聖地甲子園で進化の証を刻み込むも |
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あの大敗から1年が過ぎ、法大トマホークスは再び聖地甲子園へと舞い戻った。対戦相手は奇しくも昨季と同様立命館大学パンサーズ。1年前の雪辱を果たすために試合に臨んだ法大。試合はDFの奮起とOFの立命大対策が成功し、前半を10−10で折り返す。さらに後半はRB伊藤喜のリターンTDで立命大からリードを奪う。しかしミスの連発でモメンタムを立命大に奪われると、立続けにTDを挙げられ、逆転を許してしまう。法大も諦めずに反撃を試みるも、時間は徐々に経過してゆく。そして最後の望みをかけたQB菅原のパスが失敗した瞬間に時計が0を指す。この瞬間今季の法大の挑戦が幕を閉じた。
試合は法大のWR戸倉のキックでスタート。法大は立命大のOFシリーズをLB森田のQBサックで仕留め、フレッシュさせずにパントに追い込む。続いて法大のOFシリーズ。最初にOFの指揮をとったのは市川。法大は市川のロングパス、伊藤喜のラン、市川のキープとプレーを選択するが、ダウン更新には至らず、パントで攻撃権を譲り渡す。法大は迎えた立命大のOFシリーズではDLの猛ラッシュでランOFに対応するが、QB池野→WR木下のホットラインの前に連続してフレッシュされ、法大陣内への侵入を許す。しかしここは法大DFが寸前で粘りを見せ、FGでの失点にとどめる。再び攻撃権を得た法大は市川のロールアウトパスが蔵重、戸倉にヒットし、2度フレッシュするが、3度目のドライブでダウン更新に失敗し、パントを選択する。しかしパンターにセットした菅原がパントではなくRB丸茂へのパスを試み、これが成功する。さらに菅原はこのままプレーを続け、立命大DLのパスラッシュをかいくぐりながらWR国友、蔵重へパスをヒットさせ、ゴールライン目前まで迫る。そして最後はゴールライン3yds地点からRBへのハンドオフフェイクの後、菅原がエンドゾーンに飛び込み逆転のTDを奪う。
1Q終盤から続く立命大のOFシリーズでもDE福田のロスタックル、SF山下のパスカットなどの好プレーが飛び出し、法大DFが立命大の前進を阻む。続く法大OF時にはI体型からの伊藤喜のオプションピッチでフレッシュすると続くドライブでは菅原のシャベルパスを受けたRB丸田がフィールドの中央を駆け抜け一気に敵陣まで前進する。さらに法大は菅原のキープとショートパスで前進を図るが、TDには繋げられず、FGを選択する。ボールオン38yds地点という長い距離であったが、LB飯塚が正確なキックでFGを成功させ、法大が更なるリードを奪う。しかし続いて迎えた法大DF時に立命大が反撃を開始する。これまでライン戦で優位に立ち、ランプレーに対応していた法大だが、このシリーズでは序盤に池野→木下のパスでロングゲインされると、RB岸野、古川らのランによるゲインを許し、ずるずると後退してゆく。さらに法大は反則による罰退でゴールライン直前まで攻め込まれ、最後は池野のTDランが決まり、同点に追いつかれてしまう。法大は菅原のパスで勝ち越しを狙うが、フレッシュには至らず、パントに追い込まれる。一方DFではDT高橋のQBサックでロスを奪い、こちらもダウン更新を許さない。こう着状態を大開するためにQBを市川に変更した法大は蔵重、井上へのパスで1度はフレッシュするが、またもや反則を犯し大きく前進することができない。しかしDFでも主将LB二上の豪快なタックルで池野を仕留め、前進を阻む。
後半は法大のレシーブでスタート。ボールをキャッチしたのは伊藤喜。伊藤喜はリターンチームの作った一瞬の隙を活かし、フィールドを一直線に駆け抜け、エンドゾーンに到達し勝ち越しのTDを挙げる。一方DFチームは前半とは逆に立命大のランによってずるずると前進を許してしまう。そしてTDは阻んだものの、FGトライとなってしまう。しかしここでFGブロックチームに入っていたSF鹿島が猛ダッシュでキックをブロックし得点を許さない。逆に攻撃権を得た法大は伊藤喜のオプションピッチや市川→伊藤尚のシャベルパスでフレッシュし前進を続ける。だが立命大DFのラッシュによりプレッシャーのかかった市川がこれをファンブルし、ボールをロストしてしまう。レッドゾーンからのDFとなった法大は奮闘するも、最後は立命大RB斎藤によるTDランを決められ、同点に追いつかれてしまう。更に次のOFシリーズでは今度は菅原がファンブルロストし、ターンノーバーを喫すると、その直後の立命大OFシリーズ最初のプレーで池野→木下のパスプレーで逆転TDを許す。これで完全にモメンタムを立命大に奪われた法大は続くOFシリーズでも市川のパスがインターセプトされ攻撃権を立命大に譲り渡してしまう。
傾いた試合の流れを取り戻すためにも積極的にパスを投じる法大であったが、4Q冒頭のOFシリーズではフィールド中法付近で市川のパスが立命大選手にインターセプトされ、攻撃権を奪われてしまう。続くDFの際にはフレッシュを許さずパントに追い込み、このパントもDT高橋がブロックする。しかしここで一旦空中に上がったボールに法大の選手が触れてしまい、さらに立命大の選手がボールをカバーし、記録上はファンブルロストとなってしまう。動揺を見せる法大に対して立命大はこの試合池野→木下のパスプレーを選択。フィールドの真ん中でボールをキャッチした木下は一気にエンドゾーンに侵入し、追加点となるTDを許してしまう。迎えた法大OFシリーズでは市川→伊藤喜のシャベルパス、市川のオプションキープなどでフレッシュを続けて敵陣に進入する。また市川→井上のロングパスに活路を見出すが惜しくもこれは失敗する。すると次のプレーで市川の投じたパスが立命大LB内田にインターセプトされ、そのままエンドゾーンまで到達されて、更なる追加点を奪われてしまう。法大もQBを菅原に変え、なんとか反撃を試みるが、ライン戦で立命大DFにオーバーパワーされ、QBにプレッシャーがかかり前半のようなプレーをすることが出来ない。そして最後の望みをかけたQB菅原のパスが失敗した瞬間に時計が0を指す。この瞬間今季の法大の挑戦が幕を閉じた。
各所でささやかれた法大不利の下馬評。しかし1年間のすべてをこの試合にかけた法大は徹底した立命大対策で3Qまで互角の勝負を繰り広げた。終盤こそミスの連発で突き放されたが、この試合の法大は1年前の姿からは明らかに進化を遂げていた。少なくともSGを採用していなければこれだけの試合にはならなかった。その意味ではSGという未知の分野に足を踏み入れた今季のコーチ、選手の勇気に大きく敬意を表したい。しかし安心してはいけない。確かに法大は近年差が広まっていた関西勢に肉薄する位置まで近づくことが出来た。だが一見小さそうに見えるこの差に法大は過去数年泣かされ続けてきた。日本一が目前に迫ってきたからこそ、今一度自分たちの足元を見据える必要がある。そうすれば必ず法大は更なる進化を果たす。今季は涙で甲子園に別れを告げたトマホークス。来季こそは笑顔で甲子園を後にし、東京に戻ってくる姿を期待したい。チームの皆さん今年1年間お疲れ様でした。 コメント大森監督:「チャレンジャーとして戦ったが、点数差ほど力の差はないと思う。去年を考えるとかなり立命に近づけたと思う。後半、ちょっとしたミスが続き、そこをリッツにうまくつかれた。菅原が1年生ながらも大舞台で堂々とプレーしてくれたのでよかった。菅原、市川ともにいい経験になった。試合中、特に前半は全く悪いイメージはなかった。徐々に追い込まれていった。この試合けが人が多く出てしまったのは長丁場だし仕方のないこと。ショットガンはまだまだマスターできていない。勝ったらもっと褒めたかった。OFはまだまだ。来年また来れるようにしたい。」 青木助監督:「手が届くところまで来た。今季は初戦で負けてしまったが、下級生が成長し、使えるめどが立った。ミスで負けたが来年は勝ちに行きたい。関東の常勝ではなく、甲子園の常勝チームになる。」 会澤学生コーチ:「去年に大敗し、ここまで立て直すことが出来た。今日はDLが頑張っていた。DLは下級生主体だったので来年はチームを引っ張ってくれるはず。来年は立命との差を更に埋めてくれると思う。」 二上主将:「去年は負けて相当悔しかった。しかし今年は自分たちがやりたいことをして、胸をはれる試合ができたと思う。TD3本差は大きいとはいえ内容のいい試合ができた。立命の強さは弱い部分がないといったらそれまでだが、強い部分をあげるとしたらシステム、アジャスト能力だと思う。今日終わって考えてみると、相手のプレーコールが自分たちの裏をかいていて、プレーが押さえ込まれていた。(あえて敗因を挙げるとしたら?)技術面では差がないと思っている。DF面で(あくまでも自分は)やられた感じがしなかった。下級生は勝ちたいという気持ちを持って一緒に一所懸命やってくれた。(下級生に向けて)関東と関西の差は大きくて、関東が劣勢と言われているが、気持ちでその差は縮まると思う。来年は自分たち一人ひとりの役割をしっかり果たし、アジャスト能力をつけてミスを出さないように。満足した部分もあるが負けた分満足はしていないので勝って見返したい。」 永浦選手:「ミスで流れが悪くなった。ああいう負け方は悔しい。OFは思い通りに出来たけど最後の詰めが甘かった。去年よりは手ごたえがあった。でも1度崩れると一気にやられてしまったので、もっといろんなことに対応できる力、途中で立て直す力が必要。SGもやってて楽しかった。いろいろな人の力を借りて1つのことをやり遂げたので充実感があった。右も左もわからない状態からはじめたがみんなで協力してできるようになった。SGになってDFの動きが見えるようになり、相手に対応したプレーコールが出来るようになった。今季はサイドラインにいる機会が多かったが、昨季とは違いプレーの作成から関わることが出来たので充実した1年間を過ごすことが出来た。この試合をいい経験にして次に活かしてもらいたい。」 伊藤喜選手:「去年よりいい試合ができた。下級生がよくやってくれた。(試合内容について)やはり立命のディフェンスが強いのでパスカットされてからうちのOFが崩れ始めた。パスが失敗してきたのでランに切り替えた。(3Q開始直後のキックオフリターンについて)常に狙っていたがブロックのおかげできれいな穴が開きあそこまで走れた。敢闘賞をもらってもあまりうれしくはない。ここまで来れたのは自分だけの力ではない。去年までは自分がチームの中心という感じだったが、今年はみんなでがんばれてよかった。勝っても、負けても楽しい試合にしようと思っていたので、楽しい試合になってよかった。関西のチームは集まりが早かった。甲子園は1年間の集大成。勝ち気じゃないと絶対無理。1年間体を鍛えてヨーロッパ、アメリカに挑戦したい。」 市川選手:「(今日は)全然ダメ。先発出場してリズムにのれるかと思ったが、後半立命にファンブルリカバーされてからリズムが乱れて、それがパスの乱れにつながった。でも立命に対してやりたいことはできた。」 菅原選手:「最初から思い切りいこうと思っていた。最初のスペシャルプレーでリズムに乗れた。ショットガンはリズムが大事。リッツのDFが混乱させてくるのはわかっていたのに、それでも集中力を欠いてしまった。試合を通してプレッシャーはあった。ショットガンも身体もまだ未完成。絶対来年は勝ちたい。プレイコールは普段QBが出すが、今日はベンチから出るケースが多かった。リズムに乗っている時は自分のプレイコールで始めたい。リッツのようなチームはベンチからでないとわからないことも多かった。タッチダウンは夢中だったのであまり覚えてない。ランだけだと手詰まりになると思う。進化するにはショットガンは必要だと思う。やっていてもイイ感じで手応えもある。タッチダウンのときのプレーはずっと温められていたプレー。今日は絶対出したいと思っていた。リッツのDLのスピードは桁違いに速かった。後半を台なしにしてしまった。試合通じてミスが出ないようにしないといけない。悔いが残る。甲子園で勝てるようにがんばる。」
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