2006年05月08日
プロ意識が一番の課題:村田義治
プロ意識も「昇格」しなきゃ。そう思わずにいられない残念な出来事に出くわした。W杯中断前の最終戦となった7日の福岡-広島戦。試合終了直前の反則からFK1本で敗れた福岡イレブンも、イライラが頂点に達したのだろう。自らも初めてJ1を戦っているレギュラーの1人が、報道陣が選手を取材するミックスゾーンを早歩きで突破する際に、こう、はき捨てた。
「今日はしゃべんねぇー」。
話を聞こうとした取材陣の足も、一瞬にして凍りついた。そのまま何事もなかったようにバスに乗り込んだ選手の横では、今季移籍加入したベテランの1人が、しっかりとした口調で報道陣の取材に対応していた。J1で200試合出場経験のあるJリーガーとしてのプロ意識とは、あまりにも対照的だった。
先日、プロボクシングWBC世界フェザー級王者の越本隆志選手(Fukuoka)を取材した。今年1月、日本人最年長の35歳24日で世界王座を手にした6年ぶりの世界戦で得たファイトマネーは0円。報酬は知人からのお祝い金だけだった。今でも、愛車は中古の国産車。走行距離は12万キロを超えたという。7月に予定されている初防衛戦ではファイトマネーを手にするが、それでも世界一の男の希望は「国産の新車を買いたい」と、あくまで謙虚だ。
福岡の練習場には、華やかなモーターショーのような外車や高級車がズラリと並ぶ。それが、プロサッカー選手としてのステータスになるらしい。もちろん高級車や外車が悪いわけじゃないが、主将のMFホベルトの愛車は何十年も売り上げNO・1を誇った国産の大衆車。ピッチ上でのプロ意識の高さは、車の値段の高さには比例しないようだ。
「ハングリーさに欠けている」。あるクラブ関係者は、チームの現状を嘆いた。サポーターから起こったブーイングにも「お金を払って見に来てくれている以上、こういう試合を見せてブーイングされるのは当然のこと」と、真摯に受け止めるスタッフもいる。
序盤戦の低空飛行の理由を「得点力不足」という言葉だけで片付けていいのか。勝ち点に結びつかなくても、内容がよければいいのか。技術は当然のこと。福岡イレブンのプロ意識の向上が、リーグ再開まで2カ月半の一番の課題のように思えてならない。【村田義治】
May 8, 2006 03:59 PM 投稿者:村田義治
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