2007年06月25日
ポジションチェンジ:佐藤千晶
お気づきの読者が、どれくらいか想像がつかないのですが、J2第23節アウエー山形戦に帯同しませんでした。山形担当記者に福岡の取材もカバーしてもらい、WEBや紙面に福岡の連勝を掲載できました。2戦連続得点のMFアレックス(24)は、4月21日草津戦以来12試合ぶりの流れの中で得たゴール。この間の3得点を含め、今季5点を稼いでいるPKはリーグ1位。「同じマンションの人から、エレベーターで『アレックス、PKばっかりだね。もっと点取って』って言われちゃった」。日本語でぼやいていたブラジル人MFが、久びさのゴールで再び波に乗れば、福岡の昇格も近づくでしょう。
さて、山形戦が行われた23日、福岡担当の私がいたのは熊本市の藤崎台球場。今年初めて野球のスコアブックを開き、都市対抗九州地区予選の取材をしました。しばらく、福岡はホームゲーム中心に取材する予定です。担当になって半年、休み以外は、ほぼ毎日、福岡の取材をしてきましたが、実は我が社のスポーツ担当で、1チームだけに密着するのはレアケース(プロ野球担当は、基本的にホークス専門です)。ほかの先輩記者の担当分野が幅広いこともあり、恵まれた環境にいたのです。
しかし、少し守備範囲を広げる時期が来ました。この夏は入社14年目にして初めて、甲子園取材に挑戦です。また、たまたま同じタイミングですが、今回をもって「サッカー日記」は終了することになりました。来週からは「スポーツ担当日記」にリニューアルし、村田義治、前田泰子両記者が執筆します。
では、私は何をするのか? 仕事同様、ちょっと手を広げることになりました。日刊スポーツが27日に開始する、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「ニッカンスポーツ・スクエア」で「部屋」を持ちます(http://blog.nikkansports.com/nikkansports/n-suku/2007/06/post_21.html)。サッカー取材にまつわる話はもちろん、ほかのスポーツや仕事以外の話も、このコミュニティで書いていきます。村田、前田記者と手分けして九州、山口9県を駆け回る高校野球取材のこぼれ話も更新します。紙面とWEBで、オーバー30トリオの激しいポジションチェンジ(移動距離)を追ってみてください。
June 25, 2007 09:52 PM 投稿者:佐藤千晶 | トラックバック (0)
2007年06月19日
休養日が、KYUリーグの主役?:村田義治
KYUリーグが熱い。J1から3ランク下(J2、JFLの下位に当たる全国地域リーグの1つ)の九州リーグは16、17日の鹿児島集中開催から後半戦に突入した。現在、1位からニューウェーブ北九州、ホンダロック、V・ファーレン長崎、新日鉄大分、ヴォルカ鹿児島が勝ち点10差に集結。中でも3強は勝ち点2差。1節ごとに順位が入れ替わる可能性がある、スリリングなシーズンが続いている。
今年のKYUリーグは11チームでの争い。この数が、さらにシーズンの盛り上げに一役買った格好にもなっている。前半戦終了時に首位に立っていたのは唯一1敗のホンダロック。だが、後半戦スタート日の16日は、11チームで唯一の試合がなかった。その日のゲームに勝った北九州に勝ち点1差かわされ、2位に自動降格。だが、北九州より残り試合が1試合多く、自力で逆転首位に立てる“隠れ首位”の存在だ。
「うちは、とにかく前を向いてどう勝ち進んでいくか」と語るのは、首位に立つ北九州の与那城監督。12試合で5失点はリーグ最少。前期ホンダロックに黒星をつけ、勢いに乗っている。反対にリーグ最多53得点で、3強の中で得失点差でも優位に立つ長崎は、現在3位。10得点した17日の試合後にも岩本監督の口からは反省の弁がこぼれた。1試合少ないホンダロックにも上位を走られ、危機感いっぱいの戦いが続く。
逃げる北九州に、追う長崎。その間に立つホンダロックの福田監督は隠れ首位を歓迎する。「今(順位で)負けているという状況で選手のモチベーションは高くなる」。首位に立つと油断や慢心が生まれる可能性があるが、2位ならそれが避けられる。緊張感を持続し、下位チームへの取りこぼしを防げると占う。
隣り合った2グランドで集中開催された17日、ホンダロックが後半39分にダメ押しゴールを決めると、直後に隣のコートで北九州のゴールが決まった。試合はともに一方的な完封勝ちだったが、最後まで集中力を途切れさすことなく戦い抜いた。まるで目の間の敵でなく、隣でプレーするライバルと戦っているように見える打ち合いだった。
「今年はおもしろい。上位の力が拮抗して、最後まで(優勝争いは)もつれると思う」と藤家リーグ委員長。昨年のV・ファーレン長崎やロッソ熊本、沖縄かりゆしなど、これまで独走Vが多かったKYUリーグ。だが、北九州、長崎が残す休養週での駆け引きまで含め、今年の戦いからは目が離せない。
June 19, 2007 02:56 PM 投稿者:村田義治 | トラックバック (1)
2007年06月11日
王子の愛車はリヤカー?:佐藤千晶
「まだ、サッカーのことは話せません」。
この言葉に、18歳の才能と可能性を感じた。
福岡MF鈴木惇の、チーム最年少デビュー後の一言だ。2日の徳島戦で記録上は3分間、実質5分程度、終盤に出場した。会見では素直に喜ぶ一方で「出たということだけが収穫。ちゃんとプレーしてからでないと、サッカーについて話すことはできません」と冷静だった。ユース、サテライトでの経験には一定の自信を持っていたが、トップチームとの差を数分で感じたようだ。「生活をかけてプレーしているから、球際の激しさが違う」。慎重なコメントは、仕事としてのサッカーに対する自覚があるからこそ。報酬はないが、心はプロ。経験を積んだ鈴木が、どうサッカーを語るのか今から楽しみだ。
アビスパ福岡U-12からの生え抜きで各世代の日本代表、県下有数の進学校に在籍中という、マンガかドラマの主人公のようなプロフィール。Jデビューという「実績」もできたとなると、10年間、紙面の見出しを考えてきた元整理記者としては、うずうずする。地元のテレビ番組で「博多の王子」の表現を聞いたときは「やられた!」と思った。この愛称への対抗心も正直なところ、ある。
何か、良い「王子」ないかなー。
本人には「そんなこと、考えなくていいです」と迷惑そうな顔をされた。けれども、実績が話題を呼び、話題が次の実績へのステップとなるスポーツヒーローには「称号」がつきもの。宿命だと思って、我慢してください。
「本家」の早大投手、斎藤祐樹は「ハンカチ王子」で、ゴルフの石川遼は「ハニカミ王子」。どちらも「ハ」から始まる4文字プラス王子の組み合わせ。これに続くもので、なおかつ鈴木にぴったりな表現は-?
はじらい王子。言葉を選び、時にはつっかえながら取材に答える。「ハニカミ」と、イメージが重なる。
はね髪王子。少し伸びた髪が、はねているから。これも「ハニカミ」と音が似ている。
はたらく王子。Jと高校との両立を表す。少し硬いかな。
博識王子。県下有数の進学校の生徒だから。博識とまで言って良いか?
はえぬき王子。小学3年からアビスパ育ち。ただし、ライバルチームの胸スポンサーと同じ。
箱入り王子。王子って、基本的に箱入りですね。
はりきり王子。リズムは良いが、本人は自然体なのでイメージが違う。
どれも決定打に欠ける。ほかの記者が考えた候補は
半パン王子。今どきの高校生らしく、制服のズボンは腰ばき。
配球王子。パサーとしての才能に期待をこめて。
9日の記事では「ハ」から離れ、サポーター発案の「学ラン王子」を使った。デビュー戦だけは黒の詰め襟姿で会場入りしたが、衣替えや卒業で期間限定の表現になりそうだ。
あれやこれやと迷ううちに、デビューから1週間がたち「次は先発が目標」と言っていた鈴木は、10日のC大阪戦でそれも実現した。惇クンの成長スピードに、おばちゃん(さすがに倍以上、歳が離れるとお姉さんとは書けない)の頭はついていけず脱線ぎみ。練習後、用具を積んだリヤカーを引く姿を見ながらつぶやいたのは「リヤカー王子」。略してリヤ王は、ふざけ過ぎか。練習で見せる精度の高さから「クロスの王子様」も考えたが、この表現は試合で決まるまで取っておこう。
June 11, 2007 05:02 PM 投稿者:佐藤千晶 | トラックバック (0)
2007年06月04日
フットサルとの橋渡し役:村田義治
JリーグとFリーグ。サッカーとフットサル。2つの競技の橋渡し役をこなす現役Jリーガーがいる。J2東京Vに所属するMF永井秀樹。J2でピッチに立つ36歳が、現役のサッカー選手のままでFリーグ、バサジィ大分のスーパーバイザーに就任した。
5月28日のプレスカンファレンス。役員の1人として壇上でのあいさつを終えた後、永井は「なぜ、選手の誘いでないのかと思った。(東京Vの)ラモス監督の許可が降りないが、選手として参加したい」と、子供のような顔を輝かせた。永井ならではの言葉だと感じた。
読売時代の華やかな印象が強烈に残るが、その後サッカー浪人を経験。1人で練習を続け、大分でJ復帰を果たした苦労人でもある。沖縄でJ1から3階級下の地域リーグにも参戦。そして、ラモス監督に請われて復帰した東京Vで、再び厳しいJリーグの世界に身を投じた。36歳の永井が歩んできた道は、サッカーを続ける環境を探し続けた挑戦の歴史でもある。
フットサルとサッカー。競技は違うが、永井は両者の融合を目指している。「(ブラジル代表の)ロナウジーニョやロビーニョはフットサル経験者。小さいころからフットサルを親しんだ選手は(サッカーでも)技術の高い選手になれる」。小さなときにフットサルでボールに親しみ、自然とテクニックを学ぶ。それが将来的にフットサルでも、サッカーに転じても生きる。その考えるスーパーバイザイーは、バサジィ大分の下部組織の充実を唱える。
その反対もある。サッカーはピッチが広く、年齢からくる体力の衰えとも戦わなければならないが、フットサルの競技スペースは狭い。もちろん体力は必要だが、サッカー以上にテクニックが占める比重は大きいともいえる。若くてJリーグを戦力外になる選手もいるが、そういった選手が競技を続ける新たな選択肢にもなりえると考えている。
そして競技生活を終えた後も、子供のころに知ったボールを蹴る楽しみをいつまでも味わい続けたい-。そんな思いにも応えてくれるのがフットサルだ。サッカー選手のまま、フットサル発展に力を注ぐ。より多くの試練を経験し、今なお、Jリーグのピッチに立ち続ける永井だからこそできた決断だと思える。
June 4, 2007 11:30 PM 投稿者:村田義治 | トラックバック (4)
