悔しさを糧に挑む箱根路
〜2年目の飛躍を誓う昨年のルーキー〜
■ 明暗分けた前回大会 ■
今春、戦後初タイトルとなる復路優勝を獲得し、大手町の法大陣営は大いに沸いた。しかし、そんな歓喜の中で笑みを見せない選手もいた。往路出走メンバーである。今大会の法大は、往路メンバーの悔しさを晴らす場である。
特にその悔しさを押し殺していたのが、1年生ながら主要区間である1区と5区を任された高嶺秀仁と姜山佑樹である。高嶺は昨年ルーキーながら関東インカレ・日本インカレに出場。5000mの記録は法大1、2を争い、スピードを武器とした走りを売りとしていた。当初1区を予定していた圓井彰彦が直前でエントリーから漏れ、圓井の代わりに1区に抜擢された。しかし、結果は区間18位。流れを作りたい1区でまさかの大ブレーキとなってしまった。一方、姜山は区間距離変更で各校エース級が集った5区を任された。昨年、夏合宿で成長を見せ、秋に入り、1万m29分台前半を記録。部内での1万mの順位も上位に上がり、突如として主力組の仲間入りを果たした。「適性はあると思う」と成田道彦駅伝監督の期待もあり、重要区間5区山上りにエントリーされた。しかし、"天下の険"箱根の山はそう甘くなかった。4区途中から降り始めた雨により身体が動かず、またエース級ランナーが集った5区の難コースに完全に翻弄され区間17位に沈んだ。
「自分の力がどのくらいなのかはっきりしました」と高嶺。ルーキーイヤーの箱根路挑戦は自分を見つめなおす機会となった。
■ 悔しさ晴らす今大会 ■
辛い箱根駅伝の経験を経て、二人は春からフル回転の働きを見せた。関東インカレには揃って出場。高嶺は先日の出雲駅伝で終盤の5区で区間2位の走り。法大最高順位タイの7位まで押し上げた。姜山はというと、夏に怪我を負い、「充分な練習が積めていないから」(成田監督)とエントリーから外れ、多摩で練習を積んだ。その結果、10月に行われた日体大記録会では部内トップのタイムを記録し復調。箱根駅伝に向け心配のないところをアピールした。
「悔しかった」(姜山)と話した箱根駅伝からもうすぐ1年が経とうとしている。ルーキーだった昨年とは違い、チームの主力として結果が求められる来春の箱根駅伝。共に主要区間でのエントリーが濃厚だ。同じ学年の佐藤悠基(東海大)・竹澤健介(早大)が注目を集める中、絶対に負けられない。前回大会のリベンジに燃える二人の次世代エース候補が再び箱根路に対峙する。決して前評判の高くない法大ではあるが、『波に乗ったら何をしでかすかわからない』チームの本領が発揮されれば、悲願であるタイトル「総合優勝」も見えてくるかもしれない。その鍵を握るのが天国と地獄を知る彼ら、姜山・高嶺だ。
(森 隆史)
この記事はスポーツナビ寄稿記事を基に再編集したものです。
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