2006年01月20日
【特集2】悲劇乗り越えつかんだ栄光
女子バレーボール部 山本美萌(法学4年)
――小さなエース、果たした大役

身長166㎝。キャンパスで見かければ、他の学生となんら変わりはない。しかし、ひとたびユニフォームに袖を通せば、そこにスーパープレーヤーが現れるのだ――。

2005.12.5~11に行われた全日本大学選手権(以下、インカレ)。山本が『主将』としてチームを引っ張る最後の大会だ。尻上がりのチーム力で最終ステージまで駆け上がり、筑波大との決戦も劇的勝利で収めた。青学大のキャプテンが、チームメイトの胴上げで宙に舞う。実に、17年ぶりのインカレ制覇だった。
「やっと、ここに立てたなぁ・・・」。試合後、至福と安堵に包まれた表情で言った。
木村智香子さん(05年卒)との2枚エースで活躍していた山本をアクシデントが襲ったのは、2年前のこの大会だった。試合中に膝の靱帯を伸ばしきってしまうという大けがに見舞われたのだ。
中心プレーヤーとなるはずだった3年目を目の前に、地獄を見た。次の一年間を、丸ごとリハビリに費やすことを余儀なくされたのだ。
「レギュラーから外され、バレーからも離れてリハビリをした。辛かった」。しかし、「学ぶことも多かった」と言う。どん底の中で山本を前に向かせたのはやはり、「バレーがしたい」その思いだった。
「外から冷静に見られるからこそ、ここで何をすべきかということがわかった」。無駄に時間を過ごすことなどはなかった。
インカレ直前の測定記録では、スパイクの最高到達点がなんと296㎝。166㎝の身長と照らし合わせても尋常な数値でないことは分かるだろう。「レギュラーで、プレーがしたい」。強い意志に支えられ、過酷なリハビリ・トレーニングを耐え抜いた。その結果、最後の舞台で「ケガする前より跳べている」ほどの完全復活を果たしたのだ。
スパイクだけではない。後衛に下がっても前後左右に飛び回り、しぶといレシーブでチームを奮わせた。春季リーグからインカレまでに手にした数々の賞からも、プレーのバランスの良さがうかがえる。しかし、卓越したジャンプ力についても、「自分の取り柄はこれ(ジャンプ)だけですから」と気さくに笑うのだった。
悲劇の先に見事栄光をつかんだ山本は、この大会でバレー人生に幕を下ろすこととなった。最後に後輩へ、「これに満足せず、4冠目指して欲しい。また『優勝しました』っていう報告を待ちたい」とエールを贈った。
チームを大学日本一へと導いた小さなエースの存在は、この先続くバレー部の歴史の中に、長く長く残るに違いない。(萌)
山本美萌個人賞一覧
17年度
関東春季1部リーグ・MVP、レシーブ賞
東日本インカレ・MVP
関東秋季1部リーグ・敢闘賞、レシーブ賞
全日本インカレ・MVP
January 20, 2006 08:24 PM
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