THE RACING

2005年06月10日

ドラマ「エンジン」、クライマックスへ!:中里治

 全11話の「エンジン」も、あと3話を残すのみ。とうとう、クライマックスが近づいてきました。

 実は、今日もLap10(第10話)のロケがあり、早朝からF3マシンを走らせての撮影を終えて、帰宅したところです。すでに最終回の準備も順調に進んでいます。

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 そもそも、トムスが「エンジン」の撮影に協力することが決まったのは、2月中旬のこと。Lap1(第1話)がオンエアされる2カ月前でした。我々がドラマ作りのお手伝いすることで、少しは視聴者の皆さんに対して、日本のモータースポーツへの関心を高められることを期待して、撮影に協力することになりました。

 まず、撮影用には、昨シーズン、全日本F3選手権シリーズを戦った実際のF3マシンを使用することになり、早速、撮影車に搭載するエンジンの組み付け作業やマシンのカラーリングデザインの調整、レーシングスーツのデザインや発注などの準備作業に入りました。正直、「スーパーGT」と「全日本F3選手権」の開幕直前ということもあり、とてもハードなスケジュールとなってしまいました。でも、何度も監督や制作スタッフ達と打合せを続けていく中で、制作スタッフたちの「本物にこだわる方針」が、我々のこのドラマに対する思いを強くさせていきました。だから、マシンのスペックはもちろんのこと、役者さん達のレーシングスーツもヘルメットも、すべてを現行のFIAレギュレーションに合致する本物を準備。ピット内の細部の小物に至るまで、リアルなモータースポーツを追及することに力を注いできました。

 そして、まだ肌寒い3月下旬からF3での撮影が始まりました。富士スピードウェイの協力の下、連日に渡り、リニューアル・オープン前の静まり返ったサーキットに、2台のF3マシンのエンジン音が響き渡りました。トムスは、マシンのメンテナンスやロケ地への車両輸送のみならず、毎回のロケに立会い、メカニック役の役者さんの演技指導や実際の作業内容を理解して演技してもらうために、専門用語やレーシングカーの構造などをレクチャー。脚本上のことで監督やスタッフ達から相談を受けることも多くなり、プロの立場からアドバイスさせていただくような関係になっていきました。

 モータースポーツ界でも、このドラマに対する反響が高く、どうやって撮影したのかなどと聞かれることもしばしば。Lap5(第5話)には、ナイター設備のない富士スピードウェイに大型の照明機材が持ち込まれ、大規模なロケが行われました。そして、チームのピット内やガレージは、スタジオのセット同様、美術部スタッフ達が本物を忠実に再現。その完成度の高さには、我々も脱帽する出来栄えでした。まさに芸術作品です。

 それにしてもドラマ作りの大変さには、正直驚かされました。いつも何気なくテレビを見ていたのですが、自分の中で見方が変わってしまいました。きっと、Lap4(第4話)の冒頭での菅原比呂人と神埼次郎のマッチレースのシーンをご覧になった方も多いと思います。2台のマシンが迫力あるバトルを繰り広げたシーンです。実際にオンエアされたのは、たった2分ぐらいだったのですが、実は、あの収録だけに3日間を費やしているんです。入念なリハーサルを繰り返しながら、コーナーごとにカメラの位置を何度も移動させて、細かいカット撮りを繰り返えしました。富士スピードウェイさんの協力があったからこそ撮影できたシーンもたくさんありました。普段のレースでは、決して撮れない場所からカメラを回し、とてもリアルな映像を捕らえることができたんです。膨大な素材の中から、厳選した映像をつなぎ合わせたからこそ、あんなにテンポが良く迫力のあるレースシーンが作り上げられたんです。それにしても、ドラマ作りには、手間と時間がかかることを、つくづく思い知らされました。

 そして、何よりも制作スタッフがこのドラマ作りに対して全力投球する姿が、我々トムスがレースに取り組む姿勢と非常に似ていたことに共感しました。全11話のために大勢のスタッフが一致団結して手間と時間を惜しまず、最高の作品を作り上げていく・・・。一方、我々トムスは、次のレースに向けて万全を尽くし、優勝という最高の栄誉をつかむために最後まで諦めずに戦う。ドラマとモータースポーツ。世界は違っても、みんながプロの集団であり、同じ熱いハートを持っていることを実感しました。

 この姿勢は、出演者もおなじ。ひとつのセリフ、ひとつの仕草に気を配る。主役の木村さんにいたっては、モータースポーツに精通しているので、いろいろな角度からレーシングドライバー、そしてメカニックになりきろうとしていました。とても器用なので、なんでもこなしてしまうのですが、彼の熱意には心底頭が下がります。また、スタッフの皆さんは、分からないことは素直にアドバイスを求めていただけるので、こちらもその熱意に応えられるように非力ながら手伝わせてもらっています。是非、このコラムを読んでくださった皆さんには、制作スタッフとキャストが一丸となって作り上げたクライマックスを見て欲しいと思います。

 最後になりましたが、多くのコメント、本当にありがとうございました。来週末は、F3岡山大会、再来週末は、スーパーGTのマレーシア大会というように、レースとドラマの両立で、超バタバタしていますが、できるだけお返事したいと思いますので、今後とも宜しくお願いします!。

 それでは、また3週間後に・・・。

June 10, 2005 11:07 AM

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コメント

ドラマ『エンジン』見てます。
最終回のレースシーンがどんな感じか楽しみです。
FN第4戦の富士SWに行ったんですが(2年ぶりのFN観戦でした)、
いままでF3はあまり見たことなかったけど(フジTVの放送も結果しかやらないし)、
今回はやっぱりF3にも目が行きました。
『エンジン』のセットも見てきました。
その時撮ってきた写真を見ていたのですが・・・
日曜の夕方『エンジン』で使っているマシンをトランポに積んでいるところの写真に・・・
あれ??もしかして中里さんかな!?・・っと。
そのときは全く知らず、あとからブログを見たんですけど。
写っている人、そうかな?

投稿者 ないちぃ : 2005年06月22日 09:22

中里さんこんにちは。
メールありがとうございました
ドラマ、いよいよクライマックスで明日の次郎復帰レースがどうなるのか今から待ち遠しいです。
質問ですが、ドラマでマシンをメンテナンスしている場所(チーム一之瀬の事務所?)はスタジオ内のセットなのですか?
それとトランスポーターもドラマのためだけでTOM'Sで使ったりはしないのですか?(しょうもない質問ですいません)
あとセパンと重なりますが、来週土曜(26日)AM8:00からテレ朝の番組に自由が丘の「異風」が紹介されるそうですよ。
マスターが「また来てください」と言ってたので、一段落したら行きましょう。
ではF3、セパン、ドラマと大変ですが、がんばってください!

投稿者 トキ : 2005年06月19日 09:26

peachさんへ
撮影に協力しているだけなので、脚本に関しては、口出ししていません。ロケ現場で、専門用語を伴うセリフを少し修正したり、シーンの設定上での演技のアドバイスなど、監督から相談を受けることはあります。Lap10と最終回は、走行シーンが増えるので、楽しみにしていてください。自分もオンエアを楽しみにしています。

投稿者 中里 治 : 2005年06月15日 14:10

レース関係者の方々の協力があってこそのこのドラマだとおもいます。 整備&レーサーの方達に対して誤解のない表現であります様願わずににはいられません。 内容についての打合せってないのでしょうか。 もっとレース現場のシーンがあれば良かったですね。 でも見えない現場の意気込みを知る事ができて良かったです。レース場の照明が作られたものだなんて驚きでした。レースってTVのF1しか見たことはないのですが、比呂人と次郎のマッチレース 迫力あって凄かったです。クライマックス楽しみです! 無事に収録を終えられます様、祈っております。 そして本業のレース、頑張って下さいね。 

投稿者 peach : 2005年06月14日 22:36

亜希さんへ

コメント、ありがとうございます。わざわざ見直してくれたんですね。連日、撮影のお手伝いをしてきた苦労が報われた気分です。ありがとう!。編集でどうなるかわかりませんが、Lap10をお楽しみに!。ドラマのレースシーンも実際のレースでも、ご期待に応えられるように頑張ります。これからも末永く応援してください!。

投稿者 中里 治 : 2005年06月12日 10:38

素朴な疑問と不思議さんへ、

確かにドラマの演出上、現実の世界とのギャップはありますね・・・。もっとメカニックの気持ちや考え方、仕事のシビアさなど、クローズアップできたら、実際のレース中継ではなかなか取り上げられることがない舞台裏をアピールできたと思います。自分もチームの一員なので、その点では、少し残念です。

投稿者 中里 治 : 2005年06月12日 10:27

はじめまして。
プロ集団の「熱いハート」を凄く感じました!
ドラマ見てるだけでは分からない部分を知れて、とても得した気分です。今回のお話を読んで前に放送された「エンジン」のシーンなどを見直したりしてみました。残りの放送もとても楽しみです。
また、サーキットにレース見に行きたいという気持ちもどんどん増してます!TOM’Sマシーンに会えるのを楽しみにしてます。

投稿者 亜希 : 2005年06月11日 14:19

正直に言います。
整備士として採用され、チームの一員になれました。
とはいえ、まだ新米の次郎が 夜中に1人で直しにくることが不思議。直ったからよかったが、壊したり見落としがあったら
どうするんだろう?命を預けるマシンだから余計 複数の人数で弄るべきだと思った。また整備士も わかんなかったんだ。

ある時は 小まめに連絡も入れないで大遅刻。レーサーをイライラさせる整備士に驚くし、時間にルーズなんだと速さを競う世界の裏をみた。 エンジンの公式ではないサイトでも この遅刻に大ヒンシュク。にもかかわらず レーサー復帰・・。

走りのかっこよさや音の臨場感は伝わります。眼も真剣でいい。でも 整備の世界は・・ 。 もっと整備を極めて
マシンを知り尽くしてからレーサー復帰してもらいたかった。
そこは 残念です。 これでブランクもあるのに優勝したら
他のレーサーの腕前に疑問。 優勝できちゃうんだ・・。

投稿者 素朴な疑問と不思議 : 2005年06月11日 05:31

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