍でチームが活気づいているように みえますが
 下級生はプレッシャーを感じないでのびのびやって、4年 がチームをまとめてやりやすい環境を作っていきたいです。
−明大の野村 投手対策は
  全部のボールに手を出したら打てないので、狙い球を絞っていきました。
−優勝まであと1勝となりましたが
 優勝を目指してやってきたので、 明日絶対決めます。
−明日の試合に向けてお願いします
 明大に はそう簡単に勝てないので、気持ちはしっかり持って絶対勝ちたいです。


三嶋投手

−今日の試合を振り返っていかがですか
慶応のときと同じで同点で一点もやれない場面だったので、一生懸命、絶対に抑 えようという気持ちで投げました。
−8回途中から登板しましたが、どんな気持ちで投げましたか
優勝がかかった試合だったので、抑えることだけ考えて投げました
−調子はいかがでしたか
いいと思います。あとは変化球のコントロールだけです
−明治打線の印象はいかかでしたか
相手ピッチャーがいいというのしかなくて、どんな打者でも同じように抑えよう 、目の前の打者一人一人を抑えようと思っていました。
−今日の成績については(2回3分の2を無安打無四球4奪三振)
(笑顔で)うれしいです。
−課題はありますか
まだ3イニング目にスピードが落ちてしまったので、長いイニング同じように投 げることをです。
−10回のヒットで試合を決めましたが、どんな気持ちで打席に立ちましたか
(笑顔でうれしそうに)金光監督が「自分は打てるんだから」と言ってくださっ たので、初球おもいっきり打ちました。
−明治に1勝して優勝に近づきましたね
今日勝ったからと調子に乗らず、優勝まで気を抜かず、しっかりチームに貢献し たいです。−明日の試合に向けて意気込みをお願いします
今日投げたからといって明日出番がないわけではないので、いつでも行ける準備 をしてチームに貢献できるようにします。



西投手

―今日を振り返ってどうでしたか
チーム全体が1つになってで勝つことができました。特に投手陣の踏ん張りが勝ちに結びついて良かったです。
―今季初登板のマウンドでしたが
調子が良かったです。
―1回2/3を無失点の好投でしたが
チームの勝利が第一です。それに貢献できて良かったです。
―先発の二神投手が早々に降板してしまいましたが?
早いイニングでも自分が踏んばって打撃陣の援護を待とうと思っていました。
―今日勝って明日勝てば優勝ですが?
明日勝つしかないです。総力戦を全力で戦いたいです。
―明日に向けて
いつ誰が出るかわからない。気持ちを持って臨みたいです。


松本雅選手

−今日の試合を振り返っていかがですか?
 野村が良かったんで最初 はみんなタイミングが合わなかったけど、いいところで繋がりました。
−8回に死球で出塁し、チャンスを広げましたが?
 それは良かった です。アウトよりはいいんで。
−その後、多木選手のタイムリーでホームに帰ったときはどんな気持ちでした が?
 このまま同点になり勝てると思った。こっちのペースなんで勝て ると思いました。
−野村投手に対してどんな対策をしましたか?
 ストレートとスライ ダーのどっちかを狙って思いっきり振りました。
−打撃の調子はどうですか?
 悪くはないです。
−追いかける展開となりましたがベンチの雰囲気はどうでしたか?
  最初はヒットが出ずいつものような盛り上がった雰囲気ではなかったです。
−今日の勝利で優勝に王手をかけましたが?
 1試合1試合勝つつも りで明日も勝ちたいです。
−明日の試合へ向けて意気込みをお願いします。
 明日はしっかりチ ャンスで打ちしっかり守りたいです。


多木選手

−今日の試合を振り返っていかがでしたか
 
完璧な負け試合って感じ だったんですけど、8回に追いついて、ものすごく大きい1勝だと思います。
−その8回、無死1、2塁の場面、どんな気持ちで打席に入りましたか
 
チャンスだったので、ここで打たなかったら勝てないなと思って、思いっきり いきました。
−結果2点タイムリーとなりましたが、打った感触などはいかがでしたか
 
いい当たりだったので、2点入ったなって確信しました。
−そのタイムリーも含め、2安打でしたが、調子はいかがですか
 
調 子はいいですね。
−明大投手陣の印象は
 
やっぱり野村さんが、変化球とかいいピッチ ャーで苦労しましたね。後半つかまえられて良かったです。
−守備の方ではエラーもついてしまいましたが
 
送球ミスをしてしま って…。次の試合から気をつけます。
−終盤まで追いかける展開が続きましたが、ベンチの雰囲気はいかがでしたか
 
あんまり良くなかったんですけど、8回にチャンスになって盛り上がって、追 いついてからは負ける気がしませんでした。
−これで優勝に王手をかけましたが、明日の意気込みをお願いします
 
1戦集中して、チームみんなで向かっていくだけです!



今井選手


−今日の試合を振り返っていかがでしたか
勝てて良かったです。
−8回に貴重な同点タイムリーを放ちましたが
前の2打席チャンスで凡退して、次自分が打たなきゃ負けると思ったんで良かっ たです。
−野村投手については
スゴい投手でした。(対策は)ねらい球を絞ってたんですけど、あまりこなかっ たんで思いっきりいこうと思いました。
-3点差からの逆転勝利で明日に向けて弾みがつくのでは
明日はその勢いのままいきたいです。
−今日の勝利で優勝に王手をかけましたが
自分たちの代になって初めての優勝なんで、思いきってやりたいです。
−今日はたくさんのお客さんが入ってて声援が力になったのでは
ヤバかったです。
−明日の大一番に向けて一言お願いします
とりあえず全力でやるだけなんで。死ぬ気でやります。

亀谷選手

−今日を振り返ってどうでしたか?
 3点差をひっくり返せたし、明日につながる試合だったと思います。
−どんな気持ちで試合に臨みましたか?
 優勝を意識はしていたんですけど、特に気負いはなく、相手の野村くんが良いピッチャーなんで、集中して挑みました。
−先週明治戦を観戦されましたがどうでしたか?
 観戦しているのと打席とでは雰囲気が違うし、先週は相手がどんな球を投げるかという目線でしか見ていなかったです。でも、今日1打席目で感じがつかめました。
−序盤は明治に流れが傾いていたようですが。
 優勝への意識からかみんな緊張していた面がありました。でも流れを変えられたし踏ん張れて良かったです。1回も1点で抑えられたのは大きいです。
−3、5回は共に2死からの四死球でしたが。
 出塁することが1番バッターとしての仕事なので、どんな形でも塁に出られたことは良かったです。
−3回の3点目を入れられてからの好守備は大きいプレーでしたね。
 もうあのボールは投げられないです(笑)。(4点目を阻止したことは)終わってみれば良かったです。良い場面でああいうプレーができたということが嬉しいです。
−9回も先頭打者としてヒットで出塁しましたが、現在の打撃の調子はどうですか?
 ボールは見えています。ちょっと気が滅入ったら調子が下がっちゃうので、1球1球大切に打っていきたいです。
−負けられない明大戦で今季初の延長戦となりましたが。
 いつものようにプレーしすることだけ考えていました。負ける雰囲気がチームになかったし、チーム自体状態が良かったので勝つと思っていました。延長戦に入ったことは特に気にならなかったです。
−三嶋投手自らが決勝打を打った時はどんな気持ちでしたか?
 ネクストで見ていたんですけど、彼は良いバッティングをする子なんで。最悪満塁になっても自分が何とかしようと思って見ていました。
−今日の明治の印象はどうでしたか?
 勢いに乗せたら怖いチームです。野村くんも良い投手で思ったとおりのところに投げてきましたね。
−四死球数が2ケタを記録し、六大の中でも多いと思いますが。
 そうですね。結果的に選べているのは自分自身納得できるものがありますね。
−慶應戦から1番打者として出場していますね。
 去年の秋の最後の東大戦で1番を打たせてもらったんですけど、やっぱりチャンスメークするのが役割だと思うんで、1番になったからには出塁ということを3番の時より意識しています。出塁率というのは自分自身の目標にもしているんで。塁に出ないといけないという気持ちでやっています。
−慶應の初戦まで15打席ほどヒットが出ない状態が続きましたが、その間どんな気持ちでしたか?
 ヒット欲しいヒット欲しいという感じでした。でも焦りはなかったし、バッティングがどうこうっていうのはありませんでした。
−優勝まであと1勝まできました。
 全体で気負い無くやりたいです。明日本当に勝ってみんなで笑いたいです!
−明日に向けてお願いします。
 明日で優勝決めたいです!明日もスタンドに多くの人が来てくれると思うんですよ。なのでみんなで喜びを分かち合いたいですね!


佐々木選手

―今日を振り返ってどうでしたか?
今日が勝負だと思っていました。勝って勢いに乗れたので良かったです。
―明大戦を迎えるにあたって
打撃を中心にやりました。チームでも明大の野村選手をどう打つをイメージしながらやってました。
―試合の前半は明大ペースで進みましたがチームの雰囲気はどうでしたか?
負ける気はしなかった。とりあえず1点ずつ返そうと思ってました。
―8回のチャンスで監督から何か言われてましたが?
狙った球を思いっきり行けと言われました。
―10回に勝ち越しのきっかけとなる安打を放ちましたが?
とにかく塁に出ようと考えてました。相手投手の方が緊迫した場面で自分の方が有利だと思っていたので気持ちに余裕を持って打席に入れました。
―法大投手陣について
みんな良かったです。二神選手は調子が悪かっただけで明日もあるので期待しています。
―明日に向けて
気持ちと声で勝ちたい。頑張ります。


金光監督


−今日の試合を振り返っていかがでしたか
前半、二神がああいう形で点を取られたんですが、それ以降はよくピッチャーが 0に抑えてくれました。
−先発した二神投手については
悪かったですね。優勝が懸かっている試合ということで気負いがありました。
−7番に起用した今井選手については
良い結果を出していたので、相手が右ピッチャーということもありましたし。( 同点打について)バットの先でしたがよくタイムリーを打ってくれました。
−加賀美、武内投手については
2人とも良くないので、次(秋季)に向けて、やってくれると思います。
−石川選手を途中で代えましたが
4三振でしたし、タイミングが合っていませんでした。うちのピッチャーが若か ったので、気分転換という意味で(廣本に)代えました。
−試合前、選手には何か言葉をかけましたか
自分たちの野球をやれ、と。プレッシャーもあるけど、優勝を争う舞台に立って いるんだから、やれるだけやってこいと言いました。
−明大の野村投手について、何か対策は
インコースをどんどんついてきて、絞りきれなかったですが、多木が良く繋いで くれました。
−延長10回、一打逆転の場面で、三嶋選手をそのまま打席に送りましたが
三嶋はバッティングが良いんで、代打を出すよりも、三嶋のミート力に賭けまし た。
−試合後、選手たちに何か言いましたか
意識するなと言っても無理なんで、明日で優勝決めるぞ、と言いました。
−明日の先発については
ブルペンで確認して決めます。
−優勝まであと1勝としました。意気込みをお願いします
去年のオフから、新チームで意識して来たので、全力でぶつかっていきたいです 。




◆  明日の展望  ◆

  念願の天皇杯奪回へ―。多木三嶋の1年生コンビの投打に渡る活躍で劇的な 逆転勝利を収め、優勝に王手をかけた法大。明日も今日の勢いそのままに勝利を 掴み、胴上げで有終の美を飾りたい。明日の法大先発は前回の慶大2回戦で、初 先発ながら7回1失点の好投を演じた三上が予想される。長身から繰り出す角度 のある速球と切れ味鋭い変化球で明大打線にどう立ち向かうか。今日2安打の荒 木郁謝敷に警戒するとともに、機動力を使った攻撃にも注意したい。対する明 大は今季から先発の一角として急成長を遂げ、現在、防御率2位につける難波が 予想される。また、後がなくなった明大は今日先発した野村の登板も考えられ、 総力戦で臨むはずだ。法大打線は亀谷松本雅多木の3人が打撃10傑入りし て好調なだけに、早い回から攻略し三上を援護したい。かつて神宮を満員の観客 で埋め尽くす、強い時代を思い出させる熱気が今日の球場にはあった。長い低迷 から再び輝きを取り戻した今季の法大。黄金時代復活へ―。6季ぶり43回目の 天皇杯はすぐ手の届くところにある。(中澤 弘樹)


 
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