2007年03月19日
リティの日本語は九州なまり?:佐藤千晶
2月の終わりから、ある疑惑を福岡のリトバルスキー監督に抱いていた。
監督、少しずつ九州なまりになっていませんか?
戦術など複雑な話は英語だが、それ以外の会話は日本語を使うリトバルスキー監督。来日して最初に所属したチームは千葉、その後仙台にも在籍したが、生活の拠点は夫人の出身地でもある横浜が中心だった。そのためか、監督は標準語で話す。ところが、宮崎キャンプ中から、たまに「彼は頑張ってる」などと話すときの語尾が「頑張っとる」とか「頑張っとう」と聞こえるようになったのだ。
毎回ではなく、大半は「頑張ってる」と発音する。しかし、ある日はっきりと「良くなっとう」と言ったので、疑惑をぶつけてみた。「監督、○○しとう、というのは九州の言葉ですよね? 覚えようとしてるんですか?」。すると、監督は「え、そう言ってる? エジソンの影響かな」と標準語に戻った。来日して10年以上、九州で暮らしている日系ブラジル人の早川通訳を引き合いに出したが、横で早川通訳は頭を左右に振った。「私は監督には九州の言葉で話しかけないよ」。
福岡の選手は九州出身者が多いが、取材への対応や、選手同士やスタッフと話すのは標準語を使う割合が高い。私自身、方言に敬語のない北九州の出身だから分かるのだが、おそらく「丁寧に話す=標準語」という意識があるのだと思う。それでも、練習中には「蹴ろうや!」とか「ばり、きつか」とか、耳になじんだ言葉が聞こえる。選手を常に観察しているリトバルスキー監督は、そんな瞬間に九州のイントネーションを吸収したのだろうか。ドイツ・ベルリンのリトバルスキー家は監督以外は皆、楽器ができる音楽一家でサッカー選手は1人もいない一族だそうだ。監督も耳が良いのかも知れない。
今のところ、監督の九州なまりは、ごくたまにしか出ない。もしも、九州の言葉で話したら、それだけで小さな記事にはなるだろう。福岡を担当する記者仲間で、監督に覚えてほしい博多弁を考えてみた。「強か」なら簡単かな、というのは私の意見。某紙のネイティブ博多弁スピーカー記者は「やっぱ『しぇからしか』しかないやろ!」と言い放った。
「しぇからしか!」と監督が言ったら面白いとは思うが、一抹の不安が-。監督はキャンプ中、各選手にデータや観察して気づいたメモなどをまとめた通知表をつけていた。その時「あなたたちのも、つけてるよ!」と報道陣に冗談を言ったことがある。実際、通知表はつけていないが記者一人ひとりの顔と名前、行動の特徴などは言えるそうだ。監督に「しぇからしか!」と言われる記者1号になるのだけは、いやっちゃ!
March 19, 2007 04:55 PM 投稿者:佐藤千晶
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