セルジオ越後 ちゃんとサッカーしなさい

プロフィル

 1945年(昭和20年)7月28日、ブラジル・サンパウロ市生まれ、日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍し、ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多く、各地の講演活動も好評。

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2006年06月19日

闘争心足りない!技術だけじゃ勝てないんだ

<1次リーグ:日本0-0クロアチア>◇18日◇F組◇ニュルンベルク

 引き分けてブラジル戦に首の皮一枚つながったが、負けた気分だな。

 勝つチャンスがあっただけに、勝ちきることができなかったのが残念でならない。負けなくて良かったんじゃないよ。勝ち点1を取って良かったと思っていてはダメだ。ミスにも助けられて守りきることはできたが、日本サッカー界の弱点である最後の決定力のなさが大事な試合で出てしまったのは、自業自得なのかも知れない。

 予想通りの総力戦、消耗戦になったが、日本の選手が全員、ベストコンディションというわけではなかった。勝負にいく時にシュートを打たないトップ下はいらないだろう。勝ち点3を取りにいく意識がなかったといわれても仕方ないだろう。90分間持った、といっても勝たなくてはいけない試合を勝てなかったんだからな。もっと積極的に勝負して欲しかった。ゴールを奪わなきゃ勝てない、勝ち点3が取れないことを表に出して欲しかった。

 ジーコ監督も早めに選手交代をしていたが、これまで通りの交代の順番だった。スピードも必要だろうが、巻の高さも必要だったんじゃないだろうか。ミドルシュートを打つのはいいが、相手の守りを崩すことも考えて、メリハリつけた攻めをしなければいけなかった。単純にミドルを打つ、速攻だけに頼る、というパターンだけでは世界じゃ通用しない。

 全選手が闘争心をむき出しにして、足がつろうが、倒れようが、限界を超える動きをしただろうか? 技術だけでは勝てないんだ。技術を超える力を持たない限り、ブラジルに勝つことはできないよ。実力はブラジルが上だということは世界中が知っている。限界を飛び越える力を出さない限り、勝てないし、次に進めない。

 戦う意志の強い選手、コンディションの良い選手を選んでブラジル戦には臨んで欲しい。実力ははるかに上だが、サッカーに「絶対」はない。何が起きるか分からないのがサッカーでもある。無理を承知で、勝負しなければ日本サッカーの明日はない。(日刊スポーツ評論家)

June 19, 2006 11:34 AM