レース展望&直前インタビュー

 29日、関東学連から各校の区間エントリーが発表された。往路にエース級を並べてスタートダッシュを図る大学が現れ、俄然混戦模様となってきた今大会。そんな中、法大は一体どんな戦いを見せてくれるのか。4年連続シード権獲得に向け、いよいよ戦いの幕が切って落とされる。


◆往路

 1区に指名されたのは主将の友廣哲也。東海大が佐藤悠基を1区にするなど平坦で走りやすい1区なだけに高速レース化が予想される。飛び出した選手を追いかけるのか、それともうしろで様子をみるのかここでの判断が全体の流れを決める。個性派集団をまとめてきた友廣。主将の走りに期待したい。
 前回の大会を怪我のため走ることの出来なかった圓井彰彦が「花の2区」にエントリーされた。山梨学院大のモグスや東海大の伊達など各校のエースが揃う2区は、区間新記録更新の声も高く、高レベルな戦いが必至。法大のエース圓井にとって我慢のレースになるものと思われる。
 今回の箱根駅伝で法大の往路の鍵を握ると思われる3区は前回と同じく下川原温が走る。これまでの「つなぎ」の区間と言う概念は、近年の箱根駅伝では様相を変化させた。日大のダニエル、中大の上野などエース級が今大会も集った重要区間。ここまでに出遅れている場合は、もう一度流れを引き戻す役割を負い、上位につけていたら流れを止めない走りが必要となる。湘南の海風に下川原が挑む。
 4区は清水陽介。前回から区間変更により1番短い距離になった。前回はあまりタイム差が生まれなかったが、次の山を見据えて出遅れは禁物だ。スピード勝負になる4区は、中距離で鍛えてきた清水にとってベスト区間と言える。自慢のスピードでアップダウンの激しい4区で区間上位を目指す。
 山上り5区には前回同様に姜山佑樹がエントリーされる。ルーキーイヤーの前大会は区間17位と不本意な結果に終わった。最長区間でもある5区はタイム差、順位差がもっとも表れる往路の山場だ。シード権圏内、もしくはシード権が見える位置でゴールして欲しい。
 3区・下川原、5区・姜山と前回と同じ区間を走る選手がおり、友廣、圓井も箱根駅伝を走った経験がある。この経験を生かしどこまで上位に近づけるか。復路のスタート6区に2年連続区間2位の松垣が控える法大にとって、近年苦戦する往路でシード権圏内につけることが目標とされる。

◆復路

 復路スタート6区は松垣省吾。3年連続の山下り6区でのエントリー。今回、区間賞はもちろん初の57分台で箱根駅伝の名を刻むことを目指す。山下り"名人"松垣が往路の成績に関係なく法大をシード権獲得に近づけてくれることは間違いない。
 7区は高嶺秀仁。前回は1区にエントリーされるも箱根駅伝の重圧に負けたのか区間18位に終わった。前回柳沼が区間賞を取った7区で高嶺は輝けるか。また松垣がもたらすであろう良い流れに乗れるかがポイントになりそうである。
 これよりレースは終盤戦に入り、順位が気になり始める。その8区には1年生福島成博が抜擢された。ここ数年田中、後藤と次期エースに期待される選手が走っている。法大にとっては来年、再来年を占う区間でもある。終盤に立ちはだかる遊行寺の坂の攻略が鍵となる。
 復路のエース区間9区には、3年生大森英一郎が選ばれた。シード権争いが激しくなるこの区間でどれだけ粘れるかが大事になってくる。
 アンカー10区にも1年生の宇都宮崇之がエントリー。選手だけでなくスタッフや家族の思いの詰まった襷はいよいよ大手町のゴールを目指す。シード権が決まっていたらシードを守り抜く、シード権争いの真っ只中ならばシード権を手繰り寄せる走りを見せてほしい。


 今回も前回同様多くの主力がリザーブに温存されている。エースとしてチームを引っ張ってきた田中宏幸、上尾ハーフマラソンでチーム1の走りを見せた次期エース候補後藤裕介、前回7区区間賞の柳沼晃太。一般入部からのエントリーを果たした越後英俊伊藤雅紀も最後の箱根駅伝に賭ける思いは強い。また、3000SCで関東インカレ、日本インカレで入賞を果たしている齋藤雄太郎も控える。以上のリザーブ選手から当日4人まで区間エントリー済みの選手との交換が可能である。特に今年の2枚看板の一人、田中の起用区間に注目が集まる。4年連続のシード権へ彼らの力も不可欠になってくる。
 今年のチームの下馬評は決して高いとはいえない。しかし、選手1人1人が自分の力を出し切り、襷を繋げることができれば前回の復路優勝以上の結果を得ることができるだろう。
(図師 康佑)



*監督・選手のコメント*

1区 友廣 哲也
(調子は)普通です。(良くも悪くもなく?)はい。(調整は)いつも通りです。監督に任せてます。(具体的には)1週間前から抜くのと、昨日からはポイント練習をやっています。(区間のポイントは)大したポイントはないんですが…16キロの六郷橋の上りですかね。(区間の印象は)あんまり変化のない所かなと思います。(目標は)チームのスタートでチームの流れをつくるのに大切な区間なので、うまく流れをもっていく位置でつなぐことが目標です。(目標順位は)全員区間10位以内でつなげばシードはとれると思います。(意気込みは)最後の年なんで、個人としては結果を残すのと、チームとしてはシード権をとれるようにしたい。 」

2区 圓井 彰彦
「「(調子)普通です。でも前走った時の経験が生きているのか、前よりいい気がします。(調整)いつもの大会と同じようにしています。普段どおりに落ち着いています。(区間ポイント)権太坂を余裕持って登れるかどうかです。あと最後の3キロです。(この一年成長したと感じる面は)精神面です。(目標)69分30秒で走りたいです。(意気込み)自分がやれることをしっかりやって、シード権を取れる順位で走りたいです。」

3区 下川原 温
「(調子)去年(のこの時期)よりはいいです。(調整)今は言われたメニューをこなしています。(区間ポイント)前半10キロは頑張って、後半で我慢できるかどうかです。(この一年で成長したと感じる面は)自分の体がわかるようになったのと、大きな大会の前で調整ができるようになったことです。(目標)区間5位以内、タイムは去年より少しでも上を狙いたいです。(意気込み)頑張ります。」

4区 清水 陽介
「(調子は)いい方。(今はどのような調整を)特にやることはやった。疲れを取って後は気持ちを高ぶらせていくだけ。(区間のポイント)短い区間なので、15kmまでは自分のペースでいく。残りの3.5kmでまだいけるなら上げて、きつくなったらなんとか粘りたい。(目標は)とりあえず岡田さんの記録を目標にしている。(その記録を抜きたいか)抜きたい。(最後の箱根だが)中距離からここまで来るのに4年もかかってしまった。成田さんには出雲でせっかく使ってもらったのに失敗したので、恩返しをしなければと思っている。チームのみんなに納得してもらえるように貢献したい。(意気込みは)特に気負わず、いつもの練習通りにやりたい。」

5区 姜山 佑樹
「(調子)あんまりよくないです。(調整)疲労を取ることです。同時に疲労を貯めないようにしています。(区間ポイント)最後の下りです。去年の経験があるので心配はありません。(この一年で成長したと感じる面は)前回の箱根の経験とか身に付いたことはあります。(目標)前回より1秒でも早く上にいきたいです。(意気込み)やるだけのことはやります。」

6区 松垣 省吾
「(調子は)微妙。疲れが溜まっている。(今はどのような調整を)疲れを抜いている。(調整具合は)何ともいえない。良いようには感じない。(去年の今頃とは違うか)いや、去年と同じ感じ。(区間のポイントは)最初の上りの5km。集中して、そこに全てを注ぎ込む感じでいく。(往路何位でタスキを受け取るイメージでいるか)全然、想像がつかない。往路が終わってからそれによって戦術を立てる。追うのは当たり前だが、往路でシード権圏外なら、6区が終わったらシード権圏内にいるくらいまで上げたい。(目標はやはり区間賞、区間新か)そうだったらいい。往路が終わってから戦術を立てて目標設定して、その目標を達成したら区間新がついてきたらいいと思う。でもその目標が達成できれば仕事ができたということだと思っている。(意気込みを)来年のチームにシード権を残したい。」

8区 福島 成博
「(調子)絶好調。(調整)完璧にできている。疲労を抜くときは抜く。我慢する練習をしている。(区間のポイント)坂が多いのでそこをうまく走る。(目標)区間新に迫る勢いで走る。(意気込み)とにかく粘る。」

9区 大森 英一郎
「(調子は)大丈夫。(今はどのような調整を)みんなと同じ。疲れを抜いている。(区間のポイント)下りをうまくできればいいと思う。(目標は)自分の走りをしてチームに貢献したい。(意気込みを)見てくれた人の期待に応えられるようにしたい。」

10区 宇都宮 崇之
「(調子は)普通です。(調整は)大丈夫です。(目標は)優勝。」

リザーブ 伊藤 雅紀
「(調子は)悪くも無く良くも無く、いつも通り普通。(今はどのような調整を)最終段階で軽めにやっている。(調整具合は)順調。(目標は)何とかチームがシード権を取れるようにしたい。(意気込みは)なんとしてもシード権。」

リザーブ 越後 英俊
「(調子)いいと思う。(調整)今月に入って調子が上がってきたのでいい感じで本番に備えたい。(意気込み)陸上の競技生活で法政のユニフォームを着て最初で最後の駅伝。チームのために貢献したい。」

リザーブ 田中 宏幸
「(調子)どん底。(調整)落とすだけ落としている。(目標)とりあえず調子が悪いから襷をつなぐこと。(意気込み)シード権を取る。」

リザーブ 後藤 裕介
「(目標は)シード権確保ですね。(意気込み)頑張ります。」

リザーブ 柳沼 晃太
「(調子は)普通です。(良くも悪くもなく?)はい。(調整は)普通に。監督の言われた通りにやっています。(具体的には?)疲れをぬいて、本番に合わせる事です。(意気込み)頑張ります。」

リザーブ 齋藤 雄太郎
「(調子)絶好調でもなく絶不調でもないです。インカレの時よりも良くないです。(調整)自分の最大限できることをやれるようにしています。(この一年で成長したと感じる面は)大舞台にもプレッシャーにも強くなったところです。(目標)自分の力を出し切ること、それでチームに貢献したい。(意気込み)チームのために頑張ります。」

成田 道彦監督
「(現在のチーム状況は)普通。(前半をどのくらいで終えたいか?)往路は他の大学が有力選手を揃えたので何とかくらいついていきたい。前半はやはり10番以内でと言いたいが、うちの布陣ではやや厳しいか。去年のように15とか17番手となると去年のような追い上げを見込めるメンバーじゃないので辛い。(圓井選手の様子)12月に入って練習はできていたので2区にした。本人は不安があるようだが。元々9は走りますって言っていたので、それが2区に変わっただけ。(田中選手の様子)本人は調子悪いと言っているが、練習も走れている。(山の二人について)調子は上がっていて、あとはやれることをやって下さいって所です。姜山には去年より良いタイム、良い順位でと。松垣には去年のタイムを追っかけようとするなと言っています。本人は何としても区間賞と言っているが、気負ってしまってもダメなので、区間賞は狙うなと言っています。(ポイントは?)1区。友廣がどういう状態で繋げるか。去年のように最初から一人で走ることになると圓井も辛いだろう。1区に東海が佐藤をという情報は入っていた。ただ早くから情報が入っていたので、どの大学も1〜3区に注ぎ込んで来てしまった。この区間をどのくらいで乗り切れるか。10番からあまり遅 れると復路で巻き返しがきかない。去年のように3分くらいの中で納まると良いのだが。5、6分離れると今年は復路が追っかけられるメンバーじゃない。(目標)シード確保。続けて獲っていかないと強化という意味でも辛いし、来年以降戦力が落ちるので。予選会に回ると何が起きるかわからない。(意気込み)目標はシード権なので、あとは選手がどれだけ頑張れるか。流れを引き寄せてほしい。その意味でも1区が鍵。佐藤君(東海大)のタイムが良いので、追っかけるのか追っかけず後ろでもかまわないのか他の大学の監督がどう指示してくるか。どちらにせよ友廣がどの位置で我慢できるかですね。」


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