日本一の栄冠、惜しくも一点及ばず


第60回 ライスボウル
法政大学 VS オンワードスカイラークス
○2007.1/3  東京ドーム 晴


29
法政大学
13 1Q 13 30
オンワードスカイラークス
2Q
3Q
4Q

 
44−25−0 パス(試投−成功−INT) 20−8−1
245YDS パス獲得ヤード 179YDS
133YDS(31) ラン獲得ヤード(ラン数) 159YDS(43)
1-1 フィールドゴール 回数−成功 2-1


 念願の甲子園2連覇を果たし、学生一に輝いた法大トマホークスは、 2年連続4度目となるライスボウルに出場した。相手はジャパンエック スボウルで鹿島ディアーズを降したオンワードスカイラークス。つまり この戦いでアメフト界日本一が決まるのだ。「去年は悔しい思いをし た。勝つ気で試合に臨む」と主将DB伊倉が言うように、法大は全力で 挑んでくる。的を絞らせない攻撃と粘り強い守備を武器に、どこまで社 会人と戦えるか。一方オンワードスカイラークスも、大型強力OLの一 人であるT志摩や、伸び盛りの若手RB伊藤など法大出身者を多く擁し ているため、法大に対して学生といえども油断はしていない。1月3日 東京ドームにて、初の栄冠をかけた熱い戦いが始まった。

 法大のキックオフで前半がスタート。そのキックをキャッチしたRB 杉原が、そのまま100ydsを走り抜き見事なリターンTDを決 める。開始早々に点が奪われ、この調子で点差が開いていくのかと思わ れた法大だが、第1シリーズでは地道に更新を重ねる。QB菅原のラン やWR本間へのパスでゴール前1ydsまで追い込むと、QB菅原 が自ら走り込んでTDを奪う。6−6の同点。続くオンワードスカイ ラークスはQB小島からのパスが通り、WR前田に44ydsTD を決められる。しかし法大は第1Q終了間際にスペシャルプレーを見せ る。QB菅原からハンドオフされたボールを、WR本間がWR戸倉にパ ス。WRからWRへの57ydsにも及ぶパスを成功させ、敵陣6 ydsまで追いつめた。そこからRB丸田のランが決まり、13−13と またもや同点に追いつく。第2Q、まずはRB杉澤の25ydsT Dでオンワードスカイラークスが法大を突き放す。13−20。前半を なんとしてでも同点で終わらせたい法大は第5シリーズ、QB菅原では なく直接RB丸田にスナップするなど相手ディフェンスを惑わすプレー を見せ、ファーストダウンを得る。QB菅原のスクランブルで敵陣へさ らに攻め入ると、右にいくように見せて中に入っていくという巧みな動 きを見せたWR戸倉にパスが通る。13ydsTDを決め、前半を 20−20の同点で折り返した。追いつ追われるの前半であったが、後 半はスタミナ勝負。若さ溢れる速攻で良いスタートダッシュを切った法 大は、どこまで社会人王者オンワードスカイラークスに食いついていけ るか。

 勝負の後半が始まった。まずはオンワードスカイラークスが動きを見 せる。第2シリーズ、WR福田へのパスが成功し敵陣まで入り込むもの の、法大DL山崎のQBサックやパス不成功などで4thダウンに 突入。そこで勝負に出たオンワードスカイラークスのK福田(将)は4 4yds地点からのフィールドゴールをきっちりと決めてきた。3 点をリードされた法大は第3シリーズ、QB菅原からWR戸倉へのパス が幾度となく決まり、TDまであと2ydsという地点まで駒を進 めた。ここで誰もが逆転を期待したであろう。しかしQB菅原からのパ スがなかなかコンプリートせず決定機を逃した。非常に惜しい場面で あったが、このシリーズの4thダウンにはRB溪本がフィールド ゴールを決め同点に追いつく。23−23。そして第4Q、ここで両者 の運命が決まる。まずは法大、QB菅原が敵陣32yds地点から パントを見せかけた後、RB溪本にパスを繋ぐというプレーを見せダウ ンを更新する。2ndダウン、WR栗原はQB菅原からのパスを受 けると相手ディフェンスを2人かわし15ydsゲイン。するとQ B菅原は、WR戸倉へのフェイクを混ぜRB溪本にパス、RB溪本は8 yds走り込み、とうとう逆転となるTDを決める。キックは不成功で2 9ー23。しかし喜びもつかの間であった。オンワードスカイラークス の第5シリーズ、残り6分という時間帯にQB小島からWR山本に20 ydsTDを決められ29−29とされる。キックも成功し29−30。 このままオンワードスカイラークスにうまく時間を消費され、3時間以 上に及ぶ試合は幕を閉じた。

 どちらに勝利の女神が微笑むのか、最後まで予測できない戦いであっ た。一点差という現実を前に、涙する法大の選手もいた。しかし今大会 で、法大が昨年よりも確実に成長を遂げていることが証明できたのでは ないだろうか。RB丸田のランを軸とした攻撃から、レシーバー陣を多 く起用したバリエーション豊富な攻撃へ。QB菅原がリーグ第2節で負 傷したためその後欠場が続いたが、QB小田やWRでありながらQBも こなす田口のおかげで法大のリズムが大幅に崩れることもなかった。一 新したOL、鉄壁のディフェンス陣など社会人にも十分通用するような チームへと出来上がりつつある。一方青木監督は、「昨季はけが人も多 く選手たちは傷んでいる。今季は選手層を厚くする」と強調。進化し続 ける法大トマホークスに今後も目が離せない。


◆監督・選手の試合後のコメント◆


 

・青木監督 「もう少しだった。DFが少しやられていた。体が痛んでいた。菅原が万全な状態ではなかった。リーグ戦のケガが完治していなかった。途中スライディングをして倒れこんだのはケガの影響。いつもならあそこであと一人くらいはかわせる。休みがとれなかったのもある。審判がだらしない。ホントに悔しい。今年1年は予定通りにやることができた。ライスで勝つには選手層が厚くないと勝てないから、選手層を厚くしたい。 」
・DT伊倉主将(4年) 「悔しい。負けたことについて今は考えられない。自分の力は出し切った。社会人は重いが勝てる場面もあったし、ライン戦では負けていなかったがランはしんどかったし、それをラインで止めることができなかった。自分たちができなかったことを成し遂げて欲しい。4年間の成果が連覇という結果につながり、成長できた。トマホークスも成長できた。後輩たちには社会人に勝って欲しいが、勝たせない(笑)。主将としてのこの一年は、正直しんどかった。今は、もう一年あれば勝つことができるのにと思っている。自分にとってトマホークスは、全てだった。この四年自分の全てを捧げた。本当にいい仲間達に恵まれ最高の日々だった。」
・RB丸田(4年) 「去年の反省を活かして勝つつもりだった。敗因はまだわからない。自分たちのプランでいけた。向こうのDFは想定内。止められても切り替えることを大事にした。強い相手なので苦戦することはわかっていたので、そこはみんなで頑張ろうと決めていた。怪我は残念。みんなに迷惑をかけてしまった。下級生には自分たちの悔しさを果たしてもらいたい。この試合で自分のやれることが見つかった。自分たちが引っ張って行ったと言うより、下に押し上げてもらった。下級生には感謝している。この四年は、自分を本当に成長させてくれた。この四年は、これからの自分の人生の糧となると思う。来季は、今日後半のOFは自分も永井も抜けていたが、きっちり機能していた。なので必ず来季もやってくれると思う。」
・SF山下(4年) 「今日は、いい試合ができた。ただDFとしては、タックルミスなどが目立ち悔しい。ここまでの四年を振り返ると精神的に成長できたと思う。とくに今年は4年、3年でうまくチームをまとめられよかった。来季は、今年のチームが3年中心だったので、一人一人が地道に自分の役割を担い頑張ればいい成績を残せると思う。」
・LG永井(4年) 「悔しい。練習通りのプレイができた。スペシャルプレイでのミスや細かいミスがあった。去年と比べてライスボウルでの勝負を意識してきた。リベンジしてほしい。甲子園ボウルだけではおさまらない。トマホークスは自分を成長させてくれたし、4年間で変わることができた。」
・DE福田(4年) 「今日は、結果負けてしまったのであれこれ言うことはない。今季は、副将としてチームに関わってきたが、個性の強い集まりで苦労もあったがよくまとまった。この四年を振り返ると始めの頃は、先輩が自分達にやりやすい環境を与えてくれ非常にやりやすかった。だから自分が上になった時は、そういう環境を作ることを意識した。色々あったが本当によい四年間だった。後輩達には、自分達ができなかったライスボウルを勝って欲しい。 」
・QB菅原(3年) 「全て出し切った。何が足りたかったのかは考えられない。ミスも今の力のひとつ。OFのプランは間違っていなかったし、去年より手ごたえがあった。スカウティング通りのDFだったからやりやすかった。勝ち越したときも、次OFがきたら出すという気持ちで1プレイに集中していた。ケガもしないようにした。スピード、パワーが一枚上手。来年までどれだけこの差を埋められるか・・・去年は甲子園で完全燃焼だったが今年はライスを見据えていた。今年のOFは全員で盛り上げられた。だから、丸田さんが抜けても問題はない。」
・WR戸倉(3年) 「惜しかった。自分たちのやることはやったが、結局負けたからどこか出し切れてないところがある。楽しくやれた。相手は速くて、強くて、上手いが負けて満足できるわけない。ノッチ(菅原)あってのトマホークス。若いOLを引っ張ってくれた。リーダーシップが凄くある。来年は4年としてチームを引っ張る。日本代表合宿で社会人が強いいうことはわかっていたが、やれないことはなかった。 」