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2005年06月15日

総集編

  こんにちは、波木健太郎です。帰国して約1週間が過ぎました。先日行われたワールドボウルは、木下選手、清水選手の在籍するアムステルダム・アドミラルズが優勝しました。そんな情報を聞いて悔しがっている私ですが、日本では、好きなものを食べ、好きなことをしてのんびりと過ごしています。

 トレーニングは欠かしていませんが(笑)、現在は、今週末から始まる日本代表の練習に備えて調整中です。さて、今日は2005NFLEの総集編と題しまして、今シーズンのまとめをブログとして書きたいと思っています。

 ずばり結論から言うと、今シーズンは自分自身で掲げた目標も達成できず、不甲斐ないものとなってしまいました。昨年よりも多い出場機会を得ましたが、結果は残せず、チームメートからの信頼を勝ち取ることも出来ませんでした。終わってみて思うことは、昨シーズンと比べて同じ環境・同じオフェンスと言うものに甘えていた感があったのでないかと感じます。目標を掲げて、毎日努力したことは自分自身評価できますが、今の自分の状況には満足いっていません。まだまだ甘いということです。

 今シーズン初出場の時には、パスを1本も成功することが出来ず、結局インターセプトを喫して終わってしまいました。自分自身の脚でファーストダウンを獲得することは出来ましたが、それは本望ではありません。もちろん、際どい場面でスクランブルをし、状況を打開することは1つの戦略として正しいことでありますが、今の自分に求められるものはパスによる状況打開です。何のために練習をし、何のためにNFLEでプレーしているのか。結果として、何も成長していないことを露呈してしまったのです。

 普段の練習では、昨年よりもという手ごたえは感じていました。語学力も確実にアップし、コミュニケーションもフットボールならほぼ完璧に取れるようにはなりました。それでも、すべては結果なのです。それがこの世界であり、プロの世界なのです。

 1つの収穫としては、トレーニングの意識改革です。このあとの話にもつながりますが、今回にチームで里見選手と一緒になれたことは自分にとって幸運でした。カラダ作りへの姿勢であったり、取り組み方は脱帽でした。今までの自分の甘さを痛感するとともに、これからしっかりとしたプランで立てて取り組まなければならないと感じました。

 同時に、3人の日本人選手と同じにチームに在籍できたことは誇りに思います。出場して記録を残した選手もいましたし、なかなか出場できずに辛い思いをした選手もいました。でも、そのすべてが彼らの財産となり、今後に生かされていくのだと思います。そして、多くの素晴らしいチームメートに恵まれたことも私にとって幸運だったと言えます。QBをはじめとするプレーヤーたち、Vaasをはじめとするコーチ陣、陰からチームを支えてくれたスタッフの方々、すべてに感謝の気持ちを捧げたいと思います。

 最後に、今回、私は初めてブログというものを知り、皆さんと様々な形で接することが出来ました。皆さんの声は、私自身を励ますものであり、私自身を成長させてくれるものでもありました。そして、日本フットボールの普及にも役立つものだったと思っています。皆さんの貴重な声を大切に心に刻み、これからも夢に向かい日々頑張って行きたいと思います。どのような場面で、またお会いできるかは分かりませんが、その際にも熱い応援を期待しています。本当にありがとうございました。

June 15, 2005 08:45 PM

2005年06月06日

「Keep Going your way!」

 こんにちは。本日、Week10のゲームが行われました。この試合は我々にとっての今シーズン最後のゲームになりました。Week8、9の連敗が響き、NO.1を決めるワールドボウルには出場できないことが事前に決まっていた中での試合でした。

 この週の練習は、そうなってしまってはダメなことは分かってはいるのですが、チームの雰囲気は良いとは言えないものでした。モチベーションが下がり、長いシーズンの疲れがドッと押し寄せたような感覚を受けました。私自身はというと、逆に出番が増えるかもしれないという状況でしたが、素直にそれを喜べないでいました。もしも、これが去年だったら素直に喜べたかもしれません。しかし、今年のチームは本当に素晴らしいメンバーばかりで、あと一週間、あと一試合、彼らと一緒に戦いたいと思う程でした。

 そんな様々な気持ちが入り混じる中、ひとつのニュースが舞い込んできました。それは、ケルンのヘッドコーチであり、QBコーチでもあるピーター・ヴァースが今季限りでNFLEのヘッドコーチ職を辞し、全米カレッジのノートルダム大学のQBコーチに再就任するというものでした。試合の2日前に知った私はショックを隠せませんでした。今まで、恩師と呼べる方々に数多く出会ってきましたが、この2年間のNFLEでの生活の中で言えば、彼が私の「コーチ」であり、時には父親のような存在だったのです。私が、NFLEに挑戦する架け橋を築いてくれたのも彼でした。彼が居なければ、彼がケルンのコーチでなければ今の私は無かったかもしれません。それくらいの人物です。軽い気持ちでは無いですが、来年も当たり前のようにコーチをし、同じような生活を送るのだと思っていました。
 
 試合前日のミーティング―。彼は、普段通りに話し始めましたが、徐々に感極まり、何度も声を詰まらせていました。その理由は、我々には解かりません。どんな心境でそれを決意し、どんな思いでこの数日間を過ごしていたのか。それを思うと、私自身も心にしみるものがありました。しかし、この事実はどうあがいても変わりようがないのです。どんなに泣こうが、どんなに悲しもうが、ヴァースはもう来年は居ないのです。

 そこで、私は1つの決意を固めました。明日の試合、もしも出番があれば、最高のプレイをヴァースに見せよう。今までの2シーズンでの自分を全てぶつけて、これだけ成長したということを示そうと。それが、今、ヴァースのために自分が出来る唯一のことだろうと考えました。
 
 試合は息を呑むディフェンシブなゲームが展開され、最終的には17対13で勝利し、エースQBケヴィン・トンプソンがヴァースにゲームボールを手渡して最高の形で終える事ができました。しかし、私はというと、この試合での出場機会はなく、ヴァースに餞を贈ることは出来ませんでした。そして、当初の目標であった「TDパス成功」も決めることは出来ず、結果が残せないままシーズンが終了しました。
 
 私自身の今シーズンの総括などは、次回にまとめて書くと致しまして、今回はヴァースのことをもう少し・・・。彼は試合後、全選手の元へ足を運び、握手と抱擁をしていました。昨年も見られた光景でしたが、唯一違うところは、彼が頬を濡らし真っ赤な顔をしていたことです。私は、抱き合う際に感極まり、涙を流しました。そんな私を慰めるかのように、彼は私の頭を撫で、こう言いました。「Keep going your Way!」

June 6, 2005 06:28 AM