2006年12月05日
1面の左端に写る2選手:村田義治
今月3日付の本紙1面。みなさん見ていただけましたか。今年初めて福岡を取り上げた1面を目にした瞬間、記事を書いた私も、ジワリと目にくるものがありました。2日のリーグ最終節甲府戦。起死回生の同点ゴールで、入れ替え戦出場を手繰り寄せた佐伯選手と千代反田選手が抱き合う瞬間の写真が、バーンとメーンを飾ってました。佐伯選手、いい表情してましてね。しかし、それ以上に目を引いたのが、後方から2人に抱きつく薮田選手と吉村選手の2人でした。
この試合の2日前。2人はクラブから戦力外通告を受けました。今季移籍加入した2人は、ともに30歳。薮田選手はグラウシオ、田中選手が故障で離脱した開幕直後から、FW、そして中盤両サイドでチームを救ったチーム得点王。吉村選手もシーズン終盤、不動の右サイドバックとしてチームの巻き返しを支えてきました。選手会とクラブの申し合わせにより決まっていたとはいえ、レギュラー格としてまだ試合を残しているシーズン終了前の通知には、首をかしげました。
突然の戦力外通告にも、2人は「プロの世界では仕方ない」と口にし、入れ替え戦出場をかけて最終節に臨みました。古賀選手の出場回避でスタメン出場が回った薮田選手は、先制点を与える痛恨のパスミスを冒しました。「このまま終われば、これが福岡で最後の試合になる」。そんな思いもよぎっていたんでしょう。新聞の左端に写る薮田選手の表情は、今にも泣き出しそうな顔でした。翌日、新聞を目にした川勝監督も「俺も泣きそうになった」とこぼしたほどでした。
福岡で1試合でも長く試合をしたい-。2人の思いが天に通じたのか、福岡は逆転で入れ替え戦切符を手にしました。「福岡にきて、いい仲間と出会えた。この仲間との残り2試合を楽しみたい」。そう薮田選手は入れ替え戦への抱負を口にしました。本来なら、クラブにうらみ、つらみの言葉をぶつけたいところでしょうけど…。それでも、来年、自分が所属することがないチームのために、最後まで2人が頑張ってます。チームが勝つために、自分にできることはすべてやり尽くす。2人の背中が「これがプロサッカー選手」と語っているように見えます。とにかく苦しかったJ1復帰元年。ともに戦ってきた2選手への感謝の意を込めて残り2試合、2人の勇姿をしっかり目に焼き付けたいと思う。
December 5, 2006 10:35 PM 投稿者:村田義治
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