セルジオ越後 ちゃんとサッカーしなさい

プロフィル

 1945年(昭和20年)7月28日、ブラジル・サンパウロ市生まれ、日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍し、ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多く、各地の講演活動も好評。

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2005年06月28日

攻のブラジル守のアルゼンチン

<コンフェデレーションズ杯:アルゼンチン1-1(PK6-5)メキシコ>

 互いに退場者を出す激しさもあったし、120分間、相手の良さを消しながらも、ゴールへの意識も高く、レベルの高い緊迫した戦いだった。PK戦は時の運みたいなものもあるし、アルゼンチンにとっては結果オーライだっただろう。メキシコもそうだが、両チームともに守りの強さが基本にあったのが緊張感漂った試合になった。

 ブラジルとアルゼンチンの決勝戦は下馬評通りの順当な組み合わせになったが、ニュートラルな場所でやるのが面白い。伝統の一戦は互いに、ホームでやるようなイケイケにはならないだろう。この大会のブラジルは守りが良くないがアルゼンチンは堅実な守備をしている。ブラジルの攻撃に対し、充実した守りのアルゼンチンといった図式になりそうだ。

 チーム状態はアルゼンチンの方が良さそうだが、ブラジルにとっては、直近のW杯南米予選でアルゼンチンに負けているだけに2連敗しては、さまざまな点でうるさくなる。その意味ではモチベーションは高いだろう。アルゼンチンはサビオラが出られないのが痛いが、途中出場したアイマールの動きは良かった。ピッチに出ている選手だけではなく、交代選手をどう使うかがカギになりそうだ。(日刊スポーツ評論家)

June 28, 2005 11:38 AM

2005年06月24日

準決勝進出を逃したのは負け

<コンフェデレーションズ杯:日本2-2ブラジル>

 日本が「W杯前哨戦」で王国ブラジル相手に大健闘した。引き分けに、称賛と驚きの声が起こる中、日刊スポーツ評論家のセルジオ越後氏(59)は「準決勝進出を逃したのは負け」と評価した。01年大会では、優勝したフランスが翌年のW杯で惨敗、屈辱の4位に終わったブラジルはW杯で優勝を果たした。プレ大会は、あくまでもプレ大会でしかない。1次リーグ突破を実現するため、越後氏はあえて厳しいゲキを飛ばした。

 なんとも中途半端な終わり方だ。これなら惨敗した方が今後のためになった。ブラジル相手に2-2。結果だけを見ると「よく頑張った」「惜しかった」「勝てた試合だった」という評価が出てくるだろうが、それが一番怖い。引き分けたのは事実だが、ノルマだった準決勝進出は逃した。厳しいことを言うようだが、1次リーグで敗退したことを忘れてはいけない。

 「引き分けで良かった」などと勘違いしてもらっては困る。「勝利しかない」日本と「引き分けでOK」のブラジル。日本にとって引き分けは負けだ。「このままでも十分戦える」などと錯覚してほしくはない。準決勝進出を逃した悔しさ持ち続けなければ駄目だ。

 選手たちは今の力では勝ち抜けないことを知ったはずだ。勝ち抜くために何が必要なのかを理解したはずだ。帰国しなければならないのは、何が不足していたからか? きちんとした分析、反省がなければ、このまま1歩も前に進まない。来年のW杯も「惜しかった」「よく頑張った」で終わってしまう気がする。

 ブラジル相手に2点取ったといっても、1度もリードは奪えなかった。ブラジルは引き分けで良かったのだから、楽な展開だっただろう。終了間際の同点も、痛くもかゆくもなかったに違いない。脅かすのならもっと早い段階で勝負していかなければ勝てないよ。

 ブラジルがゴールを狙う時は、常に正確なパスと速さで日本の守りを崩していた。いつでも得点できるという余裕さえあった。日本はとどめを刺されなかったために同点にできたが、力の差は大きい。逆に、中村の美しいシュートも100回やって1回入るぐらいのもの。結局、大会前と何が変わった? 先発テストされなかった大黒は、これからもサブの切り札。この大会で何も変わってない。

 W杯に出場するだけでいいなら仕方ないが、もっと上を目指すのなら、ブラジルと引き分けたという中途半端な自信? ぐらいで満足してもらいたくない。日本の置かれた立場は、もはやW杯に出場を果たして満足していることではなく、世界のトップクラスと対等に戦い、結果を出す段階にきているはずだ。

 W杯では、今回勝てなかったブラジルやメキシコとも再び戦う可能性もある。ギリシャより強い欧州のチームとも戦わなければならない。勝てなかったチームにどうすれば勝てるようになるのか? 答えがなければ、来年も3試合だけで帰ってこなければならない。

 W杯への期待感はある。が、期待に応えてくれる保証はない。1年間で決定力不足が改善されるかどうかも疑問だ。これまでの3年間も同じ宿題を抱えながら結果を出せなかった。今後プラスアルファがあるとも思えない。まず、厳しい現状を認識すること。精神的な面を含め、1対1で負けないこと、パスの精度を上げることなど地道に、基本的なコンビネーションを築き上げるしかないだろう。(日刊スポーツ評論家)

June 24, 2005 11:58 AM

2005年06月23日

1対1に勝てなければ遠いゴール

<ワールドユース選手権:モロッコ1-0日本>

 日本は前半、いい展開をしていた。ポストに阻まれた惜しいシュートもあったが、惜しかったでは勝てないことも事実だ。相手DF陣を崩してチャンスをつくる形が少なかった。2度ともエリア外からのシュートだった。平山の高さを生かすだけでは、どうしても限界がある。競り勝ったとしても攻撃の人数が不足して、継続的な攻撃ができなかった。平山のヘッドだけでは世界に通じない。1次リーグで1勝もできないチームの限界だったのだろう。

 日本代表にもいえることだが、1対1で勝てなければ、世界で勝ち抜けないことを感じただろう。組織的に守ることはできるが、それでも毎試合、失点している。攻撃で1対1の場面になった時、勝てなければゴールが遠くなるのは当然だろう。ボールは回っていても、ゴールから遠い状況でのキープでは、いつになってもゴールはできない。

 20歳以下といっても、力のある選手は各国の代表やトップリーグで活躍している。彼らは「若いから」という甘えは許されない。日本は、海外で活躍する選手はいなかったし、Jリーグでレギュラーを獲得している選手も少なかった。日本の「若手」の現状は、世界的にみれば厳しいことを、この敗戦が教えてくれた。(日刊スポーツ評論家)

June 23, 2005 12:45 PM

2005年06月21日

1勝だけじゃW杯は難しい

<コンフェデレーションズ杯:日本1-0ギリシャ>

 後がない日本が勝って良かったが、それにしてもギリシャの出来はひどかった。欧州王者の面影は全くなかった。戦ってみれば、放り込むだけのサッカーで脅威はなく、勝って当たり前のチームだった。だからこそ、1-0で勝ったことで喜ぶより、何度もあったチャンスを生かせずに大勝できなかった悔しさを持って欲しいな。決定力不足は相変わらずだ。

 大黒が虎の子の1点を決めたが、どうして先発で起用しないのかな? ジーコ監督は、固定したメンバー以外では戦いたくないんだろうか? 

 メキシコは後半1トップで、中盤を厚くしてブラジルの焦りを誘い、カウンターから勝機を見いだした。日本も1対1で負けない強い意識を持ち、しっかり守って少ないチャンスを生かせば勝てる可能性はある。

 ブラジルに勝ってこそコンフェデ杯に出場した意義があるというものだ。準決勝に進出することが目標だったわけで、勝てば来年のW杯で戦うメドが立つことになり、1年間、自信を持って前に進むことができる。1勝しただけで帰ってくるようでは、W杯での活躍は難しくなる。(日刊スポーツ評論家)

June 21, 2005 11:59 AM

2005年06月18日

1年で追いつけない差

<コンフェデレーションズ杯:メキシコ2-1日本>

 アジアと世界の差を、大きな壁があることをあらためて感じたね。選手も監督も1年間では追い付けないような差であることを心の底から感じて欲しいものだ。アジアでは日本のつなぐサッカーが通用しているが、世界には通じなかった。メキシコはボールを細かくつないで、シュートチャンスを狙える位置まで何度も形をつくっていたが、日本は数少なかった。

 何回かパスをつなげることはできる。ただし、比較的プレッシャーを受けない場合だ。それでも、フィニッシュまで持ち込むケースは少なかった。柳沢の得点は逆襲から点で合わせたものだ。いい形だったが、90分間で1回だけだったのが、大きな「差」だ。よく得点できたし、2失点ですんだよ。最後はネコがネズミをいたぶるような感じだった。

 確かに中沢がいなかったのは大きかった。だが、1人いないだけで戦力ダウンとは層の薄さを露呈しているの過ぎない。情けない状況ということを関係者は理解しているのかな。

 日本はチャレンジしなければいけない立場だが、必死さが伝わってこない。アジアの中でやっと勝ったに過ぎないことを忘れないように。中田英が言ってたように、「現段階では、世界で勝ち抜けない実力」ということが事実であることを教えてくれた試合だった。(日刊スポーツ評論家)

June 18, 2005 12:04 PM

2005年06月09日

イラン戦にも勝ってドイツへ行け

<W杯アジア最終予選:日本2-0北朝鮮>

 北朝鮮に勝ってドイツ行きを決めたことは評価できる。2得点ともFWが入れたことは、これまでになかったことだが、これが当たり前なんだ。ゴールを決めるべきFWが得点することがチームのムードを高めるし、前向きに進める要因になるんだ。最終戦のイラン戦も、この勢いでしっかり勝って、アジアのチャンピオンという立場でドイツへ行って欲しい。

 前半は全くといっていいほど覇気がなかった。シュートを打つ意識が感じられなかった。後半、大黒を投入して最後はシュートで終わる気迫が伝わったのか、常にゴールを意識する前向きの動きになった。小笠原も動いて、ボールを動かし日本のリズムをうまくつくっていた。ただし、もっと楽に勝てる展開だった。

 勝って喜ぶのは決まった瞬間だけでいい。これからは世界とどう戦っていけるかを真剣に考えなくてはいけない。くどいようだが、決定力不足は何十年たっても改善されてこなかった。守りだけで、世界と対等に戦えるかは疑問だし、無理だろう。今後は真のストライカーを育てることが、日本サッカー界の大きな課題となる。もはや、W杯に参加するだけで喜ぶのではなく、アジアを引っ張り、世界と戦うことを意識するべき時だ。(日刊スポーツ評論家)

June 9, 2005 12:29 PM

2005年06月08日

これまで通り守りの意識を

 北朝鮮戦は勝ってドイツ行きを決めなくてはいけない試合だろう。引き分けでも、もちろんドイツ行きの切符は手に入るわけだが、予選全体を通じての日本の戦い方を総括する意味でも勝たなくては、今後、さまざまな影響が出てくるかもしれない。勝てる相手でもあり、主力が何人か出られないからこそ日本の選手層の厚さ、質が試され、ジーコ監督の采配も試される試合といえる。

 戦い方としては、アウエーのバーレーン戦同様に、張り詰めた気持ちを持って戦わなくては、足元をすくわれる恐れがある。「大丈夫だろう」が一番危ないんだ。焦って点を取りにいくことはない。これまで通りに、守りの意識を持って臨むことがもっとも必要だ。少ないチャンスにシュートで終わる展開を心がけることだ。ゲームをつくる小笠原が徹底的にマークされた場合、稲本や福西がどの程度やれるかどうか一抹の不安は確かにあるが、交代を含めて押し切ってもらいたい。

 無観客試合は、声援というフォローもないが、雑音もないわけで、選手はピッチに集中できるので、大した影響はないはずだ。緊張感を持ち集中して戦えば、良い結果が出るだろう。本当に集中すれば余計な雑音は聞こえないものだ。(日刊スポーツ評論家)

June 8, 2005 10:35 AM

2005年06月05日

「もう大丈夫」の安心感が怖い

 バーレーン戦は失点しない、先取点を奪うという教科書通りのアウエーでの戦い方を実践し、勝利をもぎ取ったことは評価できる。だが、相変わらず決定力不足だ。決めるチャンスが何回かあったが、決められなかったのは、「ゴールを決める!!」という強い気持ちが欠けているからだろう。決める時に決められないと後から悔やむことになる。

 次のバンコクでの北朝鮮戦に引き分け以上でドイツへの切符を手にすることになるが「もう大丈夫」という安心感が一番怖い。親善試合だったキリン杯で2連敗するとは誰も考えなかったはずだ。山での遭難は「もう大丈夫」と、緊張感が解ける時が最も多いという。サッカーでは何が起きるか分からない。「負けない」試合を心掛け、キックオフできれば、これまでのように少ないチャンスを生かして結果がついてくるはず。慢心ほど怖いものはない。

 中田英、中村、三都主が出場停止、小野、高原もけがで出られないが、代わりの選手も実力があり、大きな心配はないだろう。ただし、自分たちの思うような展開にならない場合、ゲームリーダーがいない点はやや不安だ。無観客試合という未知の体験も、謙虚に戦う姿勢があれば大丈夫だろう。(日刊スポーツ評論家)

June 5, 2005 10:28 AM

2005年06月04日

「勝ちたい!!」選手の思いが得点生み失点防いだ

<W杯アジア最終予選:日本1−0バーレーン>

 これで、ほぼ決まり。ドイツが見えてきた。難しいアウエーの試合を乗り越えた。ホームで勝っているバーレーン戦は、チャンスがあればゴールを狙う。ただし、絶対に先にゴールを奪われてはいけないという試合だった。ジーコ監督と選手たちは、求められる結果をしっかりと出した。

 小笠原のゴールは見事だった。この試合で、初めて2列目からの攻撃参加が実った場面だった。それまでは、2列目からの攻撃参加ができずに、1トップの良さが消えていた。柳沢に中村、小笠原が交互に絡んでも、シュートを忘れていた感じだった。小笠原の思い切ったシュートがあったから、中田英、中村のパス回しがゴールになった。

 試合運びそのものは、立ち上がりから落ち着いていた。焦って攻めることもなく、相手の出方を十分に見ていた。復帰した中沢が攻撃の目を摘む場面も多く、バーレーンに決定的なチャンスを与えなかった。守りに人数を割き、数的優位を保ちながら、安全第一の守備を貫いていたのが失点を防ぐことにつながった。前半終了間際にはヒヤッとした場面もあったが、ポストが味方してくれた。まだまだツキは日本にあった。

 アウエーでは、勝ち点を取ることが大事だ。1点リードで折り返すことができたのは幸いだった。「勝ちたい」という選手の強い思いがゴールになり、失点を防ぐことにつながったのだろう。暑い中、局面では危険な時間帯もあったが、体を張ったプレーが次の良いプレーにつながっていた。中田英が大声で指示を出し続けていたのも、チームのまとまりを示していた。
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 ただし、課題もある。1対1の場面で、日本の選手が勝つことができなかったのは残念だ。もちろん、まだW杯出場が決まったわけではない。北朝鮮戦、イラン戦が控える。2枚目の警告を受けて試合に出られない選手や、ケガ人もいる。まだまだ、気を抜くことは許されない。「決勝戦」とも言える大事な試合で、日本はドイツに向けて大きく前進した。ただ、喜んで、安心しているだけではダメだ。 (日刊スポーツ評論家)

June 4, 2005 12:04 PM

2005年06月03日

ぶっつけ布陣でも戦える まず先取点

 小野の戦線離脱は確かに痛いが、戦いにケガはつきもの。誰かが埋めなければいけないし、埋まらなかったら戦えないわけではない。負けた時の言い訳にはならないし、そうなってはいけない。ただし、小野の離脱で、精神的なものと攻撃面でのアイデア、押し込まれた時のボールキープでは苦しくなるのは事実だ。存在感のあるエース級が欠けることは大きいが、乗り越えてこそW杯が近くなる。

 日本は守備を重視した戦いに正直慣れていない。攻められて自然に守るという形には、これまでアジア杯でも対処してきた。結果も出している。しかし、引き分けを狙って、自ら守って逃げ切ることはキリン杯でもできなかった。それ以上に万が一、先取点を奪われた場合にどうするか? ゴール前を固めた相手を突き崩すのも苦手なわけで、勝つには先取点を奪うしかない。

 1トップで練習していても、最終的にどうなるかは分からないだろう。トップ下に入る中村が積極的にFW的な動きができるかどうか? エリア内に入ってシュートをどんどん放つような強気な姿勢がほしい。暑さの中、質の高い運動量を90分間続けるために、効果的な選手交代が重要になる。(日刊スポーツ評論家)

June 3, 2005 11:53 AM