2006年10月23日
期限付き移籍に疑問:村田義治
全国社会人サッカー選手権は、九州(KYU)リーグ所属のV・ファーレン長崎の優勝で幕を閉じた。Jリーグを目指すV長崎は、次に11月24日に開幕する全国地域リーグ決勝大会に挑戦する。勝ち上がれば、JFL下位チームとの入れ替え戦に臨む。JFL昇格をかけた最終決戦を控えた現在、決勝大会に進出する全国の各チームは、期限付き移籍での補強合戦を行っている。
決勝大会後までを期限とするこの緊急補強。だが、そのシーズン、1度も出場したことがない選手が“入れ替え戦”だけに出場するのは、違和感を感じる。プロ野球に例えれば、リーグ戦で敗れたチームの選手が、補強選手として日本シリーズに出場しているようなものだろう。特に、決勝大会出場を逃したほかの地域リーグ勢からの移籍には「その場しのぎ」の感が否めない。そのチームが1年間戦ってきた戦力で、JFL昇格を争う。それこそが、真の大会の意義だと思うのだが…。
もちろん、JやJFLなど、所属するチームで出場機会に恵まれていない選手個人としては、出場機会が与えられることはメリットだろう。だが、その経験を所属チームに戻って生かせた選手は、それほど多くないようだ。所属チームでも戦力外。移籍チームにも完全移籍できず、新たな移籍先探しに迫られるケースが多いように思える。決勝大会で都合よく「使い捨て」されるのを防ぐためにも、こういった制約を設けてみたら、どうだろうか。
<1>JFL昇格、あるいは失敗の入れ替え戦の結果に問わず、入れ替え戦直前の補強は、来シーズンを含めた移籍とする。(短期移籍は認めない。チームの戦力として今後もどうしても必要だという姿勢を示す)
<2>JやJFLからの補強選手は、来季所属チームか移籍チームのどちらかに必ず所属し、決勝大会での経験を生かすチャンスを与えられること。(両チームの使い捨て禁止)
もちろん、移籍を承認する選手にも、それなりの覚悟は必要だ。プロ契約選手がわずかで、運営が厳しい地域リーグでは、決勝大会も大本命とされるV長崎でさえも、元Jリーガーが、ゴールマウスの設置や用具の準備などの雑用をこなしている。下部リーグに移籍する場合は「Jリーガーのプライド」を、捨てなければならない場面もある。
移籍する選手は、移籍先のチームでも、選手生活を続ける覚悟があるのか。送り出すチームは、下部リーグへの移籍を、余剰戦力の使い捨ての場ととらえていないか。受け入れるチームは、その場しのぎだけのための補強に終わらないか。3者が考え、選手のサッカー人生が長く続くための、意義ある移籍ならいい。使い勝手のいいコマを、目前の関門だけに合わせて回し合う「その場しのぎ」の補強には、もっと警告を発しなければならないと思う。
October 23, 2006 02:49 PM 投稿者:村田義治
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