2007年08月07日

疑惑を呼ぶ不可解ジャッジ:村田義治

 何とも不可解な中止順延だった。6日、鳥栖スタジアムで行われたJ2鳥栖-湘南戦。激しい雷雨の中、1度も中断することなく前半を終えた試合は、天候が持ち直したかに見えたハーフタイム後に中断となり、本来なら後半が終了する時刻ごろになった午後8時45分に中止となった。その時点では雨は上がり、雷は中断待機中に鳴ることは1度もなかったというのに…。

 試合の中止決定権は、マッチコミッショナーと主審の話し合いで決まることになっている。この日、鳥栖地方は午前10時すぎから雷注意報が発令されていたにもかかわらず試合は行われた。試合開始直前の午後6時40分には大雨、洪水警報が出されたが、雷鳴がとどろく中でキックオフされた。

 前半の間は雨が激しく降った上に、雷はとめどなく鳴り響いたが、鍋島将起主審(28)が試合を止めるそぶりを見せることはなかった。前半26分に先制ゴールを奪った湘南が1-0とリードして前半を終了。湘南サイドは通常のハーフタイムのルーティーンをこなし、再度ピッチに向かおうとした午後8時4分になって待機を命じられた。高橋信光マッチコミッショナーと主審で中止を視野に入れた協議を開始したという。

 ところが、そんな運営サイドの事情を知らないサポーターは雨の中、当然のようにスタンドで後半開始のホイッスルを待った。記者席にも連絡はない。それどころか、ハーフタイムにはイベントの一環として花火まで打ち上げられていた。スタンドの誰もが、中断する理由が分からなかった。

 スタジアムDJが「天候の回復を待って、後半の開始を見合せている」と説明したが、雨は小降りで、明らかに1度も中断しなかった前半よりは天候は回復していた。スタンドからは「早く始めろ」と罵声(ばせい)が飛んだ。8時22分にコミッショナーと主審がピッチ状態を確かめに現れたときには傘も必要なく、雷は中断に突入して1度も鳴ることはなかったのに、8時45分になって中止が正式決定された。
 鳥栖の広報を通じてマッチコミッショナー、主審に中止決定までの説明を求めたが、両者は記者団の前にその後、姿を現すことはなかった。代わって会見した鳥栖の佐野極副社長が説明した中心決定の理由は「天候の回復が見込めないない」からだという。正式決定前の8時20分には大雨、洪水警報は解除されたといたというのに…。

 この試合、審判団にもう1つ微妙なジャッジがあった。前半26分の湘南MFアジエルの先制ゴールの場面だ。鳥栖ゴール前のペナルティーエリア内で、鳥栖MF鉄戸がマークしていたアジエルに明らかに背後から突き飛ばされて転倒したかのように見えたが、鍋島主審はノーホイッスル。フリーでパスを受けたアジエルのゴールが認められていた。中止決定後、鳥栖の関係者は「あれが反則じゃなかったら、サッカーにならない」と激怒していた。

 おそらく、そのまま試合が成立すれば、このゴールシーンについて鳥栖サイドは、Jリーグに意見書を申請することになったと思われる微妙なシーンだった。結果的には中止順延で、この微妙な判定の審議が問われることはなくなった。だが、一部のサポーターから「あの判定を帳消しにするために中止になったのでは」という声も上がったのも事実だ。

 試合後、納得がいかないサポーター約30人が午後11時近くまでスタンドで抗議の居座りを行った。野球、相撲などは微妙なジャッジについては審判団から場内アナウンスがある。サポーター、両チーム、そして関係者の誰もが納得する経過説明がマッチコミッショナー、主審からなかったことが残念でならない。サポーターあってのプロの興行だということを、Jリーグにもう1度認識してもらいたいと思うジャッジだった。

August 7, 2007 05:39 PM 投稿者:村田義治

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