2005年07月20日
NBA夏模様:親分のゆくえ
夏は、NBAプレーヤーたちのオフシーズン。ホームタウンに帰って家族とのんびりしたり、友達や恋人と旅行に出かけたり、チャリティーイベントを開いたり。もちろん、仲のいいプレーヤー同士でつるんでいることもあるし、ストリートボール・シーンにふらっと現れて、飛び入り参加でプレーしたりもする。
ここNYでは、現在までのところ、JR・スミス、バロン・デービス、ギルバート・アリーナスらが、ハーレムのラッカーパークでプレーした。また、ドラフトの当日は、28丁目のウエストサイドに新しくできた話題のクラブ「Quo」で、カーメロ・めろちゃん(アンソニー)ホストのアフター・ドラフト・パーティーも行われた(めろちゃんはパーティー好きだから~)。ちなみに、このめろちゃんとビンス(カーター)はとても仲良しのようだけど、2人のどこが気が合うのか、いまだ謎。まあビンちゃんの場合は、ネッツに入りたてのころも、同い年のビュー(ロドニー・ビュフォード)やジャバリ(スミス)兄貴に面倒を見られて!? いたばかりか、年下のRJ(リチャード・ジェファーソン)にすらも「ビンスさん、こういうときはですね、こんな風に、こうするのが、ネッツ流なんですから」などと指示を受け、「ハイ…」とおとなしくうなずいていたくらいであるから、思い切り年下のめろちゃんにも、実はガンガン仕切られているのかもしれない。
NBAプレーヤーはもちろんみんな、才能の塊で頑張り屋なんだけれど、そこはやっぱり人間、われわれの会社や学校のクラスルームのように、さまざまなキャラや位置関係、力関係!?などが存在している。
私の知る限りで言えば、例えば、
サム・キャセール兄貴はもう、ガキ大将。
絶対に口を閉じてくれないし、有無を言わさぬ押しの強さで、チームメートはみんな、ただうなずいて従っているしかない。
前回書いたポン吉(ステフォン・マーブリー)はわがまま、甘えん坊を武器に、周りが「ハイハイ、しょーがないね、ポンちゃんだから」、っちゅうような感じで、つい言うことを聞いて<あげて>しまうタイプと言えよう。
(アレン)アイバーソンは、このポンちゃんと似ているようでちょっと違い、実際に妹を面倒見てきたからか、なかなかの<お兄ちゃん>タイプ。どうやら私のことも年下と思っているのか(アジア人はこちらではとても若く見えるらしい)、質問に答えるときも子供を扱う!? かのように、できるだけ簡単な言い回しで、「これこれ、こうなんだよ。わかったかい?」という目をされることが多い。トホホ…。自分の周りのプレーヤーも王様ならぬ王子様が率いていく、といった感じで、これを女房役の(アーロン)マッキーらが、温かく見守りサポートしていくといった風情。
かと思えば、前出のビンちゃんはもう、繊細でおとなしいので圧倒的にいじめられっ子、からかわれっ子の役回り。そういえば、つい先頃行われたアレン・ザ・プリンスの毎年恒例ソフトボール大会でも、王子に後ろから冷たい水を首筋にかけられ、悲鳴をあげていたそうである。
そんな中、もちろん<親分肌>なプレーヤーもたくさんいる。シャッQダディ(シャキール・オニール)はいまや重鎮扱い。LA時代はチームメート全員にロレックスの時計をプレゼントしていたこともあったし、貫録のゴッド・ファザー。
そして、知る人ぞ知る、生粋の<親分さんで賞>は、今でも我がNYのお気に入りプレーヤー、ラトレル・スプリーウェル親分だ。

スプリー親分といえば、「あ~ぁ、あの、コーチの首絞めた人ね」という悪名高い事件で皆に知られているお方なのであるが、行く先々で子分を作って従わせてしまうことでも有名なのである。もちろん、ただ命令を下すだけでなく、面倒見も良いから舎弟が従ってくるわけで、生まれながらの<親分気質>なのだろう。
ウォリアーズで最初に作った子分、クリス・ウェバーは、今でもスプリー親分の最大の舎弟で、決して逆らえない。ニックスに拾われてからも、スプリはこの子分をNYに呼ぶことに躍起になっていたわけだが、ついぞそれはかなわなかった。しかし、今回、ミネソタ追放がほぼ確実なスプリ親分、フィリーに減給で買われていく!? なんてうわさも飛んでいて、そうなったら念願の第1子分とのプレーなわけだし、アレン・ザ・プリンスを従えられるのかどうか、ということも興味深く、フィラってなんと面白いチーム、私も思わず移住してしまいそうである。
ニックス時代は、(マーカス)キャンビーが可愛い舎弟であった。21丁目に<Justin’s>というパフ・ダディ経営のレストランがあるが、ここにキャンビー舎弟を伴ってよく出没し、いつも豪快にチキンにかぶりついていた。
ミネソタではどうやら、KG(ケビン・ガーネット)はピュアな子分にはならなかったようだが、ここでは(マーク)マドセンが子分に加わったようである。
スプリ親分は、ああ見えてもなかなか頭の回転が速く、緻密。この2人はチェス仲間でもあるらしいが、マドセンはまだ1回もスプリ親分に勝ったことがないらしい(怖くて勝たないようにしているのかも、しれないが)。
スプリ親分の輝かしい活動!? はたくさんあって、
「カーリシモ首絞め事件」に始まり、高校時代の彼女に訴えられたり、おまわりさんにハイウエーで捕まったり、ニックスのGMに「おりゃ~、このやろ、見たか、バーカ!!」って感じでほえたりもしたし(このときは、ゲイだと言われているカルバン・クラインに相当気に入られ、口説かれた模様)、女性ファンに性的侮蔑な言葉を浴びせたとか、そして最近では、「俺さまはね、家族を食わさなきゃならんのだからね」発言をして、まぁ~ミネソタの皆さんの口があんぐり
、となったわけであるが、それでも、親分はニューヨーカーのお気に入り。もちろん、99年のプレーオフは強い印象となって残っているし、ワイルドでタフで、ダイ・ハード・ディフェンダーな親分は、NYが大好きな条件を揃えているのだから。
スプリ親分がニックスにいたころは、彼の写真がバスの横腹にどかん! と貼られ、街を疾走していたものだった。自分を信じ、自分を表すことを恐れない、決してひるまずクールなハードボイルド、<男1匹>なスプリ親分はある意味、
NYの野郎どもがあこがれる<理想の男像>でもあったのだ。
「俺はね、<他人>が何を言ったって、気にしないよ」。
と言う親分だが、実はメディア受けだって、良い。
意外にもとても紳士的なしゃべり方をする人で、私が初めて質問したとき「バスケのことではなくオフコートの質問なんだけど」と切り出すと、「お、それなら、練習に来てくれない? そしたら、ゆっくり答えられるからね。NYに住んでいるの? だったら、次の練習はあさってだから、ね」と断るにしても非常に丁寧だった彼に、好印象を抱いたものだ。
「私も、子分になっても、いいかも!」
と思ったくらい、優しく頼れる感じであった。
そして親分の意外な点その2は、タトゥーが1つもないこと。あれだけのコワモテで、リーグ最初のコーンロウ・プレーヤーで、バッドボーイ風なのに? 「あんな、痛いものは、やだよ」と親分。
コンピュータと車が大好きなスプリ親分、今度はどの土地で、だれを子分にするのかなぁ…NY好きなクリスを引き連れて、今ごろ、NYをうろついていたりして。いつでも、戻っておいでよ~。
※写真はニックス時代のスプリーウェル(AP=共同)
July 20, 2005 12:05 PM
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コメント
はじめまして。こんばんは。
スプリー親分のお話、とても楽しく読ませて頂きました!
実は、ここ2~3年、NBAから遠ざかっていたのですが、引越しの際の荷物整理で、2000年のイースタン・カンファレンス セミファイナル ニックスVSヒートの第6戦、第7戦とファイナル VSペイサーズ戦のビデオなどが出てきまして、連日繰り返して見ているところなんです。。。とにかく、スプリーの動きが心地よくて好きでたまらない!いいプレーヤーだな、、、としみじみ思いながら、最近のスプリーはどうしているんだろう?と思い探してみたら、こちらに行き着きました。
コートの外の彼が親分肌だとは知りませんでしたが、ゲームを見ていても、彼は頭の回転が速くて、実は思慮深い人なのでは?と思っていたところもあったので、納得、という感じです。
ウェバーも好きなプレイヤーなので、2人並んで走っているところ、見てみたいですね、、、(笑)
それでは、これからも楽しみにしています!
投稿者 すみれ : 2005年07月21日 00:40
Kaoruさん
おひさしぶりです。コラム楽しく読ませてもらいました。サミーキャセルは面白いキャラですよね。ツインシティズに住んでいた時はインタビューでいろいろ笑わせてもらいました(短時間でファウルトラブルに陥ってしまった試合の後で「そりゃ、俺のディフェンスはインチキ-hack-だってわかってるけど、10分で3ファウル?Damn!」だって(爆)。スプリーがふぃリー行きの噂があるとは知りませんでした。ゴールデンステイトで彼とCWebb、ティミーハーダウェイが一緒にプレーしていた頃は好きだったなぁ。Intensityが目に見えるプレーヤーはかっこいいですもんね(だから僕はKGのファンなのさ)。ウルヴズ時代にインタビューを聞いてえらくおっとりとした落ち着いた話し方をするので確かにイメージと違ったのを覚えています。コート上と外でのギャップがあるのかな。
NY、そして「親分」といえば!Kaoruさん念願のLB「ザ・ギャングスタ」コーチがニックスに誘われているそうじゃないですか!ポン吉スターブリーにもようやく運がめぐってきたかな?まだまだロスターは問題だらけだけど、これで少しはニックスもニューヨーカーの話題に上るようにはなるんではないですかね。
投稿者 Tac : 2005年07月21日 23:42
kaoruさん、はじめまして!
僕はNBAファン歴5年くらいでネットやBSを見て楽しんでいます。ブログ全部読ませてもらいました^^ とても様々な選手を取り上げていたり、記者しか得れないような情報も知ることができ楽しんで読みました。僕が一番好きな選手はカーメロ・アンソニーで、今回少しメロの話題がでてきて嬉しいです。これからもいろんな情報をお願いします^^ お仕事頑張ってください。
投稿者 moto : 2005年07月22日 16:23
Kaoruさん。始めまして。
いつも楽しくこのブログ読ませていただいてます。
アレンちゃん大好き人間の私でも、コーチ・ブラウンの話は始めて聞く(読む?)話で、すっごく意外で感動しました。そーいう人だったなんて・・・ただのインテリだと。良いお話をありがとうございました。
で、今回のスプリーなんですが、気になる一文が。「NBAで最初にコーン・ローにした選手」と。私はアレンちゃんだと思うんですけど。初めて(か、2度目)オールスターに選ばれた時に、あの髪型で驚かされた覚えが。その頃はスプリーの事チェックしていなかったから微妙な差なんですかねー?些細な事なんですけどアレンちゃんとも親しそうなKaoruさんのコメントなんでちょっとひっかかってしまいました。アレンちゃんも自分が最初って思い込んでるみたいだし。
それはともかく、毎週楽しみにしていますのでこれからも斬新な切り口の話題、よろしくお願いします!
投稿者 アレンちゃんマニア : 2005年07月22日 21:21
薫さん。こんにちは。
久しぶりに投稿します。
シーズンも終了して、ブログのネタはどうなるの?
と勝手に心配していましたが、ますますパワーアップしてますね。
毎回面白いネタで唸っています。
次回も楽しみにしてます。
投稿者 タイガー : 2005年07月25日 20:58

