2005年09月28日
Fresh Prince Of NBA Vol.6
アレン王子の来日は、そこまで大規模に宣伝されなかったようだね。「知らなかったよー(泣)」というコメントなどもいただき…残念な思いをしたファンの方々もいたようだ。私も、チェックしたかったけれど忙しくて帰れず、同じく残念だったよ。特に、Tatou Tokyoでセレブレイト・イベントがあったとのこと。あそこのメーンシェフはフレンチの素晴らしい方でしょ。「料理の鉄人(アメリカでも大人気! の番組。私も時々、こっちで見てる。ちなみに英語タイトルは、<アイアン・シェフ>っていうんだよ(笑))」にも出てた…と、お前が残念なのはアレンちゃんじゃなくて食いモンかい!! とファンの方々に怒られないうちに、本題にまいりましょうか。日本での感想など、後日チャンスがあるときに、アレンに聞いておくね。
さて、いよいよ本格的にラリーさんを怒らせ、クリッパーズにトレードか!? という危機を迎えたアレン。彼はこの事実を、まずはクローチから電話で聞いた。「俺をトレードしたいのかよ、Cat Daddy!? Yo,聞いてくれ。俺をトレードするなら、グラント・ヒルとにしてくれ。そこら辺の、クリッパーズのくずボーラーとトレードすんのは、やめてくれよ! チームバスを待たせたからって、朝メシにまたタコスを食ったからって、ウエートトレーニングの間にトイレにこもってたからって、練習に片っぽだけシューズを履いて出てきたからってよう、トレードしないでくれ…そんなBull Shitな理由で、俺をトレードしないでくれったら!! だってそんなことなら、いつでも直せるんだ、俺は。Yo,聞いてるかい!?」
アレンの<主張><嘆願>、もしくは<言い訳>は、まだまだ続く。
「俺は25歳だぜ、man。こないだ25に、なったばっかりだ。25ってことは、俺はもう、完ぺきに大人だ、ってことだ。もうすぐ結婚もするんだぜ、man、聞いてんのかい? フィリーに、もっとデカい家も買う予定なんだ。そしてマイボーイ、俺の息子デュース、ヤツに俺のことを誇りに思ってもらいたい、てめえのオヤジは、言われたことをきちんと遂行していく男だと、そんな風にプロフェッショナルな男だ、ってことを、このチームのキャプテンだ、ってことを。俺が育ってきたところ、その辺のヤツらで、25歳で、たくさんのことを成し遂げてきたヤツはそう多くはいない。でも、俺は、成し遂げてきたろう、いろんな、ことをよぉ。でも、それを祝うバカ騒ぎパーティーすらも、やらなかったんだぜ!? 何でだ、っていったら、俺はリングが欲しい、コーチにシャンパンをかけてえからだ。そんで、もしかしたらあんたも、俺のことを<Thug>(ワル、不良)なろくでなしだと、思ってるんだろ、でも俺は、違うんだ。だからよぉ、俺をトレードするんなら、<バスケットボール>の理由で、にしてくれよ。ああ、俺をトレードしたっていい、それでチームが、その見返りにすげえスーパースターをゲットする、っていうんならな。でも、俺がドゥーラグを巻いてるからって、トレードすんのは、なしだぜ、ねえ…コーチに、それを、言ってくれ。ねえ、言ってくれよ、プリーズ…」。
アレンのスピーチの才能は、持って生まれたものかもしれなかった。とうとうと語り、最後には哀願口調になっていくアレンの説得力に、クローチもほだされそうになる。
「ヘイ、それじゃあBubba,何しろそれを、実行しろ。今言った事柄を、まさに、<実行>してみせろ。キミがやらなきゃいけないことは、何しろそれだけだぞ。そしたら、トレードには出さない。今、口にしたことを、実現することだ」。
それからさらに長時間、アレンはクローチに訴え続け-そして電話を切るときに、再び同じフレーズを叫んだ。「コーチのとこへ行って、今俺が言った事を伝えてくれ、プリーズ!」
クローチはその後、当時GMであったビリー・キングに電話をし、自分は良い感触でアレンと話をしたと、伝えた。しかし、彼らはそう簡単には、ほだされるわけにいかなかった。
アレンは随分前にも同じ約束を、<守られなかった>約束を、しているのである。トレーニングキャンプに、彼のベスト体重を15ポンド(約7キロ)も割って現れたこともあった。そしてこの年は、ひざ、ひじ、肩、ヒップと、全身のありとあらゆるところを故障した。ラリーからすればこれは、「ごらん、だから、言ったろう、ウエートや食生活の大事さを!」ということなのだったが、それでもキャリアハイの54得点をしてみせたり、毎晩40得点を重ね続けたりするアレンにすれば、未だその<必要性>が心底からは、理解できずにいたのだった。
何度も練習に遅れてくるアレンをかばい、「コーチ、俺たちが何とかするから。俺たちが、ヤツを連れてくるよ。だから、俺たちに任せてくれ」と提案したスノウとマッキー。しかし、アレンだけはみんなの前では怒らないなど、既に彼に対してスペシャルな方法を用いているラリーにとって、これ以上アレンを<特別扱い>することは正しくないと思えた。でも、そうでもしない限り、彼を生かしてやることはできないのか? 悩んだラリーがふと口にしたのが、「ふん…なにしろあのガキは、ちょっと特別な育ち方をしたからね」。
それを聞いたマッキーは、こう答えたという。「コーチ、ロッカールームの12人全員、同じことを感じてるんです」。
ゲットー育ちの多いNBAプレーヤーの中でも、「彼のバックグラウンドは並外れてハードだ」という感想を抱かれていたアレン。そんな境遇の者に特有な<ハイ・プライド>と<なかなか他人を信用しない><被害妄想>、この3つの要素が目立っていた。みんなの前で注意を受けることを<恥>とするだけでなく、プレータイムがもらえないことも、彼にとっては<恥>であった。たとえそれが、彼が故障しているからというラリーの配慮で、いつもの48分間が40分間になっただけでも、アレンは文句を言い続けた。「今日はベンチに座らされる、ってことが分かってたら、ゲームに来なかったのに!!」。
また、仲のいいチームメートが次々とトレードに出されると言っては、怒った。ホームボーイズたちが遠ざけられようとしているのと同じように、自分の仲良しばかりがどんどん放出されると、勝手に思い込んでいたのである。ラリーはそのたびに「彼らが放出されるのは、<キミと仲がいい>からではない」と、繰り返し説かなければならなかった。
そんなアレンが、ここへ来て、<狼少年の何度目かの約束>を信じてもらいたがっている-Yes,I will or No、I will give up? 今一度許すのか、それとも見限るのか。ラリー・ブラウンの<忍耐力><包容力>も、試されていたのだった。
September 28, 2005 10:49 AM
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コメント
毎回拝見させていただきます。ラリー・ブラウンも苦労してたのは雑誌でみたのですが。ここまで苦労していたとは・・・。あの個人的なのですがAndre Iguodalaが最近凄くすきなのですが薫さんIguodalaのお話を書いていただけたらうれしいです。次回も楽しみにまっています。頑張ってくださいね。
投稿者 Andre : 2005年09月28日 11:21

