Hangin' Around The NBA Wit Kaoru

プロフィル

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★真田薫(さなだ・かおる)
 埼玉県出身、NY在住。故障のため、バスケットボールを断念。R&Bシンガー「Cheyenne」として97年デビュー。アルバムリリースやライブ活動のかたわら、ラジオ番組のMCも手がける。00年からNBAを精力的に取材。

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2005年12月28日

末っ子レブロン&コメディアン・デイモン&ステキな博士

 ふぅ~、今日のNJ、コンチネンタル・エアラインズ・アリーナは超満員だったよ。

 なんたって、レブロン!のキャブスがやってきたからね。
 レブロンはもちろんプレーもすごいけど、最近のナイキのCMでは私もびっくり! の演技力をも見せてくれている。レブロンが1人4役をこなし、舞台は家族のお茶の間。彼の役どころは、

 1、一家のお父さん(もしくはおじいさん?)
 2、サミュエル・L・ジャクソンみたいな、ハードボイルドを気取ったアフロヘアにサングラスの長男
 3、実際のレブロン
 4、恐らく<甘えっ子の末っ子>という設定の、ヒップホップ少年(DJをやったり、ダンスをしてみたりしてる)。

 それぞれのキャラを、実にうまくこなしてる。私個人的には、<末っ子役>のレブロンが一番好きかな? だってレブロンて発言やルックス!? もすげえ大人、っつうかそれを通り越して、ときに「ん、おじさま!?」と思えるほどだから、この<末っ子役>には珍しく歳相応のカワイイ彼が出ている感じで、良いんだよね。それに、末っ子役で披露しているダンスも、また結構うまい! クルクル~、なんて回ったりしてて。同じく、意外や意外にもダンスがすごく上手いビンスも、「あのCM、面白いよね。僕も楽しんでる」って言ってたよ。

 さて、そんなレブロンは、今日もソリッドなプレーを見せてくれたけれども、100%ならこんなもんじゃない、っていう感じだったかな。クリスマス前の対マイアミ戦でキャリアハイとタイの51得点をたたき出したビンスも、今日はファウルトラブルに見舞われて地味目な活躍。しかし、西のコービーとともに東の<プレーヤー・オブ・ザ・ウィーク>に選ばれているほど、ここのところのネッツの7連勝にはがっつり貢献しているね。

 そんな2チームの、ロッカールーム模様もちょっとご紹介。

 キャブス側は、自ら「俺はコメディアン」と名乗るデイモン・ジョーンズの独壇場! 私は以前、NYのストリートボール現場で彼をインタビューしたことがあって顔見知りなのだけど、「ほ~ら、お嬢様がやってきましたよ~!!」みたいな感じで、それこそ私だけでなく誰でもネタにして、終始騒ぎっぱなしのデイモンだった。とっても気さくな、明るく楽しいプレーヤー。レブロンをネタにしたり、もーう、グッデンもヒューズも記者たちも、ロッカールームは笑いの渦! だったよ。

 かたや、ゲーム後のネッツ。
 いつもは来ていない、おそらく海外メディアの1人が、多分ルールを知らなかったんだろうね、シャワーを終えて出てきたばかりのビンスに、いきなりパチリ! とシャッターを切ってしまった。ロッカールーム取材では、メディアが禁じられていることが2つあって、

 1、TVカメラ以外、撮影は禁止
 2、選手にサインを求めること(笑い)。

 ただでさえ繊細なビンスはちょっと怒りかけてしまったんだけど、そこをすかさず上手く収めたのが、<おちゃのみず博士>!!…って、失礼だよね私も(笑い)。

 彼はThe Star Ledger紙の敏腕ライター、デイブで、おそらくビンスに一番信頼されているネッツの番記者。も~うなんつうか、いかにも「硬派なブン屋タイプ」のおじさまなのだ。髪型はちょっと<おちゃのみず>(ごめんなしゃい)だけれども、ロックを聴いてハーレーを乗り回していそうな感じの、渋くて男っぽいキャラ。口数は少ないけど、私がカゼをひいてコホコホしていたら無言でのど飴を差し出してくれたり、囲み取材のときにポジションを逃して後ろのほうでウロウロ背伸びしていると、私のレコーダーを預かって彼のと一緒に録音してくれたり、などととても優しいので、実は私も密かな<博士ファン>なのである。そのデイブが、私は目撃してなかったんだけど、ビンスとそのちょっと失敗してしまった記者さん両方に一言ずつ何か言って、見事にとりなしたんだって。さっすがー、博士!! さらにファンになってしまった。

 という感じで、日々バスケットボール取材に明け暮れているうちに、今年も残りわずかになっちゃった。ロンロンの生い立ちや、個人の成績は悪くないのに、勝てないがゆえに、地元であり自身の出身地でもあるNYのファンからまでブーイングを浴びて、今おそらく一番辛い思いをしているだろうポン吉や、無敵の連勝を続けているピストンズや、相変わらずど根性! の日々を送り続けているアレンちゃんや、etcetc…ほんっとーにまだまだ全然書き足らないのだけど、次回は来年、2006年に! 

 読者のみなさま、いろいろ面白い意見や温かい応援の言葉など寄せてくれたり、ほんとうにありがとうでした。良いお年を&来年もどうぞ、よろしくね。Wishing Y’all Happy、Happy Holidays!!

December 28, 2005 03:10 PM | コメント (7) | トラックバック (1)

2005年12月21日

Hangin’Around The Strike!?

いやいや~。サブウエーもバスも(MTAの)止まっておりますNYから、お送りしていますHangin’~。街は大変なことになってます。ジョニー・デーモンさん、ほんとにこんなNYでいいですか!? ちなみにコービー・ブライアントさんも、先ほどキャリア・ハイ62得点、あのまま4Qも出てればあわや80得点ペース!? といった大爆発で、大変なこと、大変なこと--さあ、今日はちょっと、<Hangin’ Around The Strike!?>になってしまうかもですが、ご了承を…。

まさかのスト突入に、今日のネッツ-クリッパーズ戦取材@NJは、どうやって行けばいいの~(泣き)状態であった。ひとまず、このハーレムから、100ブロックも下ったポートオーソリティー(NJのアリーナ行きのバスが出る)までたどり着かねばならないが、タクシーは4人でないと拾えないというし、大体道も恐ろしく混んでいるだろうし…とにかく早めに出て、最悪の場合ヒッチハイク!?

ストリートに出ると、ラッキーなことにすぐ、「ヘイ、どこまで行くのら~?」というスパニッシュ英語が。いわゆる「海賊キャブ」-白タクでんな。セントラルパークの中を下るという荒業をやってのけたドライバーのおかげで、予想外に1時間ほどで到着してしまった。が、まだこの時間ではアリーナ行きのシャトルバスは出ていないし、こちらも早めに出ておいたほうがいいに決まっている--というので、普通のローカルバスに乗り、1番近いバス停で降りて歩くことにした。

さて、ハイウエーのど真ん中で、ともかくも降ろされた私。以前1回だけ、ここから歩いていったことがあるけど、どっちに行けばいいんだっけ…? 自慢じゃないが、私は<大の方向音痴>。案の定、道の反対側を歩いたがゆえに、誰1人歩いていないNJの道、っつうか、普通NJではNYと違って<人は歩かない>--歩道もなく、トラックがびゅんびゅん飛ばしてくるハイウエーの向こう側に渡らなくてはならなくなった。

が、道のど真ん中には、車線を隔てる高い石のしきりがそびえていることを発見。うんむー、これはどうしたものか…と一瞬ひるんだが、ノーチョイス(泣き)。取材用の小奇麗な格好をしていた私、白のロングコートにヒールの高い茶色のスウェードブーツで、これをよじ登るハメに。そして登ったら今度は、そこから飛び降りるハメに…。そうしている間にも、車は剛速球で、NJのハイウエーでたった1人、奇妙な行動に出ているアジア人女を容赦なくあおってくる。

ボロボロになって、何とかアリーナにたどりついた。私がマンハッタンに住んでいて車を持っておらず、ネッツの練習施設に取材に行くのにも、いつもバス停から片道20分を歩いていることを知っているデイリー・ニュース記者のオムや、ネッツの選手たちに「キミ、今日はいったい、どうやって来たんだよ!?」と驚かれることに。本当に、我ながら、この歳になってこの格好でハイウエーのしきりをよじ登る女は私くらいかもしれん、と、少し恥ずかしいような、情けない気持ちでもあった。

というわけで、たどり着いた時点で既に疲れきる=ナチュラル・ハイ、だったわたくしは、いつになくバリバリと仕事してしまった(もじもじ度が少なくてすんだ(笑い))。大好きなサム兄貴!にも会え(いつも本当にナイスな下品さで--そぉね、なんというか、<ドリフ世代>の私にはたまらんのよね、あのノリ(笑い))、そして何といっても、<ミスター・ナイスガイ>なエルトン・ブランド。また今日も、快く質問に応じてくれたなあ。彼は本当に、いつでも誰にでも丁寧で、心和む。頭の良い紳士なのだ。RJともちびっと音楽話、おまけにジェフ・マキニスともノースカロライナ大談義、ネッツ自体も、ロビン15番の久々のホームでの大活躍(ビンちゃん、35得点7リバウンド9アシスト)で勝てたし、まあヘロヘロになってたどり着いただけの収穫はあったと言えようか。

エルトン氏談:「ロンね~(笑い)。あのね、みんな彼を誤解してるんだよ。僕もNY出身だし、ロンのことは13歳のときから知ってて、一緒にプレーしてるからね。彼は本当に、いいやつなんだ。ちょっと感情的だというだけで。だから、分かってやってよ、ね」

…というところでロンロンP、こんな優しい弁護もあるんだから、ほんとによろしく頼みますよ、んもう。

さて、明日は話題騒然、ポン吉大苦境!!のニックスに、ここ2連敗でジノビリも出ていず、調子の悪いチャンピオン・チーム:スパーズ/Timmy・Dがやってくるのだが、果たして明日はこの真田、どのようにマジソンスクエア・ガーデンまでたどり着くのか!? 乞うご期待。

December 21, 2005 03:52 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

2005年12月14日

嵐を呼ぶ男&嵐のNY

NBA一のダンディさん、といえばこの人!のパットおじさま(パット・ライリー)が、コーチ復帰することになったね。いやー。年齢を重ねてもますます絶好調のダンディぶり。早速今日、ブルズとのゲームで<叫ぶ姿もまた優雅>というのを見せてくれ、たった今接戦の末に勝利を飾ったよ!

そんなヒートは、もう1人のJ・Will--交通事故でいったん奈落の底に落ちた不運の天才PG--を獲得することを検討しているそうだ。懸命にリハビリを乗り越えて、不屈の闘志で頑張っている彼にぜひ、パットおじさまのコーチングを与えてあげたいね。

そしてこちら、パットおじさまとはゆかりの深いNYニックス。
昨日のバックス戦、前半で60点を失うという体たらくぶりで、なんとも情けないゲームをしてしまった。ラリー・ブラウンは頭を抱え、ホームのファンから沸き起こるブーイングに耳をふさぐはめに。いつもなら、フランチャイズ・プレーヤーのかっこつけ!? でもって、他のチームメートがすべてメディア対応を終えたあとに<トリ>として登場せんがため、わざわざゆーっくり時間をかけて身支度を整え、記者たちをじらしにじらしまくるポン吉は、ボールボーイに服を取ってこさせて目にも止まらぬ速さでトンズラしていった。一言も話さないのは本当は違反! だが、たまりにたまったフラストレーションが爆発してしまい、耐えられなかったのだろう。

さて、そんな中。

前回、<今シーズン、リーグにおいて一番気迫の感じられる男>としてほめたたえてあげたはず!? のロンロンP(ロン・アーテスト)。ね、読者の皆さんも、私の感じている「はぁ~も~う、ロンロンPったらぁ~・・・」という脱力のため息!? 分かっていただけたのでは・・・なんたって<トレード志願>。も~うあなた、なんなんでしょうかぁ(笑い)。

満足のいく金額でサインできなかったこと、そしてこれだけがんばってもフランチャイズプレーヤーとしてフィーチャーしてもらえていないこと、が不満なのだというけれど、昨シーズンあれだけの問題を起こしたキミを、追放もせずに我慢強く支えてあげたインディアナなのだよ。「ここにいたくない、というプレーヤーがいるなら、我々は彼に出て行ってもらうしかないではないか」とはCEO。ロンはこのウォルシュやバードとまず話をするべきだったのに、真っ先にメディアにこの願望を打ち明けてしまったのだ。

「このチームにいたくないプレーヤーは、毎晩のゲームで100%の努力をしないだろう。彼がそう思っているなら、やはり出て行くしかないよ」と、敬けんなクリスチャンで、とても優しい性格で知られるジャーメインさえでも、怒らせてしまったロンの介。現在ロンロンは、「練習にも出てこないでよろしい」と言い渡されており、もちろんゲームにも出ていない。

そしてそのロンちゃんの<トレード先第1希望>というのが、なんと我がニックスであるという。まあね、そりゃーNYは、このロンちゃんの故郷。ポン吉と一緒で、NYスタイルのバスケットボールを骨の髄から知っている男なんだし、そしてニックスも今、強力なSFを探していることはいる。かわいそうな事件にまた巻き込まれてしまったQちゃんが、今ひとつ活躍できていないからだ。確かにロンロンPなら、ラリーさんの望む<ディフェンス強化>を見事にかなえることができるだろうし、アイザイアもペーサーズ時代にロンをコーチしているから、彼のことを知り抜いているのも心強いかも。「はあ、ロンね。まあ今はまだ、他のチームの子だからね、何とも言えないけれど。でも彼は、素晴らしいプレーヤーだよ。しかし、私の言うことを聞いてくれるかねぇ、ははは」と苦笑したラリーさん。NY地方、嵐のため荒れ模様。

私としても、ロンロンのNY入りは非常に賛成だが、問題はニックスが代わりに誰を出すの? ということと、ニックスはロンを欲しくても、ペーサーズは彼をカンファレンスのライバルチームに入れたくはない。ニックスの中でのトレード相手として白羽の矢が立っているのは・・・ご想像の通り<今1番苦労し、不満のたまっている男>=ポン吉。しかし、ポンを出してしまうとなると、それこそPGどうすんの!? 状態になってしまうし、インディアナがポンを欲しいとも思えないし、はたまたアイザイアがそう簡単には決断しないだろうし。

ペーサーズは、フライなら欲しいそうだけど、今一番ラリーさんシステムに順応できているニックス選手であり、有望なルーキーをニックスは手放したくはない。ペニーをなんとかするとかかなあ? それも寂しいけれどね。アリザと他の子たちをくっつける? でも、元々<ジジイチーム>の伝統があるニックスには、彼のような若くてイキのいい選手も貴重な存在だし・・・ふんむ~、難しいね。

「俺は、過去に問題を起こしているからね、それがネックだな。でも、リーグには29チームあるんだ。その中の1つに、俺はそのお荷物をひきずっていくよ」・・・やっぱり一番のんきなのは、当の本人だ(笑い)。

ロンロンPってホント、天然ボケなんだろう。そんな天然ボケと激しい気性がミックスされた性格の由来は、キミのトレード志願のためにまた次回回しだよ。まあでも、<過去に傷のある男>を見事に再生させた実績のあるニックスだから(そういえばそのお方は、結局NYを出てからはまたとんちんかんになってしまったが。今どこにいるんだよー、親分!?)、ロンの介にも同じことを起こさせてやれるかもだよね。

December 14, 2005 11:43 AM | コメント (10) | トラックバック (1)

2005年12月07日

ナイスぼけ!ロンロンP

「僕たちは、フィジカル面でもメンタル面でも、十分にタフでない。<こん畜生!>っていう強い負けん気や態度が、勝利には必要だと思う。以前のネッツには、それがあった」

--3日の土曜日、スタンディング上で格下チーム、ラプターズにくだらない負け方をしたネッツ。キッドとともにファイナルを経験しているRJ(リチャード・ジェファーソン)は、憤慨した面持ちで思わずこんな言葉をぶちまけた。

私は、いつもの記者席、ネッツ・ベンチ側のバスケット裏からゲームを見ていたが、確かにRJのこの言葉にはうなずける、緊張感のない、ふやけたゲームをしてしまったネッツだった。同じ負けでも先日、デトロイトに負けたのとは全く種類の違う黒星。ローレンス・フランク・コーチは、あまりにも頭にきたためにオフィスルームのドアをたたきつけるように閉め、キャプテンのキッドも、彼らしく冷静ではあったが、その言葉と表情に明らかに怒りが見えた。

不満足の原因の1つは、ビンスの負けん気が十分でなかったように見えたことだろう。そろそろ収まってきたとはいえ、不仲であったと言われるサム・ミッチェル・コーチ、トレード騒動前後から彼に冷たいブーイングを与えてきたトロントのクラウドを今一度納得させるためにも、必死でやらねばならなかったはず。しかし、そこが彼の気の優しい性格ゆえの弱点なのだろうか、仲のよいMo・ピート(モーリス・ピーターソン)と、負けているゲームの最中にも笑いあったりふざけあったりしていて、何と言うか<締まっていない>感じだった。最近また、首から背中に痛みを抱えているのもあるのか、ゲームの頭から調子が出ず、おまけに途中で足首をやられ、いったんロッカールームに。復帰したものの足をひきずっていて、100%な状態でプレーできないのもあったのだろうが…。

私は彼を長年取材してきて、その超人的なダイナミックプレーに魅了されているし、気の優しい、繊細な性格も人間的にはいいと思うが、プロ・アスリートとしては今一歩タフになってほしいと、常々思ってきた。年齢的にも今がプライムタイム。今季は彼のキャリアにとって、非常に重要なシーズンになると思う。今が勝負どきだよ、頑張れ、ビンちゃん!

さて、ゲーム中の、勝とうとするがゆえの<緊張感>、これにおいて今季No.1といえるのが、真田のマイ・メン・ボーラーの1人といえようロン・アーテスト。この人はご存知の<乱闘事件>で、昨シーズンいっぱいをサスペンド。レジーの引退を飾れなかった大きな原因となった、かのお方である。

今までにも通算で10回のサスペンド、テクニカルファウルどころかフレグラントファウル・キングと呼ばれる<バイオレント・ディフェンダー>で、敵に脅威を与えてきた<暴れん坊将軍>だ。別れようとした元彼女への脅迫行為で訴えられたり、ニックスに負けたあと、マジソンスクエア・ガーデンでTVカメラをぶっこわしたりしたのは有名な話。冗談ではなく、<アンガー・マネジメント(怒りという感情をコントロールすること)>のためのセラピーに送られたりしていたのが、このロンちゃんなのだ。

やっとこさフレグラント・ファウルも減り、<ディフェンシブ・オブ・ジ・イヤー>も取り、NYはラッカーパークでストリートボーラーに隙間1センチまで鼻先を突き合わされ、トラッシュトークされても、何も言い返さずじっと我慢していた昨年夏。「もはや、怒りんぼうは治ったか」と思われた矢先の、デトロイトとの乱闘事件だった。

この事件については、それこそ賛否両論激論が飛んだので、今さらあまり言うことはないが、それまでのさまざまな彼の愚行とは違い、あの事件に関しては私は彼に同情的であった。若い男なら、というかきっと私でも、おんなじ行為に出たかもしれないと思えるほど、客も悪質だったからだ。

さて、その昨年いっぱいプレーできなかった欲求不満を一気に晴らすかのように、今季は毎試合毎試合、非常にモチベーションにあふれた、緊張感みなぎるプレーぶりを見せている。オフェンスでも素晴らしい存在感を見せていて、ジャーメインに変わってリーディング・スコアラーになることもたびたび。アグレッシブにドライブもこなし、3Pもスムーズに沈め、そういえば先月のネッツ戦でも堂々30得点してくれましたっけ…。彼がスコアリングのファースト・オプションになっているセットも多々見られ、<ディフェンシブ・プレーヤー>という肩書きだけでは足りず、レジーなき後のペーサーズにおいて、フランチャイズ・プレーヤーに昇格か!?という勢いなのである。

どのゲームも、見かけるたびにすがすがしい<やる気><負けん気>。今、見ていて気持ちのいいプレイをするプレーヤーの1人だ。

そんな彼について、みなきっと、「とてもテンションの張った人」というイメージを持っているのではないだろうか。私もそう思っていたし、実際に今でも、きっとそういう面を多々持っている男であると思う。しかし、彼に数度インタビューしてみて私が抱いた感想は、「~も~う、ロンロンPたら~、はぁ~」みたいな、おとぼけロンちゃんばっかり(笑)。

ちなみに、この<ロンロンP>という命名は私ではないのだが、このキャピキャピ系呼称もぴったりハマるくらい、憎めないおとぼけをかますロンちゃんなのである。

昨年サスペンドをくらった後はちょっとの間大人しくしていたが、さすがにヒマになったのだろう。しばらくしてちょこちょこ、音楽系などのTVやラジオで彼を見かけるようになった。ロンちゃんは、自身が経営するレコード・レーベル:Tru Wariarsを持っているのだけど、乱闘事件の少し前にも、カーライル・コーチに「音楽のほうが忙しいから少し休みをくれ」などと爆笑もののボケをかまし、2試合ベンチに座らされていたのだった。そのレーベルでプロモートしていたガールズ・グループを宣伝するため、BETの106Parkという番組に出演したとき。司会のAJに、「1年間給料をもらえないだろ? 生活は大丈夫かい?」なんてジョークをかまされ、「ゲットー出身だからね~。金のないのは、慣れてるさぁ~」なんて言い放って、私をも含めクラウドを大爆笑の渦に巻き込んだ。

今季、待望のNBAゲームということで、プレシーズン中に私が彼に日本のファンへのシャウトアウトを頼んだときも、「Yo,ジャパンのみんな、ロンだぜ! 近いうちに俺はジャパンへ行って、すげえいいショウを見せるからね!」って…。普通こういうとき、バスケのシャウトアウトだろうが、ロンちゃんよう(笑)、ってことで、私はまたもや笑いをこらえるので必死だった。そんなロンちゃんは、自分でラップもするんだけど、最近の作品名は、<Oh,Yeah>。ちょっとサビを説明すると「彼女が言う/Oh,/そして俺が言う/Yeah・・・」・・・・・・ロンロンロンPったら・・・。

てなわけで、普通に話しているときの彼は、非常にナイスなただのおとぼけクン!?なのだが、NYはクイーンズの、厳しい環境で育った彼にはやはり、根の深い、大きな問題があったのだった-以下、次回を待て!

December 7, 2005 11:21 AM | コメント (5) | トラックバック (0)