2007年12月03日
三者三様のJ2の九州3チーム:前田泰子
サッカー担当ではない私だが、ここ数日、立て続けにJ2の取材に行った。2日は福岡対鳥栖の九州ダービー、3日はロッソ熊本のJ2昇格決定の取材だった。
3チームは三様の顔を見せた。最終戦で九州ダービーを制して締めくくった鳥栖は、選手と監督、コーチ、フロントが一体となった印象を受けた。若手を生かすチームづくりのために、30代の選手は戦力外となった。最終戦の試合前に、そんなベテラン勢のために若手選手は涙を流していた。「みんなで辞める選手のために頑張ろうと、力を出そうと話したんですよ」。試合後そう話した岸野監督の目も涙で潤んでいた。「みんなが僕に点を取ってほしいと念じてくれた」。鳥栖リーグ最終戦でゴールを決めたMF吉田はチームに感謝の言葉を贈った。最終戦を終えた選手をサポーターは拍手で迎えた。スタンドからはサポーターが、観戦に来ていた井川社長に声をかけた。「社長、やりましたね」。社長は笑顔で応えた。
対する福岡。前日16人の退団者を出し、試合前からムードは険悪だった。戦力外が告げられたある選手は最終戦でスタメンの予定だったが「試合に出る心理状態ではない」と直訴し、急きょスタメンが変更になったのだという。試合後、選手全員と社長がサポーターにあいさつしたが、スタンドからは容赦ないブーイングが浴びせられた。都筑社長には「辞めろ」コールが起こり、リトバルスキー監督にさえブーイングが向けられた。選手、フロント、サポーターの一体感は感じられなかった。
Jリーグ参戦を果たしたときの福岡は希望に燃えていた。当時、派手な補強と、著名な監督の招へいで話題を集めた。だが、フロントと現場の一体感はそのころからなかったように思われる。鳥栖は1度、チームがつぶれた。サガン鳥栖として生まれ変わってからも何度も経営危機に見舞われたが、今では松本GMを中心にしっかりとした方針を持って着実にチームづくりを進めている。
来季からJ2参入を果たすロッソはどうなるだろうか。強くなるには今のチームから大きく様変わりする。昇格を決めた選手たちも強くなるにしたがって、大多数がチームを去ることになるだろう。これまでとレベルの違うJ2で思うような戦いが出ないとき、必ず出てくる不満や不信をどう解決していくのか。急激な変化のなかでサポーターに愛されるチームをつくれるか。
福岡、鳥栖、熊本。九州に根を下ろすJ2の3チームの来季の戦いぶりに注目したい。
December 3, 2007 11:21 PM 投稿者:前田泰子
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