2007年10月10日

高校球児、プロでも頑張れ:前田泰子

 1通のメールが届いた。台湾でスポーツの取材をしている人からのメールだった。「福岡一の郭選手がドラフトで指名されなくて台湾では残念だという声が上がっています」という内容のメールだった。

 夏の大会の取材のとき1人の台湾人のスポーツジャーナリストと出会った。自身のブログで台湾のスポーツ情報を発信しているのだという。日本の高校で頑張っている福岡一の郭恆孝と余聖傑を取材しに来ていたのだった。彼からのメールを見て「日本のプロに行きたくて、僕は日本の高校に来たんです」と言っていた郭の顔が浮かんだ。指名を受けるかもしれないと期待させられながら、指名が来なかった、という事実は10代の高校生にとってはつらい試練だと思う。

 福岡工大城東の安部友裕は広島の1巡目指名に喜ぶというよりびっくりしていた。「甲子園で活躍している選手がたくさんいるのに、本当に自分でいいのかな」。ドラフト前から「外れ1位候補」として名前を挙げられていた。ドラフト直前の取材でも「自分でいいのかな。もっとほかにいい人がいるんじゃないかなとか思って不安です」と話していた。「安部は甲子園に出ていないことが心に強くあるんでしょうね」と同校の杉山繁俊監督は言っていた。

 もう1人の「アベちゃん」大牟田の阿部和成はロッテの指名を受けて涙を流した。安部と同じく「外れ1位候補」と新聞やテレビで報じられていたが、実際には4巡目指名。なかなか来ない指名の知らせに不安で胸がつぶれそうだったことだろう。ホッとして思わず涙がこぼれた。同じ涙でも希望球団に指名されず涙を流す選手もいる中で、これは幸せな涙だろう。

 縁あって学生時代に取材した選手が毎年プロに行っているが、実際に1軍で活躍している選手はその中のひと握りだ。ほんの数年でプロの世界にいられなくなる選手もたくさんいる。逆に、高校時代はそれほど目立つ選手ではなかったが、大学や社会人でメキメキと実力を伸ばし、プロに入って即戦力で活躍する選手もいる。福岡一の台湾人選手もそうやってまた次のステージでプロを目指してほしい。

 今年は九州から指名された高校生は4人。ドラフトよりもつらい試練がたくさん待っているだろう。いつか1軍で活躍する選手に成長してほしいと、心から思う。

October 10, 2007 03:23 PM 投稿者:前田泰子

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