2006年10月09日

闘病の少年に誓うJ1残留:村田義治

 どんなに厳しい戦いでも最後まで戦い抜く-。10月7日。最下位に低迷していた福岡イレブンから、そんな気迫が伝わってきた。序盤に2点のリードを奪うと、緊急4バックを組んだ守備陣も気迫でゴール前に立ちはだかった。最下位から一気に自動降格圏を脱出する16位に浮上。それも過去公式戦23試合、1度も勝ったことがなかった天敵・鹿島から奪った大きな1勝だった。

 とてつもない壁をようやく打ち破った試合の前日、イレブンの気持ちを奮い立たせる「激励」が届いていた。今年6月。キャンプを張った沖縄・石垣島に住む小学2年生、島内慈温君(7)からのメッセージだった。「ぼくはがんばっています。いっしょにたたかいましょう」。クラブハウスの壁に掲示された手紙に、選手は何度も目を通していたという。

 脳性マヒのため、下半身が不自由な島内君は、車いすに乗って福岡のキャンプを訪問。都筑社長からサッカーボールを手渡されると、ボールを胸に抱いて飛びっきりの笑顔を浮かべたという。その笑顔を忘れられず、都筑社長はあらためて選手のサイン入りボールをプレゼント。クラブハウスに掲示された手紙は、島内君のお礼のメッセージだった。

 石垣島にサインボールを発送したとき、チームはまだ今季2勝目を挙げられない泥沼状態。都筑社長は「J1の戦いは大変厳しく、苦戦しています。それでも、夢と誇りをかけて戦っています」というメッセージを同封していた。その決意が、ようやく試合結果に結び付いてきた。

 島内君は来年、3度目の手術を受ける予定があるという。母初美さんからも「最後まであきらめません。あきらめた時が、最後になると思います」という手紙が添えられていた。「彼も頑張っている。戦っている。福岡も(困難を)乗り越えないと」と都筑社長。J1残留へ、勝ち点1差で福岡、京都、C大阪の3チームがひしめく厳しい戦いが続く。福岡イレブンは最後まで戦う姿勢を失うわけにはいかない。【村田義治】

October 9, 2006 09:44 PM 投稿者:村田義治

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/6827