4年連続のシード権に向かって
〜成田道彦駅伝監督〜

  ■ 是が非でも欲しいシード権 ■ 

 成田駅伝監督がよく口にする言葉がある。「シード権」という言葉だ。就任以前には長距離を走れない選手が多く、箱根駅伝に予選落ちすることもあった法大。しかし、成田監督は2000年の就任以来、一度も欠かさず本大会へと導いている。戦後最高タイの4位と快挙を達成した2004年の大会後、結果よりもまず「シード権が取れたことが一番うれしい」と述べた。
 前回大会もシード権の奪取を第一に掲げていたのだが、往路では15位に沈む。しかし、復路では7位まで巻き返してフィニッシュ。「復路優勝」まで手に入れたが、それはあくまで「プレゼント」という認識で、シード権の獲得が叶い笑顔の監督がいた。

  ■ 選手のための箱根 ■ 
 
 2003年の大会ではエース土井や主力の黒田を欠き18位に沈んだ。本番前の故障が原因だった。その時のことを引き合いに出して「選手たちが入れ代ったために経験がない。こっちがいくら落とせと言っても、1〜4年生は実感がないので、頑張ってしまう」と語る。監督就任時は練習をしない選手も多かった。しかし今は逆だ。練習をしすぎる選手が多い。練習のしすぎが故障につながるのを目の当たりにしてきた監督にとって、過度な練習を止めなければならないことが辛いところだ。
 「今年は復路優勝というものを背負ってしまい、去年以上の結果を選手が出そうとしてしまう」と分析する。なによりも選手のための箱根駅伝という考えのもと、選手の体調管理には神経をとがらす。今季も怪我に襲われる選手が続出した。出雲駅伝にエントリーされた選手のうち、大多数が4年生だった。実際に走った選手は、2年の高嶺以外はすべて4年生。その4年生以外には夏場の故障が響くなどして出場を見送った選手もいれば、故障で機能しなかった選手もいる。同時に一年生の底上げも必要になってくる。自己ベストの向上はして欲しいのだが、上にも述べたとおり、選手の故障が何よりも怖いことを知っている監督の胸中は複雑だ。

  ■ 強い信頼関係 ■ 

 監督のことをある選手は「自分が成長するには必要な存在」と表し、またある選手は「父親的存在」と表す。「自由さ」を前面に出しているチームのなかで、「やりたいようにやらせてもらえる」と話す選手もいる。強い信頼関係の構築が3年連続のシード権獲得につながっていると言っても過言ではない。選手たち、とりわけ卒業する4年生にとっては後輩たちのため、そして成田監督への恩返しの意味も込めて戦ってくれるはずだ。チーム一丸となってシード権を奪いに行く法大の戦士を目にする日が近い。  

(片野 真和)

成田道彦駅伝監督
成田道彦(なりた・みちひこ)
文学部卒
1956年2月6日生まれ
西目農業高校出身
監督就任=2000年2月


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