2007年10月17日

J2にも危機感を:村田義治

 九州リーグ所属のV・ファーレン長崎(以下V長崎)が、窮地に立たされた。16日、優勝チームに全国地域リーグ決勝大会出場権が与えられる全国社会人サッカー選手権で準決勝敗退。残り2節(V長崎は残り1試合)となった九州リーグでも現在3位に甘んじ、リーグ2位までに与えられる同出場権獲得に赤信号が点滅した。V長崎が休養日のリーグ21週(10月27日)に首位ホンダロックと2位ニューウェーブ北九州が勝ち点3を取ると、ホンダロックとの最終戦を残して来季のJFL昇格の道が完全に絶たれる。

 V長崎は昨年、JFL昇格を目の前にした全国地域リーグ決勝大会で敗退。勝負どころで手痛い敗戦が続く。九州勢ではJFLでも、2位をキープしてきたロッソ熊本の勢いが、ここにきて陰りを見せている。13日に行われたロッソ熊本と佐川急便とのJFL首位決戦を視察したあるJチームの強化担当者は、こう嘆いた。「あまりにも(Jとの)力の差がありすぎる。ロッソはJリーグに上がっても、今のままだとなかなか勝てないんじゃないかな」。

 加盟チーム増を狙うJリーグは、今年の昇格条件を4位以上に拡大させた。前半戦に貯金をつくったロッソは“逃げ切り”でJ昇格を勝ち取れる公算は高いが、それでいいのだろうか。クライマックスシリーズやプレーオフでもり上がりを見せる日本、海外のプロ野球とは裏腹に、シーズン終盤を迎えたJリーグの注目度は今イチ。昇格の可能性が消え、降格のないJ2の下位チームの試合は、もはや消化試合でしかない。

 リーグ拡大を目指すJだが、実力を伴わないチームをJに引き上げても、大幅なチーム改革を打たない限りは苦戦は必至だ。むやみに数だけ増やしても“消化試合予備軍”が増えるだけのような気がする。昇格を前に苦戦を強いられるJ予備軍の姿からは「(降格のない)Jに昇格さえしてしまえば(その後はどうにかなる)」という安易な思惑があるようにも思える。

 昇格を狙うクラブ同様、J2の下位に低迷するクラブからは、なぜか強豪クラブに成長したいという勢いや意欲が感じられない。そんなクラブ同士の対戦が増えても、リーグのレベルアップにならない。J1とJ2、そして地域リーグ勢との実力差が、さらに広がってしまうのではないだろうか。たやすく数だけ増やすことよりも、早くJ2からの降格規定をつくってチームに危機感を持たせること。これこそが、活気のあるJリーグへの発展につながる気がしてならない。

October 17, 2007 03:59 PM 投稿者:村田義治

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