Hangin' Around The NBA Wit Kaoru

2005年10月19日

Fresh Prince Of NBA 完結編<王子>から<王>へ

我がNYニックス、ファイナルに進出した栄光の90年代を知っているプレーヤーが、ついに誰も、いなくなってしまった。アラン・ヒューストン、引退になっちゃった--ニューヨーカーは厳しいから、デイリーニュースに載ってたファンの感想、みんなボロクソだったらしい。ちなみに私の野朗の友人たちなども「あったりまえだよ! 3年間もロクにプレーできてないやつに、年間何十ミリオンも払えるもんか!! これでやっと、ニックスも良くなるぜ!」とけんけんがくがく。

でもさ、最近でないにしたって、彼がニックスというフランチャイズに貢献したのは、確かなことじゃない…? なんて、ちょっと切ない私だった。故障でバスケをやめなきゃいけない辛さ、よく知ってるよ…ここ10年ではおそらく、リーグ一センスの良いおしゃれさんだったアラ・ヒューのファッションを見られなくなるのも、寂しいことである。

今日はニックスのプレシーズン・ゲームがあったんだけど、アランのロッカーは既に片付けられて、デイビスのものになってた。NBAって本当に、厳しいね…。

そんな光景をゲーム前に見てちょっと辛くなり、コートに出てみると、あ、JYD! ユニホーム姿ではもちろんないけど、彼の姿をまたここで見られてうれしくなった。私を見つけ、「ヘーイ、元気!?」ってハグしてくれる優しいジェローム。ここでちょっとエナジーを回復したので、今日の相手チーム、私にとってもナジミの深い、シクサーズのロッカーへ行ってみよう。

実は昨夜、私は既にアレンちゃんを見てちょっと話もしているし、一緒に写真まで撮っているのだった(アレンを長年撮影してきたカメラマン、私の仕事仲間でもあるRbkのゲイリーが、撮ってくれたのだ)。
何があったのかというと、アレン・アイバーソン、キャリア10年-うわー、ホント!?-を記念し、<アンサーIX>が発売になるのもあって、NYダウンタウンは<Canal Room>というクラブで、記者会見&パーティーが行われたのよ。記者会見では、相変わらずのスピーチ上手ぶりを見せてたアレンちゃん、しかしRbkが作成した、アレン10年の足取りビデオを見たときには感慨深くて、私も思わず涙ぐみそうになってしまった。

アレンちゃんてやっぱ、すごいんだなあ、とあらためて感心。ちなみに先行情報だけど、このアンサーIX用のTV CM、めっちゃくちゃCooooool!!!マジ、かっこいい。鳥肌たつよ。11月1日からオンエアだって。

会見が終わって、そのままパーティーとなった。きれいなウエートレスさんたちが、次から次へとアペタイザーを持って回ってきてくれるんだけど、私と仕事仲間のジャパニーズ・ビューティー!? 2人、もーう食いまくり(笑い)。特に、ブラックガイズのとこへ持ってってもほとんど売れない<スシ・ロール>を、「あのチャイニーズ・ガールズ(こちらでは、アジア人と見るとまずはチャイニーズ、と思われるのよ)のとこへ持ってけば絶対に売れるわね!」とばかりに、ニコニコ運んできてくれる彼女たちであった。

そんな中、VIPルームのアレンちゃんは、シャンパン片手に上機嫌。DJはフロム・Hot97のDJ S&S(ちなみにすげえ、上手かった)、MCはBETのTigga、イグドーラやスティーブン・ハンターらチームメートたちも参加。DJはうまいやら食べ物もお酒もウマイやら、で、私もすっかり楽しく酔っ払ってしまい、ゲイリーに向かって「美しく撮ってよね、美しく!!」と叫んだアレン王子との写真も、なんとも酔っ払い顔(とほほ)。

そんな<酔っ払いナイト>を過ごした翌日である今日、私は夕方になってもまだヘロヘロに疲れてたんだけど、シクサーズのロッカーへ入っていったら、アレンちゃんはすっきりした顔で座ってた。彼も昨日はゴクゴク、シャンパン飲んでたのに、やっぱアスリートって、元気なのね…昨夜はバタバタしてて渡せず、今日持ってくると約束したゲイリー写真&我がアレン記事の載っている雑誌を渡し、先日行った日本の話などを少し。
「2度目だけど、今回はまた良かったぜ、ジャペン」
って、言ってたよ。

昨夜の会見時に流れたビデオでは、さまざまなハイライトシーンもあったんだけど、<Controversy>というセクションがあって、アレンが通ってきたさまざまな騒動をも振り返った。

オールスターでMVPを獲得した年。「俺たちのリトル・マンに、やらせてやろうじゃないか」といってアレンをファースト・オプションに据えたラリーさんに感激し、受賞スピーチで真っ先に「俺のコーチ、俺のコーチは、どこ!?」と叫んだアレンも、結局最後までブラウンとは小競り合いを繰り返した。最後の方ではもう、「アレンとラリーは彼氏と彼女のようなもんだ」とメディアに評され、恒例行事みたいになっていたっけ…。ラリー・ブラウンと何度目かにもめたときの、今でも覚えてる彼のセリフ

「俺たちは、ファッ●ン・プラクティスなんかのことで、こんな大騒動になるくらいモメてるんだ。どうせモメるなら、もっと違う、デカいトピックでモメようぜ!?」。

そして、結局アレンのトレードを実行せず、「私はね、もうあのアスホールどもをコーチするのはやんなったんだ」と言ってラリーさん自身がシクサーズを去っていったときも、アレンは一言も、反論もしなかった。この夏、クリス・ウェバーが「アレンとは一緒にプレーできない」と漏らしたとして話題になったときも、一言も、何も、言わなかった。

思えば、アレンがメディアに向って身内の悪口などを言ったことって、1度もないんだよ。

奥さんとケンカして、彼女を素っ裸で外に追い出し、しかもその後、ガンを持って探し回ったということで、これまた大騒動になったとき。このときも私は、アフリカン・アメリカンの友人たちとともに、さんざんあきれたものだった。

「これって、俺たちの仲間にはよくある、ちょっとドラマティックなタイプの男が、ドラマティックな夫婦ゲンカをしただけじゃ、ねえのか!? こんなに騒がなきゃいけないことなのか?」って。

ラップ騒動のときもそうだけど、だいたい中心になって騒ぎ立てているのは、アレンが育ったようなコミュニティーの事情、彼らのカルチャーなどを全く知らないやからたちなのだ。

「10年を振り返って…俺はいつだって<Misunderstood(誤解)>されてきた。誤解する人々は、俺の外見で判断する。俺から何を聞いたか、俺が何を言ったか、どのように振る舞っているか、ではなく。俺は、良い父親、良い夫、良い友人、良いいとこ、良いブラザー、だよ」。

まさしく、その通りなんだと、私も思う。少なくとも、昨夜のようにクラブでChillしている、プライベートのアレンちゃんを見ていると、本当に、そう、思う。非常に面倒見の良い、ビッグ・ブラザーなんだ。

そして今は、ただ単に<ビッグ・ブラザー>ではなく、<王>の風格を備えてしまった。さまざまな騒動を乗り越えてキャリア10年、30歳。もうすっかり余裕を身につけ、私などの一記者に至るまで、コドモをいたわるような笑顔を見せるようになったアレン・アイバーソン。もう、<フレッシュ・プリンス>とは呼べないな…アレンと話したくて、ただ彼の周りにいたくて集まってくるさまざまな人々を、威厳と優しさとを持って受け入れてやっている昨夜のアレンちゃんを見て、心の中でつぶやいた私だった。

もうそろそろ、この<王>の指を飾るチャンピオン・リングが捧げられても、いいころだろう。彼はそれにふさわしい…。

「リーグに入った最初のころ、確かに俺は、他人に対しての正しい振る舞い方、本当に余裕のある、素晴らしい人格者がどのように人々に接するかということを知らなかったと思う。I’m from ghetto。ゲットーでは、誰もそんなこと、教えちゃくれなかった。そんなことより、<生きていくこと>に精一杯だった。今の俺は、バスケットボール・プレーヤーである前に素晴らしい人間であれるよう、日々ベターな人間になれるよう、努力している。夜、家に帰って鏡の中の己を見つめたとき、目をそらさずにすむように---」。

October 19, 2005 02:55 PM

トラックバック

このリストは、次のエントリーを参照しています: Fresh Prince Of NBA 完結編<王子>から<王>へ:

» MJギャンブリングを認める   選手の話し方? from 自称NBAファン日記
神とあがめる我がMJがCBSの60 minutesという番組でギャンブルをしたことを告白しました。 記事はこちらから ジ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年10月22日 15:38


コメント

 なんでしょう、最後のセリフのカッコ良さは・・・!

 今シーズン、アレンを見る目がリスペクトモードになりそうです。
こんなセリフを目の前で聞けるカオルさんは羨ましすぎです。
今度、アレンと撮った写真アップしといてください。

 NBAがヒップホップファッションを規制していく発表をしましたね。なんでNBAが人気があるのか理解してるんでしょうか?でもアレンならきっとやってくれることでしょう。
 
 カオルさん、ほんと楽しみにしてます、ガンバッテネ。

投稿者 lean on me : 2005年10月19日 19:38

カオルさんこんちわ。
NBAの服装規制ですが、ショーン・マリオンと同じくオレは肯定派です。
会場入りや記者会見での服装規制ですので、そんなに影響は無いかと。
NBAもビジネスとしてやっている以上、コート上ではユニフォーム、
コート外ではスーツ、でなんら問題は無いと思います。
プライベートでのファッションには何も規制しないんでしょ?
日本の金融機関のように「シャツは色つきはダメ」とかアホみたいなドレスコードだったら問題あるけどね。笑

投稿者 DJぶぅ : 2005年10月20日 09:48

みなさーん!!長らくのご無沙汰、ごめんなさいでした。トロい私は、なかなか忙しい日々を分刻みにオーガナイズするのが苦手で・・・1つ1つ片付けていかないと、すぐパニくってしまうアホーなので(泣)、どうぞご理解ください。
さて、みなさんからのコメント。いつもほんとに嬉しく、または興味深く、読ませてもらってます、ありがとう。その中で、kizashiさんのご質問にお答えしますね。Jay-Zは、ネッツの共同オーナーなんですよ。ここ数年以内にネッツがNJからブルックリンに移るプランは、彼の意向もあって形作られたと聞いてます(ブルックリンはJayのホームタウンです)。昨年はJay-Zがネッツのプレイオフ用応援ラップを作ったりもしたし、このようにヒップホップとNBAのリンクって、今や甚大なものなんです・・・と思ってたら、リーグが<ドレスコード>を出しましたね!私個人としては、あまり賛成できませんが・・・ドレスコードの内容いかんというより、そもそも、<民主主義>と自由を謳うアメリカのプロスポーツが、こういう日本の校則みたいなものを作ること自体に、賛同できない気がしてます。アレン・アイバーソンのコメント:「ある人間にタキシードを着せただけで、彼を素晴らしい人間にすることはできないぜ」。アイバーソンの言うこと全てをめくら滅法に支持するわけではもちろんないですが、これに関しては、その通りじゃあないのかなあ・・・みなさんの意見はどうですか?

投稿者 kaoru : 2005年10月21日 16:13

かおるさん、初めまして。
本当に聞いた選手の話をありのまま、臨場感たっぷりで伝えて貰えるのでいつも興奮しながら読ませてもらっています!
 
あたしは語学勉強のためにアメリカに来ていて、アイバーソン見たさにクリーブランドからフィラデルフィアに引っ越してきたバカな子です(笑)もちろんレブロンも見れて大満足でした☆

2000-2001シーズンのシクサーズを見てNBAにはまり、かおるさんのように英語がペラペラになって将来NBA選手にインタビューするのが夢なんですが…それまでにアイバーソンは引退しちゃいそうですね(涙)

ドレス・コードについてですが、あたしもそのニュースを聞いた時はまた無くても良い様な規則を作ったなぁと思いました。
服装の好みは人それぞれだし、アイバーソンの言うとおり、服装如何で人格が決まるわけじゃないのに。スーツを着てたら悪言吐いても許されるとでも言うんでしょうか。何も変わらないですよね。

NBAはバスケのプレーはもちろん、選手の人格やファッションなどを込みでファンが夢中になるものだと思います。選手に憧れてHIPHOPファッションのマネをする若者がどれ程いるでしょうか。だからこの規則については少し残念に思いました。

ところでいよいよ後10日程でシーズン開幕ですね!!開幕戦のチケットはバッチリゲットしました☆あたしも本当に、今年こそアイバーソンがチャンピオン・リングを手にする事を切に願ってます!!

これからもかおるさんのブログ、楽しみに読ませていただきます☆

投稿者 funkastic : 2005年10月22日 13:54

いつも楽しく読ませてもらってます。
最後のアイバーソンの言葉が凄く気に入ったので、もしよろしければ原文を載せていただけませんか?
実際にどんな言葉を用いたのか気になりまして・・・

『今の俺は、バスケットボール・プレーヤーである前に素晴らしい人間であれるよう、日々ベターな人間になれるよう、努力している。夜、家に帰って鏡の中の己を見つめたとき、目をそらさずにすむように---』   
            
この部分が知りたいです。

投稿者 NBAふぁん : 2005年10月22日 18:34

ドレスコードは反対ですよぉ、今となってはNBAはヒップポップと切っても切れない関係になってると思うし。しかも選手の服装に規制をつけたら薫さんたちが行っている毎年恒例の<ファッションチェック>がなくなってしまう可能性がある。メリットよりデメリットのほうが多いよ・・・絶対。特にアレンなんかには寝込んじゃうほどの規制かもしれない、30歳になっても常に少年のような格好をして表舞台に出てくるんだしネェ。あの姿が見られなくなるのは一ファンとして残念です!!!

投稿者 ちび : 2005年10月24日 02:08

侃々諤々(かんかんがくがく)
喧々囂々(けんけんごうごう)

無粋ですんません

投稿者 通りすがり : 2005年10月30日 12:54