2007年05月07日

全く同じ「人違い」だった:村田義治

 「サッカー人生初の体験」を、2度も経験してしまった。6日の大分-広島戦。後半34分に起きた「人違いPK事件」だ。試合から一夜明けた7日、Jリーグの規律委員会は、警告の対象者をMF藤田から、本来対象となるべきDF三木に変更。問題の終始を図ったが、この事務的な手続きがどうも腑に落ちない。

 MF藤田が「サッカー人生でこんなことは初めて」という珍事? だが、記者はまったく同じシーンを経験したことがあった。05年6月11日のJ2鳥栖-草津戦。「同点で迎えた試合終盤」で「相手にPKを与えたプレーで、プレーと関係ない場所にいた選手が警告を受ける」。今回の大分とまったく同じ人違いPKだった。

 大分、鳥栖ともに試合後、マッチコミッショナーに対象者の訂正を申し入れたが「Jリーグの、正規の手順があるから」と翌日にDVD(鳥栖はVTR)を添えた申立書(鳥栖は質問状)を提出。Jリーグの規律委員会で審議し、後日、処分の訂正を行った。だが、事実誤認は、試合直後のVTR検証などで一発で誤認と分かるもの。鳥栖のときは、マッチコミッショナーも誤認を認め、試合終了4時間半後に公式記録が1度は訂正されたが、手続きを踏んでいなかったために、その直後に再び差し戻したという経緯があった。1日以上、事実誤認を見て見ぬふりをしていたことになる。

 今回の大分の場合も、試合直後にマッチコミッショナーはうすうす、人違いだと分かっていたという。次戦が出場停止になる、ならないとモヤモヤした気持ちで一夜明けの練習を行った藤田選手の気持ちを、どう考えているのだろうか。

 Jリーグは、つじつまだけ合わせるように累積警告だけ付け替えたが、誤審で残り8分を10人で戦った試合はやり直せない。残り11人で戦っていれば、同点に追いつけたかもしれない。多額なお金が動くトトの結果にも影響が及ぶ可能性もあっただろう。

 高校野球の世界でも、何十年も前に作った学生野球憲章にとらわれ、大きな特待生問題を引き起こした。サッカーも、トトの導入などで取り巻く環境も様変わりしている。ルール、規定を守るのも大事だが、時代とともに変化させる柔軟な視点を関係者にもってほしい。「2度あることは3度ある」といわれるが、こんな人違い誤審は、もう見せられたくない。

May 7, 2007 11:05 PM 投稿者:村田義治

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/10971