最後の箱根駅伝 〜キャプテン友廣〜■ キャプテン ■ 選手やスタッフまたメディアから、自由で奔放なチームカラーと評価される法政大学陸上部。その評判どおり、チームを形づくる選手たちはそれぞれ一癖も二癖もある人間たちだ。 この個性派集団をまとめあげるのは、キャプテンの友廣哲也。チームを率いてもうすぐ1年になる。 しかし『まとめあげる』と言うと少し語弊があるかもしれない。それはチームのアピールポイントを問うたアンケートで、友廣自身が「バラバラ」と答えているからだ。また本人についても「めんどうみがわるい」と、キャプテンシーをきっぱり否定。特に『まとめる』ということにこだわってはいない。1人1人があまりにも強烈な個性をぶつけ合うため、友廣も、チームに堅苦しい統一感がないほうが、いいと捉えているのだろう。 友廣は言葉でチームを引っ張っていくタイプのキャプテンではない。むしろ行動で、選手の1人としてチームとともに進んでいくというスタイルだ。 一方、チームメイトが友廣をどう見ているかというと、「すごいおもしろい」「冷静」「やさしい」「厳しい」「気配りがうまい」などいろいろである。おもしろいのは「やさしい」「厳しい」といった正反対の印象を選手たちが持っているということだ。それは友廣が、時と場、選手の違いに順応し、個性という意外性に適切に対処してきた結果ともいえる。こういったさまざまな一面を表現でき、能力として発揮できるからこそ法大のようなチームでキャプテンがつとまるのかもしれない。 今シーズンの結果は、友廣にとって決して納得のいけるものではない。全日本大学駅伝予選第1組で25位、出雲駅伝3区11位と結果でチームを牽引できていないのだ。特に全日本大学駅伝の予選では、1組目で、ある程度のアドバンテージをつくりたかったものを、逆に他大学とのタイム差をひろげてしまい、3、4組の松垣、圓井の好走むなしく全日本大学駅伝本選の切符を逃すという結果をまねいてしまった。「今季は特に結果を求めて走ってきた」と言う友廣だけに、この成績はかなり悔しかっただろう。 そこからの反省を生かし、箱根駅伝に向けての練習は順調にこなしてきた。特に練習量を増やしてはいないが、成田監督のメニューをこなせばおのずと結果はついてくると確信をもっている。 社会人でも陸上を続けていく予定の友廣だが、自らの長いアスリート人生の中で、今回の箱根駅伝を特別に意識しているという訳ではない。「あまり長いスパンで箱根をみていない。中、高、大と陸上をやっていく中で、その時その時の目標をクリアしてきた。だから今回だって同じ」と本番前に変な高ぶりもなく、落ち着いている。 友廣の箱根駅伝での目標は、シード権獲得と、とにかく箱根駅伝を走って自分の力を発揮すること。その本心には、後輩たちの箱根駅伝に自分たちの箱根駅伝をつなげたい思いと、力を発揮できさえすれば、区間上位で襷リレーできるという自信がうかがえる。 昨日のエントリー発表で1区が濃厚になった友廣。大手町から鶴見までどんなレースを見せてくれるのか。オレンジエクスプレスとなってチームに勢いと勇気を与えてほしい。幸運を祈る。ガンバレ友廣!! (黒澤 亮)
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