2007年03月05日

ニックネームで覚える方法も:佐藤千晶

 数字と、名前と、顔。新聞記者をしていながら、この3つを覚えるのが何よりも苦手だ。福岡の選手を覚えられるかが最大の不安だったのだが、担当2日目にして的中。ある選手に2日続けて名刺を差し出してしまった。とにかく、全員の名前と顔を早く覚えなければ! 昨年の名鑑と文字通り首っ引きで練習を見続け、1週間で顔と名前が一致し、1カ月以上たった今、やっと背番号も覚えた。

福岡で一番後ろ姿が似ているコンビ、FW林とMF城後。どちらかわかりますか?。今は城後がひげをそったので、見分けやすくなりました  名鑑と双眼鏡とともに、顔を覚えるのに役立ったのがニックネームだ。サッカー選手は年齢の上下に関係なく、プレー中はニックネームで呼び捨てが基本。呼ばれた選手を見れば、顔と名前が1度に分かるので、練習中は選手の声が最大の手がかりだった。福岡の場合、呼び名は5種類に分けられる。

 【姓】内藤、リンコン、林
 【姓の一部】カミ(神山)、ピント(ノグチピント)、ロク(六反)、チェコ(チェッコリ)、ナギ(柳楽)、ヤス(安田)、シバ(柴村)、アレ(アレックス)、ヒサ(久永)、ツカ(大塚)、タク(多久島)、クギ(釘崎)、ウノ(宇野沢)、ハファ(ハファエル)
 【名】(宮本)トオル、(長野)サトシ、(宮崎)コウヘイ、(古賀)セイジ、(城後)ヒサシ、(山形)キョウヘイ、(中村)ホクト、(本田)シンゴ、(田中)ユウスケ
 【名の一部】シン(川島真也)、ノリ(山形辰徳)、キヨ(久藤清一)
 【ニックネーム】キンちゃん(金古の「金」から)、ワンちゃん(布部。顔が王貞治監督に似ているから)

 実は最初、GK六反のニックネームは「タン」だと思っていた。六反も加わっていたパス回しの練習を見ていた時のことだ。パスを出す相手や、出してもらいたい相手を呼ぶのに「タン」だけが異常に多く登場する。「六反って、上手だからボールが集中するのかな。それとも人気者なのかな」と思っていた。後日、何となく変な状況に気づいた。メンバーに六反以外のGKが入っているときも「タン」という言葉が聞こえる。しかし、私は間抜けなことに「あの選手、ほかのGKを六反と間違えてる」と、自分の誤解に気づいていなかった。

 “真相”が分かったのは宮崎キャンプ直前、早川エジソン通訳のインタビュー中だった。福岡の日本人選手が、ブラジル人選手と話すためにポルトガル語を覚えることがあるか尋ねた。早川通訳は「パスを出すときに『ターン』と言うでしょう。あれをポルトガル語で何と言うか、ノリ(山形辰)が聞いてきたことがあります」。えーっ、あの「タン」は六反のことじゃないの? 本来なら山形辰の勉強熱心さを突っ込んで取材すべきところ、恥をしのんで本筋と関係ない質問をするしかなかった。「ターンって、何ですか?」

 パスを出す相手に「フリーだから前を向け」と指示する言葉だったとは…。勝手にニックネームを間違えてすみません、六反選手。こちらのミスなのに、呼び間違えていると思い込んですみません、某選手。早川通訳によると「ターン」はブラジルでは「タ・ソ」と言うそうだ。「エス・タ・ソ(君は1人だ)」を縮めた言葉で、逆にフリーでない相手には「ハボ(しっぽ)」と言って背後に敵がいることを知らせる。「聞くは一時の恥…」を実践する日々は、まだまだ続きそうだ。

 福岡31選手中、覚えるのに最も時間がかかったのはMF城後とFW林。この2人は長身で髪型、髪質が似ているので、最近まで後ろ姿は見分けられなかった。2枚の写真、判別できますか? 正面の顔は、ぜひ「2007年Jリーグプレーヤーズ名鑑」(日刊スポーツ出版社、400円)で比較してみてください。ポケットサイズで観戦に便利な上、今年からJ2選手の顔写真も掲載しています。

March 5, 2007 03:01 PM 投稿者:佐藤千晶

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