Hangin' Around The NBA Wit Kaoru

2006年04月19日

ハンガーのフープ

いよいよ、明日でレギュラーシーズンも終了!

プレーオフ出場チームも東西ともに確定し、NBA好きにとっては1年で最もエキサイティングな季節がやってまいりました。

私の心もわくわく!と同時に、毎年この時期には暗ーい気持ちにも。なぜなら、もう永遠に来なくていいと思っている誕生日が、やってきてしまうからだ(笑い)。22日生まれなので今年は土曜日。だいたい毎年プレーオフ開始日前後になる。なので、必然的にこれといって手のかかったパーティーなども、できません。ま、でも、うれしくないんだから、いいけどね(泣き)。

そのバースデーの代わりといってはなんだが、昨日月曜日のニックス最終ホームゲーム後には、ゴクゴク飲んでしまった。もちろん、お酒を、だ。もっとも、どちらかというと、というかどちらかと言わなくても明確に、なんか<ヤケ酒>だったのだけど。だって、ニックスのやつ、最後の最後まで、しかもリーグ最下位を競うボブキャッツに、ラスト・ホームゲームで負けやがったのだ。シーズン中ずっと、ゲームを見守ってきた地元メディアにとっても、これはどれだけ情けないことか。「消化ゲームとはいえ、お前らには<意地>というもんがないんか、<意地>というものが!!」と、星一徹のように、腹がたって仕方なかったんである。

ご存知と思うけど、現在ラリーさんは出勤していない。@キャブス戦で、胃の痛みを訴えて病院に運ばれた彼は、そのあと指揮をとっていないのだ。ここぞ! とばかりに、ポン吉の言葉をなにか引き出そうと、彼に群がるメディアたち。ポン吉は、そんなメディアの下心を分かっているので、「PRのジョナサンが同席しないとしゃべらんぜ。彼に俺の発言を全部タイプしてもらう。この件に関して、キミたちには都合のいいようにいくらでも揚げ足を取られる可能性があるからね」と、しょっぱなから牽制。しかし、ここぞとばかりに悪評をたてられないようにだろう、いつもはできるだけメディアを避けているポンだが、ラリーさんが倒れて以来、むしろ積極的にメディアに応えようとはしている。

そんなポンは、毎年恒例の<ニューヨークポスト:NYアスリートのあれこれランキング>において、<最も嫌われているアスリート>部門と、<最も精神的に未熟なアスリート>部門で、堂々!?の1位に輝いてしまった。

またまたポン吉ネタ!?と思わないでね(笑い)。だって、NYエリアのNBAメディアとしては、できるだけ彼の素顔を伝えてやりたいなあ、なんて思ってしまうんだもの。

ラリーさんが欠席した初めてのゲームであったミルウォーキー戦の日。ゲーム前、ポン吉は、首に何か白いものをかけていた。近くに行って見ると、それはハンガーを折り曲げて作った輪っかであった。「それ、何?」と聞くと、

「これはねえ、バスケットの<フープ>さ。俺たちがガキの頃はね、チビスケたちはなかなかプレーグラウンドでバスケをさせてもらえない。でっかいブラザーたちが占領してるから。かといって、俺らなんかくらいの家には、子供用のおもちゃのフープとかを買ってもらえるような経済的余裕は、なかったからね。で、俺たち皆こうやって、ハンガーを折り曲げて輪っかにして、フープ代わりにしたもんなんだ」と、教えてくれた。それを聞いた私は、思わず胸の奥がちょっとキュ、となって、泣きそうになってしまった。

ここ1年間さんざん批判にさらされ、NYを心から愛しているNY出身の男にもかかわらず、紙面上だけでなく彼がずっとあこがれ続けてきたアリーナのホームクラウドにまで、冷たいブーイングを浴びたポン吉。冷静に客観的に判断すれば、決して彼だけが悪くて今季の弱小ニックスになってしまったわけではないのに、彼1人が<スケープゴート>にされ、叩かれに叩かれまくったのだった。「みんな、いろいろ言うだろうし、俺がこう言ってもなかなか信じてもらえないんだろうけど・・・でも、ほんとに正直に、今シーズンは俺にとって、<ベスト・シーズン>だった。俺の人生にとって大事なことを、本当にたくさん、学んだ。たくさん、だよ」。シーズンが終わるこの時期に、こんなことをつぶやきながら、子供のころ、彼がまだおもちゃのフープを買うお金を持っていなかったころに、NBAプレーヤー目指して懸命に練習するために作った<ハンガーのフープ>を思い出し、再現してみたポン-そんな彼の心境が、痛いほど分かる気がして、私も切なくなってしまったのだ。

明日、かたやプレーオフに向けて盛り上がっているお隣ネッツとのゲームを最後に、今シーズンを終わるニックス。ラリーさんにもポンにも、しばらくの間ストレスを忘れて、ゆっくり休んでほしい。

さて、ネッツは今日、ビンスのシングルシーズン・通算得点で、フランチャイズレコード達成、という記録も飛び出し、明日のニックス戦を終えたらあとはプレーオフに向かってまっしぐら、という状況だが、対戦相手であったシクサーズは、プレーオフ進出ならず、という悪夢の結果となってしまった。

前回、クリスとアレンのことを書いたばかりだが、なんとこの2人は今日のネッツ戦に無断欠勤。消化試合でプレーしないことは分かっていても、ホームゲームであるのだから、絶対にベンチには座ってチームをサポートするべきだった、無断で現れないとはなにごとか、とネッツ・ブロードキャストを担当するマーク・ジャクソンも怒っていた。「私はね、あの2人のことは個人的には好きだよ。でも、今回のこの行為は、間違いなくおかしい。100%間違っている」。

私も同感だ。2人とも、あまりにも悔しくて情けなくて、気が抜けてしまったのかもしれないけれど、今日は現れるべきだったよ。シクサーズは、彼らに罰金を課すそうである。

*注:のちほど、<欠勤>ではなく、大遅刻して現れたことが確認された。いずれにしても、ビリー・キングは頭爆発状態で怒っている。「来季のチーム(ロスター)を考える!」とも・・・

シクサーズのプレーオフ進出絶望が決まったのは日曜日のことだけど、最後に彼らを葬ったのは、マジックだった。

マジックは、スティービーをトレードしたのが効いたのか、いきなり勝ちだし、3月31日からこの4月15日のフィリー戦まで、実に8連勝を続けていた。しかも、ダラスから始まり、デトロイト、マイアミ、サンアントニオと、プレーオフ戦線のトップに位置する強豪チームをことごとく破り続けて、あわやプレーオフ滑り込みか!? というところまでいったのである。

サンアントニオ戦も少し見ていたが、ここでも何度か書いた<モデル志願>!? お子様ドゥワイトの、TimmyーDとのマッチアップもかなり見所があり、エキサイティングだった。

「あの子がピークに達するとき、僕は既に引退しているだろうことを、本当に良かったと思う」なんて表現で、ドゥワイトのすごさを語ってみせたTimmyーD。かたや、ハイスクールからリーグ入りした大先輩で、ドゥワイトのあこがれで目標だ、というKGも、「いったい、最近の子に飲ませるミルクには、何が入ってるんだい!? あのガキの才能に、俺ははるかに及ばない」と絶賛。

あのアレン・アイバーソンの<プレーオフ進出の望み>を絶ち、ゲーム終了のブザーが鳴った瞬間に呆然と青ざめさせたのは、28得点、26リバウンドという驚きのスタッツを叩きだした、この20歳の明るい<オトボケ>くんだった。一体、どこまで伸びていくのかドゥワイト? 来シーズンのマジックは、本当に楽しみだ。噂によれば、念願のビッグマン獲得のために近い将来、RJかビンスのどちらかを放出しなければならないかもしれないネッツは、それがビンスだった場合に彼のホームタウン・チームでもあるマジックと交渉することもあり得る、ともささやかれている。

ビンスがNJからいなくなるのも残念だけど、ドゥワイトとビンスとのコンビもまた、相当ダイナミックでエキサイティングな気もしない? と、プレーオフも始まってないのに、ちと気が進みすぎました(笑い)。

明日は、最後のニックスを見てくるね。とにかく、キレイに、しめてくれたまえ。ポンもスティービーも、アレンとクリスみたいに休まないように。頼むよ。

April 19, 2006 02:53 PM

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コメント

薫さんこんばんは。

遂に、プレーオフ出場チームが出揃いましたね。
シクサーズについてはとても残念でしたが、こればっかりはしょうがないなと思います。
他のチームが(相対的にでも)強かったということを受け止めるべきではないかと・・・・・
でも、来年こそは、プレーオフで大暴れするAIとC-WEBBを見たいな~。あと、来シーズンおそらくブレイクするであろうもう一人のAIの爆発にも期待。

ところで、薫さんは今回のプレーオフ、どこのチームが勝ち上がると思いますか?
ぜひ、NBAにとっても近い所で頑張ってる薫さんの意見をお聞きしたいです。
個人的な期待でもいいので、よろしくお願いします!!

それでは、引き続き頑張ってください。

投稿者 こころここにアレン : 2006年04月19日 23:06

NETS戦、アレン君とクリスさんは無断欠席だったんですね・・・(*0*)いないな~とは思ったんですけど。
昨日はTVでアレン君を見れる貴重な日だったのに(;。;)

DVDにも撮ったのに(涙)

まあ、怪我とかじゃなかったならいい・・・のかァ!?

投稿者 robin : 2006年04月20日 10:32

はじめまして。
毎回楽しく読ませてもらっています。選手の生の声を聞くことができてとてもうれしいです。

私は、93年以来のニックスファンです。アメリカ留学中にテレビでプレーオフのブルズ対ニックス戦を観て好きになりました。
今でもジョン・スタークスのポスターを貼っています。

「ハンガーのフープ」ぐっときました。初心忘るべからずですね。また、いい話をお願いします。

投稿者 りく : 2006年04月20日 13:18

昨日、シクサーズはホーム最終戦で「ファン感謝デー」だったんですよね? それなのに大遅刻とは・・・ 彼らのプレーが予定されていないにしても、ファンとすれば一目でもって思いはあるでしょうに。 スターたるもの、それを忘れてはいけないと思うし、この2人が忘れたとも思えないので、理由はなにか別のところにあるのでしょうか? うーん、まあ理由は何であれ、寂しい出来事ですね。

投稿者 オレ竜ドラきち : 2006年04月20日 18:39

日本は22日です。誕生日おめでとうございます。

投稿者 ひろのり : 2006年04月22日 17:27

真田さんお誕生日おめでとうございます。
マーブリーのハンガーフープの話ってアンクルブレーカーズにもチラッと出ていますよね。いい選手だし、いい人なのにメディアもそんなに批判記事ばっかり載せなくてもいいのに。
それよりミネソタに行くかもってうわさは本当ですか?NYから離れるのは残念だけど、マーブリーに対する批判が減るならそれでもいいかなって思っています。
最後に、もうすぐHOOPの発売日ですね。こっちの真田さんのコラムも楽しみにしてまーす。

投稿者 Mr.Ray-up : 2006年04月22日 22:33