THE RACING

2005年07月12日

誰もが手軽にカート場へ行けたら:山本左近

 どうも、左近です。3週間ぶりですね。その間に、スーパーGT@セパンサーキットと、フォーミュラ・ニッポン@鈴鹿の2レースがありました。セパンでは、金曜日から悪かった車を、うまく調整しきれず我慢のレースとなり、結果を残すことができませんでした。しかし、その翌週の鈴鹿では、日曜日のレースが雨となり、色々とハプニングが起こる中、着実に追い上げ、4位入賞を果たす事ができました。今まで、入賞できそうで遠かったフォーミュラ・ニッポンでの初完走、初入賞をし、チームとともに充実感のある週末が送れました。

 さて、今日は、よく聞かれる質問、レース大変? 運転してて疲れるの? っていう疑問にお答えしようと思い、レーシングカーを運転することがどれだけ大変で、どんなトレーニングをどれぐらいしているかってことを、どうまとめようかと考えていたら、どうしても伝えたいことがでてきてしまったので、そちらをメインで書いていきたいと思います。

 『今年1月15、16日に幕張メッセで行われた「東京オートサロン2005」へ行ってきた。このイベントは、「チューニングにかける情熱、心揺さぶるカスタマイズを」というテーマから分かると思われるが、自動車用品のアフターマーケットの会社が展示を行うものあった。そこには、各社が色とりどりなブースを用意してあった。巨大なスクリーンにイメージを映し出したり、会社のイメージを演出するための音楽であったり、キャンペーンガールを用意したり、来場者に配るパンフレットを作ったりと提案する側は、とにかく派手に用意してあった。しかし、その派手さに見合うだけの来場者の人数も多かった。とにかく会場内は、人、人、人であって、相当広い面積の会場であったのにもかかわらず通路をまともに歩くこともできなかった。話に聞くと、毎年3日間の開催日程で、25万人ぐらいの人数が来場するという。私の住んでいる豊橋市の人口の約3分の2に当たる人数が訪れると考えると、オートサロンがイベントとしていかに注目され、成功しているのかが、うかがえるだろう。

 しかし、ここで私が感じたことは、これだけ多くの人が、「東京オートサロン」には来るのに、なぜサーキットには足を運ばないのだろうかと。極論を言ってしまえば、「東京オートサロン」にあるのは、ただの置いてある車である。確かに色々と改造されたり、チューニングされたりしているのかもしれないが、実際にそれで走れるものばかりではなく、装飾品という意味合いのほうが強いものが多かった。

 私はそれらの車に対して、必要以上の興味はわかなかった。私が「東京オートサロン」へ行ったのは、今年のチームとの交渉であったり、レース関係者への挨拶をしたりすることを目的として行っていたためでもあるかもしれない。

 そして、何故だか幕張と羽田が近いと勝手に勘違いしていた私は、ホテルを品川に取ってしまい、幕張まで行くのに、電車で片道1時間以上かかってしまった。そのため、正直そこへ行くのが億劫であったが、仕事のため、なんとか頑張って電車に乗った。品川から山手線に乗り、東京駅で、乗り換えが700メートルもある京葉線に乗り、さらに40分ほどかけて、海浜幕張まで行き、さらにそこから15分ぐらい歩いてやっと会場の入り口に着くのである。はっきり言って、雨も降っていたし、興味のない人間には辛い状況であった。しかし、そこに25万人もの人が来たということは、興味を持っている人が少なくとも20万人はいるということである。しかし、レースでは、せいぜいF-1の鈴鹿GPで15万人ぐらいだろう。国内のレースになると人気があるGT選手権でも5、6万人程度である。なんたる格差であろう。車に興味がある人はいるのに、車を使ったレースに興味を持つ人は少ないという結果である。

 私がレースをしているため、この結果は非常に残念こととうつる。車は移動するために生まれてきたもの、言い換えれば、走るために生まれたものだから、車本来の魅力は、走っているところにあるのではないだろうか。その走る速さの極限を競うのがレースである。前置きが長くなってしまったが、なぜ走っている車に対して魅力を感じる人が少ないのかを考えていきたいと思う。

 まず、レースが文化として認識されているヨーロッパとの比較をしてみよう。私が2年間住んでいた間に感じたことは、どんな人でさえ、レースに関してある程度の知識と興味を持っているということである。

 ある時、ドイツ人の友人のバースデーパーティーに呼ばれたときに、その友人の友達と僕がレースをしているという話で盛り上がった。誰しもがドライバーという職業に好意的な印象を持っているわけではないが、誰しもがレースにたいして意見を述べることができていた。彼らは特にレースに携わった仕事をしているのでもなく、日本で言えば、学生やサラリーマンといった職種であった。私はなぜ、彼らと普通にレースの話ができるのだろうと思い、レースをしたことがあるのかとたずねた。出てきた答えに驚いた。そこにいたほとんどのドイツ人が少なくとも1度はカートに乗ったことがあるというものだった。本格的に乗っていた人もいたし、小学生の時に、友達の誕生日会の後に友達とその家族でカートに乗りに行った事があるという答えもあった。つまり、カートを気軽に乗れる環境があり、さらに、それを1つの娯楽としてとらえているのである。つまり、ヨーロッパでカートに乗ることは、日本でバッティングセンターに行く感覚と同じであるということである。友達同士で遊ぶときの選択肢の1つにカートを乗るという選択肢がある、そこから私はヨーロッパのレース文化の奥深さを見て、なぜ誰しもがレースの話を理解してくれるのかということについて納得した。

 人間は自分が経験したことがないことを想像することは容易ではない。つまり、レースを見ていて、何が大変で、何が凄いのかというのを、1度もレースをやったことが無い人間に理解してもらおうというのが、そもそも間違いなのではないだろうか。そして、そのレースの原点であるのがカートなのである。

 先日、ある方とお話をしている時に、「最近の若い人たちは、車に乗って走って楽しむというよりも、きれいに飾っておいて楽しむといった方が強いのではないだろうか」という話題が出てきた。確かに各社が出す車を見ても、走って楽しむというものよりも、家族でくつろげるワゴン型や、ラグジュアリー感を求めたセダンなどばかりである。そして、ちょっと車をいじったりすると、「走り屋」などというカテゴリーに分類されてしまいがちである。確かに、交通規則を違反して路上を運転することは危険だし、マフラーからでる騒音などで迷惑を受ける人もいるだろうからあまり好ましくないだろう。しかし、走るという魅力に取り付かれた人たちが、気軽にそれを発散できる場所がないというのも現実である。

 走る魅力というのは免許を取ってから生まれるものだけではない。それは、遊園地や動物園などいけば、必ずといってもいいほどゴーカートがあり、そしてそれが、人気のあるアトラクションだということは否定しにくい。つまり、私達は小さいころからゴーカートに乗って、走る、運転するという魅力を感じているわけである。だがしかし、残念なところは、それがそこで終わってしまうことである。小学校を過ぎると遊園地などにもだんだん行かなくなるし、ただ決められたレールの上を走るだけのゴーカートでは面白みを感じなくなるのである。

 もし、手軽に利用できるインドアカート場などが町の繁華街にあったりとか、郊外にあったりしたら、ゴーカートでは物足りなくなった中学生や高校生、はたまた大人の1つの娯楽として遊びに出向くのではないだろうか。そうなれば、わざわざ一般道で極限まで攻めずとも、許された場所で、存分に車を限界でコントロールして楽しむということができるようになるのではないか。そういった状況ができあがれば、レースで走っている車を見たときに、今までとは違う見方、感じ方ができ、レースの魅力というものを、より理解していただけるのではないだろうかと私は考える』

 とまあ、徒然書いてきましたが、何故トレーニングの話からここまで発展したかと言いますと、文中にもありましたが、「人間は自分が経験していないことを想像するのは容易ではない」ということに考えがたどり着いたからです。つまり、レーシングカートを含めたレーシングカーに1度も乗ったことがない人は、レーシングカーを運転することが、どれだけのスピード感やどれだけのGが体にかかるとか、ステアリングがどれだけ重いとか、アクセル、ブレーキ、クラッチペダルがどれだけ重いかってことを分からなくて当然なんですよね。

 まあ、今では、ほとんどの車がオートマですし、パワステはついてるし、エアコンはよく効くし、カーステレオでは好きな音楽をかけれるし、「車の運転」イコール「快適そのもの」という構図ができているので、冒頭のような質問が平気で出てきても何らおかしい事ではなく、むしろそちらが普通なんですよね。

 まあ、これを読んで納得された方は、ぜひとも、車の輸出入の多い豊橋に、誰もが気軽に娯楽として楽しめるカート場を作るという事を検討してください。(笑)

July 12, 2005 09:03 AM

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コメント

モータースポーツは料金が高過ぎるよね。
入場に3千円くらい掛かって、近くでみたいからとパドックパスを買おうものなら、さらに3千円・・・とかでしょう?

それでも8耐やF-1の動員数を見ると、興味のある人や見たい人って多いと思うから、主催者にはその辺を考えて欲しいですね。

投稿者 yasu : 2005年09月03日 11:16

超大作ブログ!って思ったら、なんか読んだことあるぞ?!
…あ!新聞の記事だ!! ですね?

私は会社の営業所で企画された「カート大会」参加しました。
いつもは観戦専門だけど、たまには自分で走るのも面白いね!
(結果は総合2位でした♪)

投稿者 3コーナーの水色 : 2005年08月03日 10:07

左近さん頑張ってますね。
豊橋の隣町しんしろには30年前から
小さなカート場がありますよ。うちの爺さんが道楽でやってるですけどね(笑)
ど安いから気軽に来れますよ!(レンタルは休日のみ)
結構、平日でもミニバイク、カート持ち込んでスポーツしてますよ。でも相当マイナーな雰囲気ではあります。
(うちのコマーシャルみたいですけど本当に道楽です。
本業は私がやってますので。)
レース場とかのインフラとかは簡単には出来ないので
せめてテレビ等の媒体に頑張って欲しいです
最近GTはレース無くてもテレビとか週一でやってますよね。
客?を増やす努力をしてこそ、今の格闘技ブームのようになるのかもしれません。

投稿者 ○ : 2005年08月02日 18:05

まさしくですね。左近さんのおっしゃるとおり。
車は走るから車であって、飾ってあるだけならただの鉄の塊ですよね。
私は最近までレースのおもしろさを知らずに生きてきたのですが、今考えると本当にもったいないと思いました。
好きになってみたらその情報量の少なさにあぜんとしました。
おもしろすぎなんですけどね、レースって。
もっとメジャーになってほしいです!!

投稿者 miki : 2005年07月18日 20:30

なるほどぉ。。。
私もモータースポーツに興味をもってまだ数年ですが、それまでは全く未知の世界でしたね。
F1くらいは聞こえてくるけど、国内レースについては全然一般人?には聞こえてこない。
取っつき方さえわからなかったですからねぇ。
実際FNを見るようになってからも、深夜のTVを録画して見ても、なんだかつまらないし。
スポーツニュースで取り上げられることもないですし・・・sigh
F1だって、もう少し早い時間に放送してくれてもいいですよね!?

余談ですが、ドラマ「エンジン」で比呂人役の青木さん(でよかったかな)が、
「シートに座ってエンジンを吹かしたら、吹かすたびに胃から何かがこみ上げて来てしまって。
車酔いとかではないんです。物凄い音と一緒に全身を襲ってくる振動のせいなんですよ。」
と言っていて、今まで私、そこまで想像できていなかったことにあらためて驚きました。

もっとモータースポーツがメジャー(ポピュラー?)になるように、
いろいろアイディア考えたいですね。
カート場の案に賛成します(笑)
・・・で、カートとゴーカートは違うんですか!?
ごめんなさい(>_<)  ため息つかないでくださいね・・左近さん(:_;)
小学生の頃、鈴鹿サーキットでゴーカート?乗ったことあります。。。

投稿者 ないちぃ : 2005年07月18日 10:19

左近ちゃん! 感心しちゃいましたよ~。(>_<)b
色々、考えてるんだね~~。  
そうだよね~~。なんで、モーターショーとかには行くのに!
サーキットには、来ないのかね~~??
絶対!!  動いてるほうが面白いのにね~~。
カートか~~、私も乗ってみたいな~。 ちゃんと走れるかは!謎だが・・・。

ところで、海浜幕張までの道のり・・・。
めちゃめちゃ!  通勤圏内で!地元ネタ!!
確かに!東京駅の京葉線!  ありゃ、遠すぎる!  地下4階ってなんだよ??
見たいな??  (^_^;A   解りすぎて!笑えた・・・。

投稿者 sorata : 2005年07月13日 00:05

確かに、車好きは多いですが、モータースポーツ好きは少ないですね。
あまり良いイメージを持ってない人も多いみたいです。

左近選手のようには書けませんが、モータースポーツが少しでもメジャーにナって欲しいと思います。

投稿者 GO : 2005年07月12日 21:25

とっても興味深いブログでした。
ヨーロッパと比べると日本の道路は車も多すぎて走ること自体が
楽しいものではなくなっているせいもあるとは思いますが、
車って運転すること自体が楽しいはずなんですよね~

私も一度カート場に足を運んでみまーす!

投稿者 : 2005年07月12日 14:29

またまた超大作のブログでしたね。
声に出して読んでしまいました。

免許とって16年、今の車で5台目です。
5台ともMTです。
よく「変わってる」と言われますが・・・・

地元にレンタルカート場があるのですが
左近さんのブログを読んで、「やってみたい」から
「やってみよう」な~~んて思ってしまいました。

投稿者 さっちゃん : 2005年07月12日 10:25

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