セルジオ越後 ちゃんとサッカーしなさい

プロフィル

 1945年(昭和20年)7月28日、ブラジル・サンパウロ市生まれ、日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍し、ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多く、各地の講演活動も好評。

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2005年06月04日

「勝ちたい!!」選手の思いが得点生み失点防いだ

<W杯アジア最終予選:日本1−0バーレーン>

 これで、ほぼ決まり。ドイツが見えてきた。難しいアウエーの試合を乗り越えた。ホームで勝っているバーレーン戦は、チャンスがあればゴールを狙う。ただし、絶対に先にゴールを奪われてはいけないという試合だった。ジーコ監督と選手たちは、求められる結果をしっかりと出した。

 小笠原のゴールは見事だった。この試合で、初めて2列目からの攻撃参加が実った場面だった。それまでは、2列目からの攻撃参加ができずに、1トップの良さが消えていた。柳沢に中村、小笠原が交互に絡んでも、シュートを忘れていた感じだった。小笠原の思い切ったシュートがあったから、中田英、中村のパス回しがゴールになった。

 試合運びそのものは、立ち上がりから落ち着いていた。焦って攻めることもなく、相手の出方を十分に見ていた。復帰した中沢が攻撃の目を摘む場面も多く、バーレーンに決定的なチャンスを与えなかった。守りに人数を割き、数的優位を保ちながら、安全第一の守備を貫いていたのが失点を防ぐことにつながった。前半終了間際にはヒヤッとした場面もあったが、ポストが味方してくれた。まだまだツキは日本にあった。

 アウエーでは、勝ち点を取ることが大事だ。1点リードで折り返すことができたのは幸いだった。「勝ちたい」という選手の強い思いがゴールになり、失点を防ぐことにつながったのだろう。暑い中、局面では危険な時間帯もあったが、体を張ったプレーが次の良いプレーにつながっていた。中田英が大声で指示を出し続けていたのも、チームのまとまりを示していた。
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 ただし、課題もある。1対1の場面で、日本の選手が勝つことができなかったのは残念だ。もちろん、まだW杯出場が決まったわけではない。北朝鮮戦、イラン戦が控える。2枚目の警告を受けて試合に出られない選手や、ケガ人もいる。まだまだ、気を抜くことは許されない。「決勝戦」とも言える大事な試合で、日本はドイツに向けて大きく前進した。ただ、喜んで、安心しているだけではダメだ。 (日刊スポーツ評論家)

June 4, 2005 12:04 PM