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2005年03月01日

琢磨の優勝が見たくて僕はF1に通う!

 いよいよ今週、2005年のF1GPがオーストラリアのメルボルンで開幕する。今年は初開催のトルコGP(イスタンブール)が新たに加わり、全19戦の長丁場。昨年はタイトル争いこそフェラーリとシューマッハーの圧勝に終わったものの、BARホンダがコンストラクターズランキング2位に躍進。アメリカGPで3位表彰台に立った佐藤琢磨の活躍で、日本勢への注目がこれまでになく高まっている。ここまで来たら、あとは頂点を目指すだけ…「BARホンダはフェラーリを倒せるのか?」「佐藤琢磨のF1初優勝は?」おそらくは多くのファンがそんな期待に胸を膨らませながら緒戦のオーストラリアGPを迎えようとしているのではないだろうか? かく言う僕自身も、ホンダや琢磨の初優勝を心待ちにしているひとりだし、その瞬間をこの目で見たくてF1へと通い続けている。

 だが、開幕を前にちょっと心配しているのは、単純に去年の好成績がそのまま今シーズンへと繋がると思っていると、現実を見誤る可能性があるかも知れないよ…ということだ。確かに2004年のBARホンダは大きな飛躍を遂げた。ライバルであるマクラーレンやウイリアムズ、ルノーがそれぞれ1勝づつを挙げたのに対して、BARが未勝利のままというのは残念だったが、シーズンを通した戦闘力という意味ではフェラーリに次ぐ存在だったと言っていいし、シーズン前半、琢磨のエンジンにトラブルが頻発しなかったら、さらにポイントを重ねることができただろう。

 ただし、これは琢磨やホンダの関係者も繰り返し強調しているのだが、去年の年間ランキング2位という結果はマクラーレンやウイリアムズという名門チームの不振に助けられてのものだったことを忘れてはいけない。彼らもまたこの失敗を教訓にしながら打倒フェラーリを目指し、全力で2005年に臨もうとしているのだし、2レース1エンジン制の導入。レース中のタイヤ交換禁止、そして空力パーツの制限など、今年のようにレギュレーションが大きく変更された時にこそ、チーム規模や経験に勝るこうした名門チームの実力が活きてくることになるからだ。

 冬のテストを見る限り、フェラーリ(ブリヂストンタイヤを使用)を追うミシュランタイヤユーザーの中ではマクラーレンとルノーがマシンの戦闘力で一歩リードし、その後ろにウイリアムズとBAR……というのが開幕時点での勢力図か? 現代のF1ではタイヤの影響が大きい上、フェラーリが新車を第5戦まで温存する作戦のため「対フェラーリ」の位置関係に関しては判断は難しいが、少なくともシーズン序盤のBARホンダはちょっと苦労するかな? というのが僕も含めた多くの関係者の見方なのだ。

 とはいえ、それでガッカリする必要なんて全然ない。ホンダのF1カムバックから6年を経てようやく、こうしてトップチームと「ガップリ四つ」で戦えるところまで来たんだし、佐藤琢磨が近い将来、日本人初のF1ウィナーを目指せる才能であることも既に証明済みだ。僕たちが見たいのは、運じゃなくて実力でホンダや琢磨が表彰台の頂点に立つシーンなんだから、今年ちょっと苦労しても、本領を発揮した手強いライバルたちとホンダや琢磨が正面から戦う姿をじっくりと応援し、楽しめばいいんだと思う。開幕前のワクワク感に水を差すつもりはないけれど、過剰な期待は禁物! その分しっかりと琢磨やホンダの挑戦を見つめれば、F1の厳しさやその奥にある面白さ。そしてそこで勝つことの本当の価値も見えてくるはずだから…。


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