2006年07月03日

「惜しい」から「屈辱」へ川勝意識改革:村田義治

 韓国Kリーグの強豪、浦項に快勝した川勝アビスパ。練習試合でも滅多に見られない6ゴールと、攻撃チームへの変革を見せつけた大勝劇の裏で、イレブンの闘志を駆り立てた1戦があった。練習試合前日、長崎県島原市で九州のJチームが顔をそろえた教育リーグ「がまだすリーグ2006」が開幕。高卒ルーキーら若手でのぞんだ福岡は、主力が顔をそろえた大分に0-5という屈辱を味わった。

 主力組の練習を外せない川勝監督は、長崎遠征を辞退。選手もGK2人を含む総勢14人。遠征前最後の地元練習でも、一度もフォーメーション練習を行うことのないぶっつけ本番だったことを考えれば、当然といえば、当然の結果のように思える。だが、大分の主力メンバーも、外国人2人を除けば福岡とそう大差ないフレッシュな布陣。都筑社長は「思わす選手を怒鳴りつけた。プロとして恥ずかしい試合をしてしまった」と恐縮顔で話した。

 もちろん、試合結果を伝え聞いた川勝監督も「堪忍袋の緒」が切れた。「同じグループ(カテゴリー=J1)にいて、0-5なんて、おかしいんじゃないの。ふざけるな。また、その結果を聞いて、自然に受け入れる方が、おかしいよ」。浦項戦前のミーティングで、島原遠征組でなく、福岡に残留している主力組に怒りをぶちまけたという。

 このゲキが功を奏したのか? 浦項戦では、前日の初めて方向転換を強いられた1対1の「熱血プレス」でイレブンが奮闘。気持ちで浦項を圧倒し、大量ゴールを奪い取った。まだ、戦術の植え付けを始めたばかりの一戦に、戦前は「コテンパンにやられて、問題がでた方がいい」と口にしていた川勝監督ですら「練習試合でも負けてはならない」と闘争心をむき出し。それほど「0-5」の敗退が、我慢できなかったのだろう。

 前体制では、3点差だった鹿島戦を除けば、あとの敗戦はすべて1点差負け。今、思えば、「惜しい」敗戦が、チームの危機感をオブラードで包み込んで、鈍らせていたように思える。攻撃重視の戦術を掲げ、改革を進める福岡。もちろん、技術、戦術も大事だが「敗戦」を「屈辱」ととらえるプロ意識の芽生えが、チームに大きな力を与えてくれそうだ。【村田義治】

July 3, 2006 04:36 PM 投稿者:村田義治

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