Hangin' Around The NBA Wit Kaoru

プロフィル

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★真田薫(さなだ・かおる)
 埼玉県出身、NY在住。故障のため、バスケットボールを断念。R&Bシンガー「Cheyenne」として97年デビュー。アルバムリリースやライブ活動のかたわら、ラジオ番組のMCも手がける。00年からNBAを精力的に取材。

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2006年05月31日

ミスター・ジェントルマン

眼に浮かぶあの青い海。パーム・ツリーとピンク・フラミンゴと心地よい潮風、そして、カラフルなトロピカル・カクテル…ちなみに、ココナツ好きな私のフェイバリットは、チチ(遠い目)…

なんとなんと念願の!?<真田のマイアミ・シーブリーズ:トロピカル・カクテルちゅープラン>が、今年は実現しそうな勢いであります(残念ながら、ストローは1本のみだが(泣))!

どーした、デトロイト!?

っちゅーことで、なんとなんと、レギュラー・シーズンぶっちぎりの強さを誇ったピストンズが、前評判ではネッツに負けるかも、とまで言われていたヒートに、3−1で王手をかけられてしまった。

やはり、今年は、NBAも<売り出し中>のD−Wadeケロの年なのであろうか。

昨日の第4戦でも大活躍をしたケロちゃんに、シャック・ダディもご満悦の様子。「あの子は、いい。俺はいつもあいつに、<ただお前のゲームをしろ>って言ってるんだ。やつには、それを言うだけで十分。人の言うことに耳を傾けるし、とてもアンセルフィッシュ。マジック(ジョンソン)のようだと思うよ」。

ケロちゃん快進撃がこのまま続くと「今季もチャンプ間違い無し、MVPはチャウンシー・ザ・ダンディさんか!?」と言われてたはずのピストンズは、まさかのカンファレンス・ファイナル敗退となってしまうかもしれない。

私、真田にとってはうれしいような、悲しいような…ともあれ、持ってく服がまるきり、プランと変わる!?モータウンではなくマイアミならば、ダディの秘書風!?スカートや、水着&キュートなビーサンも…て、ちとウカレすぎか(笑)。

しかし、ヤシの木に浮かれ気分な反面、<戦う男の玄人集団>:ピストンズが、こんなとこで敗退してしまうのもまたちと、寂しいのであった。

このチームは、ほとんどのメンツが<苦労人>。ドラフトもされなかったところからここまで這い上がって来た<男ベンさん>をはじめ、みな1度は、挫折を味わった選手ばかり。だからこそ強いとも言えるのだが。

女性メディアにも、隠れファンがたくさんいるアントニオ・マクダイス(実は私もその<隠れ>の1人(笑い))。

決してハンサムさんではないし、地味で目立たないけれど、もの静かで実におだやか、質問にもいつも丁寧に優しく答えてくれ、誠実さに溢れる<Mr.ジェントルマン>なこの人は、妻を助けようとスタンドに飛び込んでいったアントニオ・デイビスと並ぶくらい、<理想のダンナさん>キャラで人気者である。

現ピストンズではベンチ・プレーヤーだけれど、過去にはオールスターやオリンピック・メンバーにも選ばれるなど、実力的には間違いなくスターター・クラスの人。

今プレイオフでも、ほぼコンスタントに良い仕事をこなし、チームの勝利に貢献している。キャブスとのシリーズでは、自身が良い活躍をしたゲームで負け、呆然とした表情で、しばらくベンチから立ち上がれなかった。おだやかだけれど、<静かな闘志>を燃やしている選手なのである。
 ダイスは、人口3000人と言われる、ミシシッピ州クイットマンという小さな街の生まれだ。11歳のときに、近くの川で溺れそうになった。その川は「絶対に近づいてはいけない」とダイス・ママから堅く言い渡されていた川だった。長男のデイビットに助けられ、九死に一生を得た彼は、元々厳しい母親の言うことに、ますます逆らわなくなったそうである。

しつけに厳しいママのおかげでもあるが、ダイスには生まれもった<性格の良さ>があったようだ。

私、真田の経験によりますと、やはり<都会っ子>はスレてる場合が多く(ポン吉などは典型的なNYカーだ。根は甘えっ子の人情家でいいヤツだけれど、やはりアグレッシブでディフェンシブ、他人をそう簡単には信用せず、生意気な態度を取り戦闘的といった傾向があるのだ)、NYやLAなど大都市出身者に比べ、地方出身の選手はたいがい皆、穏やかで気性が良い。もちろん、これはあくまでも一般的な話で、むろん例外だってあるけど(エルトン・ブランドとかね)。

少年の頃のダイスの憧れは、デビット・ロビンソン。<Mr.Classy>なデビロビを憧れにあげるというところにも、ダイスの感性がうかがわれる。

当時のアラバマ大コーチ:ジェイムス・ロビンソンも「私が最もアントニオについて気に入ったのは、彼の優しく陽気な性格だ」とほめているし、NBAのスカウト陣も同様、「私たちがNBA入りする前の彼をみたとき、皆一様に感銘をうけたのは、彼の素晴らしい姿勢だった。練習には必ず時間通りに現れる。トラッシュトークもしないし、実にアンセルフィッシュ。NBA入りするのにふさわしい子だったよ」と語っている。

ニックス時代以降、私も何度か彼と話し、自分でも実際に、彼のおだやかで優しい、努力家なバイブを感じ取ったものだ。トレードされてきたものの、プレシーズンで持病のヒザをまたケガしてしまい、最後には経営陣に手のひらを返された形で、失意と傷心のうちに終わってしまったニックス・キャリアだったが、私がそのニックス時代について、ちょっとデリカシーのない質問をうっかりやらかしてしまったときにも、実にサラっと優しく、何も気にしてないように、丁寧に答えてくれたダイスだった。

ボウリングでは、250ものスコアを叩きだす、おそらくリーグ1のボウラー!?でもある。<マイ・シューズ>と<マイ・ボール>も持っているんだって。ロマンチックなR&Bが好きで、あなたは歌わないのか、と聞いたら「No、No…僕なんて、ダメだよ。シャワーの中でしか、歌えないよ」と、真っ赤になって照れていた姿も好ましかったものだ。

このダイスも、私と同じように、ヒザのケガで悩まされた人なのだ。

ただ、私ごときと大幅に違うのは、その強靭な精神力。

放っておくと太ってしまうタイプなので、ナゲッツ時代には、それまで大好きだったマクドナルドをあきらめ、懸命にダイエットをしたそう。

また、オフには、ハイスクールのコーチと共に、エアコンのないジムでワークアウトをして絞ったり、厳しく自己管理をしている。

本来ならばスターターとしても十分にやれるのに、自分の年齢や役割をよく理解し、ベンチ・スタートでも文句を言わず黙々と仕事をこなすダイス。マイアミに負けてしまったら、さぞかし悔しい思いをするだろうな…というわけで、なんだか複雑な気分の真田なのです。

May 31, 2006 10:09 AM | コメント (13) | トラックバック (4)

2006年05月24日

カンファレンス・セミファイナルつれづれ:人格的にもMVP

やややや皆さま、依然として私の頭の具合を心配してくれている方々もいて、ほんとにありがと。

頭は、だいぶ良くなりました(笑い)。今は、ついにイースタン・カンファレンス・ファイナル、マイアミ-デトロイト第1戦が始まっているんだけど、ひょっとしたら途中で見れなくなるかも。

というのも、実はこれから<ディテクティブ・メンデス>--つまり、メンデス刑事、ですな--ーと一緒にNYPD(NY市警)の車に乗り、犯人を探しに行くのです(!)。

私をぶったたいた女の子たちは、実はかなりの常習犯らしく、以前にも被害者がたくさんいた模様なのだ。おまけに、私は全然覚えてなかったんだけど、助けてくれた男性いわく、ぶっといチェーンも持っていて、それもめちゃくちゃにぶん回していたんだそうなの…フー、あぶねえ…今更ながら、私けっこうラッキーだったのね。

それにしても、ハーレム警察の<刑事科>は、まさにハリウッド映画で見るあの光景!! おまけに、私を助けてくれたそのナイト!? の男性は、195センチくらい身長があって、筋肉もモリモリなんだけど、ゲイであることが判明。さまざまな人種のマッチョな刑事たちが、「なに、どこでコロシだ!?」とか、「ちきしょう、まったくもって、NY市警のコーヒーはまずいぜ」とか言いながらモクモクたばこをふかしたりしているさまを見て、彼、なんだか非常にウキウキしてた(笑い)。好みがいっぱいいたのかな(笑い)? ゲイ・フレンズも何人かいる私だけど、さらにもう1人増えました。しかしNYって、こういうとこがほんとに、面白いね。

さてさて、余談が長くなってしまった。

しっかし、今シーズンのプレイオフは、面白い!!
デトロイト-クリーブランドは、なんとかデトロイトが生き残ったけれど、まさかの第7戦突入だった。なんか<お決まり事項>になってきた<勝利ギャランティー宣言>も、なんとか守れてよかったなあ、マイ・メン!?(笑い)

デトロイトだけでなく、昨日のダラス-サンアントニオしかり、フェニックス-LAクリップしかり、ほんとに今年は混戦に混戦続きで、全くふがいなかったのは我がNJのみ(泣き)。

レギュラーシーズンの成績、フランチャイズ・ヒストリーのベストを記録したスパーズは、カンファレンス・セミファイナルでマブスに敗退することとなった。Timmy-Dの呆然とした顔。ジノビリの青ざめた顔。サー・チャールズの毒舌が冴えるTNTのゲーム後のトーク・ショウでは、トニー・パーカーの彼女である女優のエバ・ロンゲリアまで、恒例<Fishin’>の写真に添えられていた。「スパーズが負けたことで一番残念なのは、エバの姿がもう見れないことだなあ、メン!?」と、いつもの通りおバカでのんきなコメントも楽しかったが…。

事実上のウエスタン・カンファレンス・ファイナルと言われたシリーズだったけれど、それにふさわしいドラマが展開され、昨日の第7戦だってオーバータイム突入。ダラスは、ノビツキーはもちろんのこと、皆がビッグ・プレイを決めた。スタックハウス、バンホーンらベンチ陣も、そして第6戦でサスペンドを食らったジェイソン・テリーも。

なんと言っても、彼らの今シーズンの好調の大きな理由の1つは、ヘッドコーチ:エイブリー・ジョンソンだろう。情熱をつぎこみ、オールスターですらもひたすら真剣に、誰よりも熱くコーチングに打ち込んだ彼は、間違いなくコーチ・オブ・ジ・イヤーにふさわしい。チーム・ケミストリーというのは、まさにコーチをはじめ、いかに全員がまとまって真剣に打ち込むかというところで違ってくるのである。ニックスはそれが全くできなかったために、弱かったのだ。

こぼれ話として、ちょっと切ないエピソードは、マイケル・フィンリー。
彼は、昨年まで、ダラスの選手だった。ダラス在籍時には、1度もリングを取れなかった。いざ、王者チーム:スパーズにやってきて、レギュラーシーズンの成績も空前の絶好調、さて今年こそは!!と思った矢先に、自分が出て来たばかりの元チームに、敗れるはめになったのだ。さすがのベテランも、泣きそうな顔になっていたよ。

かたや、クリップ-サンズ。
こちらは、第7戦はブロウアウトであったが、クリップは実によく頑張った。サム兄貴、よくやったぜ!! クリップは、来シーズンも、せひともこのメンツをほぼ残さねばならないと思う。これからが楽しみだね。

そして、MVPナッシュのサンズ。
アマレ、カート・トーマス離脱の時点で、大幅な下降が予想されていたのにもかかわらず、またもやカンファレンス・ファイナルへと駒を進めた。ショーン・マリオン、そしてボリス・ディアウ、みな良くステップアップして、粘ったと思う。

フロアに寝そべって休むナッシュを見ながら、昨年の夏、彼にインタビューしたときのことを思い出していた。

キッズのサイン攻めにごった返す中、彼はインタビュー希望の1記者を、「こっち、こっち」と手招いて静かな場所を見つけ出し、質問が終わるまで実に心地よくゆったりと、丁寧に答えてくれた。

イラク戦争に反対して、敢然と反戦Tシャツを着ていたことに触れ、「あなたのそういうところも、とてもリスペクトしています」と言うと、

「ありがとう。バスケットボール選手である前に、自分で自分に失望しないような、素晴らしい人間でありたいんだ。だから僕にとって、社会がよりベターになるための手助けが少しでもできることは嬉しいし、自分がやろうと思うことは信念を曲げずにやりたいんだよ」

と、柔らかな語り口で語ってくれたものである。<静かで熱い情熱>という言葉がピッタリあてはまる、ナッシュだった。チームメイトからの称賛も素晴らしく、人格的にもMVPだと、尊敬を新たにしたことを覚えている。

そんなナッシュは、実はオフにはNYに住んでいるのだ。奥さんがNYの人なので、こちらにも家があるのだという。しかし今シーズンは、まだまだNYには来れないだろうね。なんといってもこれからまた、元チームメイトで親友でもある、ダークのび、との対戦が待っている。

「オールド・バディと戦えるのを、楽しみにしてるよ!!」とナッシュ。なんともうらやましい、すてきな男の友情、だよね。

May 24, 2006 09:26 AM | コメント (8) | トラックバック (0)

2006年05月17日

Myシーズン、終了の巻

My season is over。


NJネッツ、辛くも1点差、@マイアミ、敵地で負けて、シリーズ4−1。我がネッツの05−06シーズン、予想外に早く、終了、の巻。


ジャーナリストというのは、基本的には<客観的>でなくてはならないだろう。
私も、そうあるべきところでは、そうするべく心がける。
でも、でもやっぱり、シーズンの82ゲーム、ホームだけとしてもそのうちの半分、勝敗やロッカールームや、はたまた練習での選手やコーチやスタッフの一こま、一こまを拾って来た身にとっては、やっぱり<地元チーム>には特別の感慨があるものと思うが、いかがだろうか?
それに、基本的に地元で取材をする身にとっては、ロコ・チームが負けた時点でこちらのシーズンも終わるのである。
なんとも寂しい、呆然とした気持ち。


3−1のがけっぷちで迎えたネッツの今日の試合、昨日のサー・チャールズは「ヒートは明日、このシリーズをクローズ・アウトする」と言い切っていた。「お願いだから、あと1試合くらいは、ホームに帰って来て観せてよね」と心の中で祈っていた私も、今日の第5戦が始まった時点、立ち上がり順調だったNJを観てさえも、「なんだか負けるかも・・・」という不安を拭いきれなかったものだ。
案の定、食い下がるヒートの<オールスター軍団>、J−Willのストップ&シュート、アントワン・ウォーカーのジャンパーの冴え、そしてもちろんだがD−Wadeの恐い者知らずのペネトレイト、この若手ペリメーターはアホみたいな突っ込みを何も気にせずやってのけ、フロアに転がってみせる。そのうちに、あれよあれよとヒートのペースに巻き込まれ、シャック・ダディも余裕のよの字、ヒートがなんなく、勝利したのである。
点差は1点差。
でも、誰もが予想していた、そして、1点差とは思えないほど<当たり前>の、ヒートの勝利であった。


昨年、同じチーム相手にスウィープを食らったネッツだが、今季は、実はシリーズ突入前には、ヒートには十分勝てるのではないか、と言われていたのだ。レギュラーシーズンの対戦成績は3勝1敗。看板スター、ビンちゃんもなぜかヒート相手には調子が良く、あの今季の<ダンク・オブ・ジ・イヤー>とも言われる<Zoの頭越しダンク>も飛び出し、ネッツにとってはファーストラウンドのペーサーズよりよほど相性のいい相手だったはずなのだが・・・。
では、敗戦の理由は何か?
いくつかあると思うが、やはり大きかったのは、クリフ・ロビンソン。
クリフは、人間的にはとても<いい人>だと、選手も番記者たちも言う。私ごときにだって、彼の大好きな<スシ>の話や、シューズの話や、魅力的なワイフの話や、etcetc...いろいろしてくれて、彼が皆に愛されるチャーミングな人だということは知っていた。でも、ベテラン選手として、この時期に、はっぱでサスペンドなんか食らわなくてもいいように、できなかったかよう、アンクル・クリフィ?・・・
シャックに対する答えとしても、重要だったはずのクリフ。
彼がいたなら、多少は違った?もちろん、である。


第4戦でのシャック・ダディ。
いつもどんなときでも余裕だが、3−1で王手をかけたこの日は、超・超余裕。
GP(ゲイリー・ペイトン)の囲み取材時、後ろのほうでウロウロしている私に「ハ〜イ!?」といつものダディ挨拶をしてくれたと思ったら、ズカズカとGPに近寄り、ジョークを込めて彼の額にKiss。もちろん、GPもメディアも爆笑の渦。多くの解説者が、「なんとも<ダイナミックな人柄>のシャック」と言うだけあって、やっぱ豪快な人だ。
こんな大黒柱を抱えるチームは、何とも心強いに違いない。今プレイオフでは、「シャックも衰えた」とか言われてもいるが、それでも彼の存在感だけでも、まだまだ絶大なものがあるだろう。


足首をケガしてたRJも、よく頑張ってくれたが、とにかくネッツのシーズンは終わってしまった。
前半は気負いすぎて泣きそうな、後半は負けるたびに暗い顔をしていたビンスも、何回も顔を縫ったジェイソン(コリンズ)も、チームをさまざまな手で引っぱり続けてきた<闇将軍>キッドも、みんなみんなお疲れさま。
ハドソン河の向こう、お隣のニックスは、ラリー・ブラウンの契約を買い取って、アイザイアを次期コーチにするという話も出ているが(=ポン吉残留!?)、ネッツもこの夏、いくつかの変化があるだろうか・・・
噂では、RJかビンのどちらかを放出、KGを取りに出るとも言われている。
ローカル・メディアの個人的親心!?から言えば、もちろんどちらにも残ってほしいのはやまやまだが、どうしてもどちらかを、となるのなら、若くて楽天的で元気、万能型のRJを残し、来季30歳を迎えるプレッシャーに弱い繊細なスーパースターをトレード、ということになるのかもしれない。特に、キッドを生かすとなると、やはり以前ファイナリストになったときのスタイル=モーション・オフェンス、ラン&ガンを多用、のほうが合っていると思われ、そうなると、ハーフコート・プレーヤーであるビンスではなく、走れるRJが向いていることになる。今プレイオフでも、ファスト・ブレイクなどを上手く出し、より走っているときのほうが、チームの調子は良かった。RJのほかにもう1人、逆ウイングをキッドの前に走っていける<弾丸>がいると、いいかもしれない。
もちろん、ビンスを残して、また更に作り直すチョイスだってあるだろう。
プレッシャーを克服することができれば、彼は素晴らしい才能の選手であることは間違いないし、エキサイティングで人々を魅了するプレイを繰り出し、人気の面で言えばチケットを売り上げる<看板>。特に、ネッツは、来季のチケット戦略の1つとして、新しい<赤ジャージー:#15 Carter>をプレゼントというプランを早くも発表しているから、ビンスを出すということはまだまだないのかもしれない。
もちろん、トロント時代から長年ビンちゃんを取材してきた私にとっても、彼がNJからいなくなったら残念である。


とにかく、ただひたすら気が抜けている、ただいまの真田です。

May 17, 2006 01:35 PM | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年05月10日

ザ・筋金入り!?カロンくん

接戦の多かったファーストラウンドが終わり、セカンドラウンドが始まっているね!!

今シーズンのファーストラウンドは、見応えのあるシリーズがたくさんあって、面白かったな。
 我がネッツvsペーサーズはもちろんだが(そういえば、RJがケガをした!!第2戦は、危ぶまれているよう。彼がネッツのキーでもあるのに!大丈夫かRJ!?)、サンズvsレーカーズ、キャブスvsウィザーズなども、手に汗握った。

デイモン・ジョーンズやコービのバズ・ビーターも、良かったねえ。<ハリウッド対決>は実現しなかったけど・・・ロンロンPの、「も~う、やっぱりぃ~、はぁ~・・・」というサスペンド(笑い)も飛び出したし、おーそういえば、コービとラジャ・ベルの論戦も巻き起こったね。あのコービが、あそこまで怒りをあらわにするなんて、結構興味深かった。「あのガキのことなんて、僕は知らないから!!」なんて、言ってたよね・・・とにかく、プレイオフとなると、熱い戦いが繰り広げられる。

毎日毎日エキサイティングなゲームがあり、原稿書く時間ありません(大嘘)なのであるが、実はここ2、3日、本当に何もできず、頭にアイスノンをあてて寝てたの。

少し余談になってしまうんだけど、アイスノンをあててるのは<額>ではないんで、<後頭部>なのだ。まあ簡単に言うと、殴られたんである(笑い)。

深夜のハーレム、駅から家に向かって歩いてたら、ブラックのガキ(しかも女)ども4人に因縁つけられてね。最初、歩きながら言いがかりをつけられたときには無視したんだけど、そのあとコーナーを曲がったとこで中の1人が小突いてきたんで、ついついカッとなり「ばかやろう!!何すんだよう!?」って、やってしまったんである。と、前方を歩いていた、最初に言いがかりをつけてきたグループの主犯格みたいなでっかい女が電光石火のように掛け戻ってきて、いきなり頭をボコボコボコ!!っと不意打ちされたのだ。反撃に出ようとしたが(笑い)、なんせ4対1・・・運良く、通りかがりの男性が助けてくれたのだが、おかげさまで警察と病院のお世話に。深夜の病院にかけつけてくれた友よ、どうもありがとう(涙)。

私はといえば、急患待合室で頭にアイスノンをあてながら、興奮して「ちきしょう、あたしがケンカに負けるなんて!!」と、まるで試合に負けた後のボクサーのようにしきりに悔しがっていたそうで(笑い)、後日、「そんな悔しがってる場合じゃ、なかったんだよ。深夜のハーレムで、4対1でけんかして、それくらいですんでラッキーだったんだから。今度からは逃げなきゃ、ダメだ!!」と友に怒られました(笑い)。

そりゃ、そうだなー。以前は何回か銃撃戦に巻き込まれたりしたこともあったが、最近のNYは安全になったと思っていたのだけど、まだまだ油断はならんのう。みんなも、気をつけてね。

というわけで、余談が長くなってしまったが、ゲームを見て興奮するたびに、まだ頭がズキズキと痛む今日このごろ、ちきしょうあのガキども、しかも教会の前で襲いやがって、絶対に神様のバチがあたるんだからな!!とかなんとか、ぶつぶつ言いながら(笑い)、この原稿を書いてます。

ハードな痛みにハードコアな体験(笑)が、ファーストラウンドのシリーズ中、私の目にハタ、と止まった1人のプレーヤーを思い起こさせているんであるが、誰かというと惜しくも敗退してしまった、ウィザーズのカロン・バトラー

ピアースのゲームとよく比較されるフォワードだが、今回あらためて、彼が私の目に印象深く映ったのは、その<気の強さ>。私が銃撃戦に巻き込まれた場面の1つは、ストリートボール・シーンであったのだが、そのストリートボールのハードコアな気性をそのままNBAコートに持ち込んでいるかのような<気>が、彼の澄み切った切れ長の瞳と全身から感じられたからである。もちろん、いい意味での<気の強さ>だ。<どん欲な、アグレッシブな負けん気>と言おうか、「俺の勝利は何者でも阻むことはできんぜ!!」といったような、良いアスリートには必須の<負けん気>が、ストリートレベルの純粋さとNBAプレーヤーとしてのプライドが上手くミックスされた形で、プレイににじみ出ていた。

彼のバックグラウンドを知れば、これは当然のこととも言える。
カロンは、15歳までに15回、拘置所やジェイルに入っている。「小さなころの俺のロールモデル(お手本)は、ピンプにドラッグ・ディーラー。何か悪いことをするのが、かっこいいと思い込まされるような環境だった」。

最大限のセキュリティ・システムを持つ拘置所に入れられたときに、バスケットボールに出会い、そこで初めて、自分の熱意を傾けられる<ポジティブなこと>に出会った。この重犯・凶悪犯用の拘置所の中で、レイプや殺人といった極限の犯罪をまのあたりにし、だんだん目が覚めていったのだそうだ。

ターニング・ポイントは、2週間独房に入れられたとき。
「寂しくて気が狂いそうで、ママに何通も何通も手紙を書いた。内容も、覚えてる。どんなに彼女を愛しているかを確認し、そして、もう2度と彼女を泣かせるようなことはしないんだと、心に誓ったんだよ」
--オプラ・ウィンフリーのTVショウで、彼は涙ぐみながら、こう語っている。

ドラフトされた日、カロンがこの最愛のママに向かって、「ママ、こうなるって俺、言っただろう?」と言うと、彼女は「ベイビー。私はいつだって、この日がくることを知ってたわ」と答えたそうである。

カロンの目に、ただものでない気迫と負けん気が表れているのも、ダテにハードな体験をしてきていない証拠であった。もちろん、<だからみな、若いときは悪いことをしたほうがいいのだ>とか、<こういう体験のない良い子はダメだ>とか、単純なことを言っているのでは、決して、ない。カロンのような体験も、上手くポジティブに生かせることができれば、逆に<強さ>--特にそれが必要なアスリートにとっては、大きな武器にもなり得る--と言いたいのである。

「この子は、ちょっとやそっとのことでは、決してつぶれないだろう。確固とした<強さ>に溢れている」という、頼もしさも感じた。シャープな目の光に、体験が濃いゆえの優しさなどもたたえている。人間のすさまじい底辺や、心の闇を見て来た人物は、そこでいじけて卑屈にならずにそれを上手く克服できた場合、人の痛みや弱さ、苦しみなどを実に良く理解し、他人に対する包容力を身につけることができる。気の強いプレイぶりも見事だし、きっとまだまだ、いい選手になるだろう。

私も、いくつかのハードな体験を、心ならずも!?するはめになってしまったが、起こってしまったことは既に過去のこと、これらの体験にくじけることなく、逆にいい意味での<強さ>に変えていけるように頑張ろう!と、彼を見ていて思ったよ。

May 10, 2006 09:56 AM | コメント (8) | トラックバック (0)

2006年05月03日

ついてきますぜ、サム兄貴!!

 ふぅ、さっき、NJから帰ってきました!

 ネッツ、今日は勝てたよ!

 これでシリーズに対する望みが出てきた。

 「お、今日は普通の顔してる。やっぱ、第4戦でバランスのいいゲームができて、ひとまず<がけっぷち>状態から脱出したからかな!?」

 昨日の練習時、そして今日のゲーム開始時、ビンスの顔を見てこう思ったが、案の定、今日は落ち着いて、彼本来の素晴らしさを発揮できたようだ。実にバランスのとれた<万能ゲーム>、そして、ほとんどのポゼッションにおいて<正しい決断>。特に、最後のダメ押しを決めたドライブ・ダンク、終始積極的にバスケットに向かってアタックした今日のビンスだったが、このときの場面はたとえジャンパーを打ったとしても良かったシュチュエーション。

 「もはや彼は、完成された、パーフェクトなプレーヤーだ」と、解説のマーク・ジャクソンにも絶賛された。数字上でも、34得点15リバウンド!! 7アシスト。なんともグレイトな、スタッツです。

 やっぱり、ビンスが落ち着いて、本来の彼のゲームをやってくれれば、それ自体が<モンスター>。この調子でいってくれれば、私の<セカンド・ラウンド・取材>も実現するでしょう(笑い)(ネッツがこのシリーズで敗退すれば、私自身はおそらくファイナルまで現場取材はなし。今季はフィラも負けて、頼みのご近所チームはネッツだけなんだもの(泣き))。


Way to go baby、that’s what we are talking about!!


「これが俺たちにふさわしい道だぜ、ベイビー!!これこそが、俺たちがお前らに語ってたことだ!!」

 LAクリッパーズ、おめでとさん!!

 バッファロー・ブレーブス時代以来、実に30年ぶりのセカンド・ラウンド進出!しかも、スタンディングでは上位シードだったナゲッツに1勝しかさせず(ナゲッツはやはり、K-Martの穴も痛かったね~)、第5戦でシリーズをクローズド・アウト。プレーオフ自体が97年以来、実に約10年もの間ドアマット・チームでいじけていたのを、見事違うチームに変えてみせたのは!?

 なんと言っても我がサム兄貴だと、思うのである。

 サム・キャセールという人は、皆さんご存知のように、例えば今回の相手チーム:ナゲッツのアイドル・メロちゃんのように、<ルックスでも勝負できるタイプ>、では、残念ながら、ないだろう。しかし! 「男は顔でないのである」という、この普遍にして真田も深く信奉する真理を、体現してみせているのがこの人なのだ。

 私がNBA取材を始めたばかりの頃。バックスに所属していた兄貴をインタビューする機会を得た。当時のバックスと言えば、<Sugar>の異名名高いかのレイさまも、いらっしゃった。ロッカールームに入っていくと、レイさまのいる<キラキラした一角>の優雅なひとときを、対角線上のコーナーで見事に粉砕していたのが、このサム兄貴。とにかく、ひっきりなしに、うるさいのである。「そんでよー、こーしてよー、分かるだろ、You know what I’m sayin、ギャハハハハ!!」・・・もう絶対に、いつまで待っても、口が閉じそうにない。そして、語り口も話している内容も、見事に下品。しかし、彼の明るいキャラと卓越した<下品なジョーク>で、周囲のチームメイトは爆笑の渦。<野郎に慕われる野郎>なのが、サムであった。今にして思えば、なんと個性豊かなバックスのロッカールームであったろう。1コーナーでは、<Sugar Rayのブリティッシュ式ハイ・ティー・サロン>。そしてもう1コーナーでは、<サム兄貴のバックスだよ全員集合!>が繰り広げられていたのであるから・・・。

 ようやっと彼が一息ついたとき、思い切って兄貴に話しかけた私。

 「おう、俺にインタビューしたいのかい!? なんでも聞けよ! ウハハハ!」としょっぱなからやられ、堅さをほぐされた私は、バスケ関連のことをいくつかと、趣味や好きな音楽のことなどオフコート関連の質問を、楽しく無事に終えることができた。サンキューを言って立ち去ろうとしたその瞬間。「おい、お前はこのインタビューの間中、録音もしてなければノートも取ってなかったけど、俺の言ったこと、全部覚えられたのか!? なに、面白かったから、大丈夫、だって・・・うん、お前は、頭がいいんだな。感心だ。俺の言ったことを、一言も漏らさず全部書けよ。ありがとな!!」

 ---懐かしの、<ドリフ節>(笑)!ごめんね、非常にヤングな読者の方々にはピンとこないかな!? でも、私のような<ドリフ世代>にとって、兄貴のこの「宿題やったか!? 風呂入ったか!? 歯、磨いたか!?」的たたみこみ、実にたまらなかったのである。実際は、兄貴のこの勢いに押されたのと、自身の慣れなさと緊張から、すっかり録音もメモも忘れてただけだったんだけど(笑い)。下品だけど(笑い)とても優しく、たどたどしい英語の小娘を決してバカにせず、終始、私が笑っているかどうかを気遣って楽しませてくれたサム兄貴。私は彼のその、<サム流気遣い>に、感動してしまったのだった。

 姉と年が離れていて、しかも両親にとってもかなり遅く生まれた<末っ子のチビ>、3人の大人に甘やかされて育った私は、どうも生来が甘えん坊なのだろう、男でも女でもこういった<兄貴肌>な人に弱いのである(笑い)。「私が男だったなら、ぜひサムと友達に、いや、舎弟でもいいから、仲良しになりたいなあ!」と、思ったのだった。

 それ以来、私にとってサムは、「ついてきますぜ、兄貴!!」と言いたい存在に、なった。

 ミネソタでは、いまいちさまざまなことがかみあわず、トレードに出された兄貴。
 しかし、クリッパーズでは、その本来の持ち味<楽しく頼れる兄貴肌>を思う存分発揮して、チームをここまで導いた立役者となった。ロッカールームでも、6年前の私に対するのと変わらぬ<サム兄貴>である。

 ゲーム中もタイムアウト時も、失敗した選手の肩を抱いて励ましたり、ときにはベテランらしく叱咤激励したりして、素晴らしいリーダーシップを発揮。そして自ら、本来の性分そのままに、<熱いプレー>。

 生粋のニューヨーカーは、「Damn、ブラザー・サム!? ニューヨーカーなら、ヤツのことは嫌いなんだぜ!!」と、愛情を込めてジョークを飛ばす。

 93-94シーズン、ファイナルに進んだニックスの対戦相手はロケッツ、そのロケッツのルーキーながら、ニックスにとって手痛いショットを何度も決めてみせ、全ニューヨーカーに 憎まれた(リスペクトされた---ニューヨーカーにとって、<憎まれるほどのインパクトを与える=リスペクト>、ということでもある)のが、このサム兄貴だったのだ。

 キャリア13年目の今季。今度は<若いドアマット・チーム>を、見事に飛躍させた。兄貴のキャリアにとって、忘れられない金字塔になるだろう。

 「レモネード片手に、<ハリウッド対決>がなるかどうか、観戦するぜい!!」と兄貴が語った本日のレーカーズーサンズ第5戦。さきほどレーカーズが破れ(なんとコービがイジェクション!!)、サンズとのシリーズは3-2、第6戦に突入。

 兄貴率いるクリップと、<夢のLA対決>は果たして実現するのか!?

 ともあれ今は、<サム兄貴に乾杯!>な、真田です。

May 3, 2006 02:33 PM | コメント (4) | トラックバック (0)