2005年09月20日
選手移籍をプラスに:村田義治
シーズンも第3コーナーに近づいた9月13日。開幕から全31試合、J2鳥栖の司令塔を担ってきたMF宮原が、J1のC大阪に期限付き移籍した。まだ、鳥栖のJ1昇格の可能性もある時期での移籍だ。「なんで?」。そう思ったサポーターは少なくないはず。私も、そう思った1人だ。チーム関係者とも「チームはもうJ1昇格を諦めたと、サポーターに取られてもおかしくない」と、顔をしかめあった。その思いを松本育夫監督(63)にぶつけた。
しかし、周りの戸惑い顔をよそに松本監督は、さも当然とばかりに口を開いた。「今のチームよりレベルが高いところから来た話は、その選手のため、クラブは断れない。もちろん、クラブとして同じレベルの選手を補強するのが条件だけど」。宮原の代わりにC大阪から移籍してきた浜田は、U-22、U-23日本代表経験を持つ。鳥栖でのデビュー戦となった17日の山形戦では得点に絡めなかったが、指揮官は「ミスが少なかった。片りんを示してくれた」と及第点を与えた。その日、宮原も5年ぶりにJ1のピッチに立った。「両選手にとってプラスになった」と、松本監督は満足そうに振り返った。
宮原が抜けた穴は、確かに大きい。だが「より強く、より高いレベルでサッカーをやりたい」。そう思うのは、サッカー選手なら誰でも同じこと。自身のレベルアップのために選んだ宮原の選択を、誰も責めることはできない、残された選手も、次にステップアップのチャンスを手にできるのは、自分自身かもしれないのだから…。「いなくなれば(次が)育ってくるもんですよ」と松本監督は口にした。後ろ髪を引かれる思いであっただろう宮原のため。そしてチームのため。そして何より自分自身のため。今こそ選手全員が砂岩となってこのハードルを乗り越え、ラストスパートの直線を戦い抜いてほしい。
【村田義治】
September 20, 2005 07:53 AM 投稿者:村田義治
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