2006年07月31日

城後の活躍に期待:村田義治

 頑張れ、五輪世代! 08年の北京五輪出場を目指すサッカーのU-21代表候補合宿が7月31日、スタートした。九州から、昨年のワールドユースを経験した福岡のDF中村と柳楽、大分のGK西川の3人が招集されたが、柳楽はけがのため辞退。代わって、MF城後が追加招集された。

 国見高時代から、中村の1つ後輩に当たる城後は、ワールドユース出場を控えた昨年2月のU-20代表候補合宿に続いて、これが2度目の招集。だが、ワールドユース本大会出場は逃した。福岡でも2試合ベンチ入りしたが、リーグ戦出場はなし。2年目の今年。MF布部の故障離脱のチャンスを生かし、スタメンを奪取。8試合に出場。J初ゴールをマークし、開花した。

 中学時代には陸上部を兼任し、やり投げで全国4位になった経験を持つ。身体能力の高さは折り紙付きだ。川勝新体制後、移籍加入したMF佐伯にスタメンを譲った格好となっていたが、U-21代表の井原コーチが視察に訪れた26日の清水戦で途中出場。積極的な攻撃参加で存在感をアピールし、追加招集を勝ち取った。

 福岡の川勝監督は、城後の素質を高く買う。「ボールをキープしてタメをつくれるし、攻撃でもシュートを強く、ヘディングも打てる。得点能力は高い」。現在、福岡で日本代表の経験者は川勝監督と長谷川チーム統括グループ長の2人だけ。中村、柳楽に続いて、福岡から将来の日本フル代表を狙える新しい力の台頭だ。「自分はまだ海外での経験がない。このチャンスを生かしたい。自分の攻撃力を発揮したい」。候補合宿を勝ち抜き、8月7日に中国で行われる親善試合での新しい経験が、依然として低空飛行を続ける福岡の活性剤になってほしい。

July 31, 2006 05:43 PM 投稿者:村田義治 | トラックバック (0)

2006年07月24日

大分GK西川が川口超え目指す:押谷謙爾

 通常の番組に戻ったテレビを見ているとW杯ドイツ大会の熱気がうそだったような気がする。そんな中、久々に上司と居酒屋でサッカー談義。イタリアの優勝やら話題はいろいろあったが、なぜか僕の頭にはGK川口がブラジル戦で喫した2点目の映像が残っている。

 後半8分にジュニーニョの放った25メートルのミドルシュートは、右へ飛んだ川口の両腕をかすめてネットを揺らした。川口のセーブはタイミング上、間に合ったように見えた。だが、ボールはわずかにゴールの直前、コースを変えていた。この大会、何本もあった無回転シュートだった。

 無回転の場合、ボールを取り囲む上下左右のわずかな空気抵抗の違いから、予測不能な軌道をたどる。縫い目がなく、数年前より軽量化の進んだW杯公式球(Jリーグも同じ)がボール後方で起こる空気の流れを複雑にし、さらにGKの難易度を高めたという。

 「なんであれが取れないんだ」なんて声もある。テレビの映像でも今イチ分かりづらい。だが、ゴール裏に立って選手のシュート練習を見れば一目瞭然(りょうぜん)。無回転のシュートはグニョグニョと揺れながら飛んでくる。それなのにボールにプリントされた模様だけはくっきり見える。大分の場合だとキック力のあるDF根本やMF川田、森重あたりが数多く、蹴る。これは見ていてかなり面白いので、おすすめだ(見学場所に制限があるで難しいが…)。

 そのボールを受けるGK。すっかり大分の守護神に定着した西川も対策は練ってきた。開幕前から「今年は無回転が多いだろうし、ギリギリのところで指先でコースを変えるとか対応したい」と話し、複数のグローブで指先の感覚を確かめていた。今後もボールの軽量化が進み、GKも反応スピードを求められそうだ。

 25日は北京五輪を目指すU-21(21歳以下)のメンバー発表。西川の選出は濃厚で、08年北京五輪、10年W杯南アフリカ大会に向けた戦いが始まる。すでに反応スピードはJリーグ屈指といわれる西川が代表で経験を積み、川口の取れなかったシュートを取りにいく。

July 24, 2006 09:13 PM 投稿者:押谷謙爾 | トラックバック (0)

2006年07月18日

王監督に学ぶもの:村田義治

 プロ野球ソフトバンク王監督の病気離脱は、J福岡イレブンにも衝撃的な出来事だった。7月4日、両チームの総合交流の第1弾として、川勝監督以下、選手9人とチームスタッフが福岡ヤフードームを訪問。試合前に王監督と対談した。その翌日。緊急入院を自ら発表する姿に、誰もが言葉にならなかったという。

 時間にして10分にも満たなかった今回の対談。それでも、福岡の都筑社長にとっては、願ってもない時間だった。最後は負けの許されないトーナメント方式のWBCを勝ち抜いた経験談を、下位に低迷するチームの起爆剤につなげたい。今回の対談には、そういった思いも込めていた。

 「本当は、選手全員の前で講話を開いてもらいたかったが、お互いにシーズン中でもあったし…」と都筑社長。だが、西武との首位攻防戦の試合前に、その第1歩が実現した。今、振り返ると、その時すでに、王監督は自らの病気のことを胸の奥に潜めていた。川勝監督が就任後、選手に一番求めてきた「プロ意識を高さ」を、あらためて王監督の姿に思い知らされた。

 19日。博多の森球技場での東京戦で、2カ月の中断を終えた福岡の戦いが再開する。当面の目標は降格圏からの脱出だが「ひとケタ順位を目標に」と、川勝監督は強きの姿勢を崩さない。総合交流の会見でも王監督は「プロは勝つことが求められる」と口にした。福岡の戦いと歩調を合わせるように「病気に勝つ」ための王監督の戦いが始まる。「負けないチーム」から「勝つチーム」へ選手の意識改革を進めてきた新生・福岡。「互いに協力し、競う合うことでレベルアップできれば」と“共闘”を宣言してくれた王監督のためにも、勝ち進むしかない。

July 18, 2006 09:20 AM 投稿者:村田義治 | トラックバック (0)

2006年07月10日

高校3冠コンビの激突楽しみ:押谷謙爾

 大分のリーグ再開戦(7月19日)は注目度の高い試合になる。相手のC大阪にスペインリーグのマジョルカから復帰し、これが初戦となるFW大久保がいるからだ。

 大分で対決を最も待ち望むのはFW松橋だろう。「今は自分の体調も、動きもいいので先発で出たい」。2人は国見高(長崎)で天才司令塔と俊足ストライカーのコンビで「高校3冠」を果たした。私生活でも仲がいい。スペインにいる間も携帯電話で連絡を取り合い、先月、松橋の結婚式では披露宴のクライマックスで涙ぐむ大久保の姿があった。再会を懐かしむ2人の会話はもっぱら子育てがテーマ。「話す内容が昔と変わりましたよ」(松橋)。丸刈り頭で黄色と青のユニホームを着てピッチを駆けた名コンビは、パパとしてもみっちり連係しているようだ。

 Jリーグ入り後は大久保が五輪、A代表に選出され、スペイン移籍とステップアップし注目度を高めた。松橋はその爆発的な走力とは対照的に緩やかな成長で、Jリーグでなかなか出番に恵まれなかった。「ヨシト(大久保)はヨシト。自分は自分ですから」。2人を比較されるたび、松橋は自分に言い聞かせるように話してきた。我慢を重ね、6年目の今季ようやく地位を確立しつつある。今回、2人の対決が実現すれば2年ぶり2度目。初対決は04年5月。松橋が途中から出場し「競演時間」は13分間だった。今回は互いに成長した姿を見せたいところだろう。

 ちなみに彼らが高校3年のとき、大久保は先にC大阪入りを決め、松橋は高校選手権の優勝を待って大分入りを表明した。実は大分には大久保と松橋の「ダブル獲り」構想があった。彼らの進路を一緒に考えた国見の小嶺総監督も一時は真剣に検討したという。実現していたら、今どうなっていたのだろうか。2人の対決を前に思わず、想像してしまった。

July 10, 2006 09:20 PM 投稿者:押谷謙爾 | トラックバック (1)

2006年07月03日

「惜しい」から「屈辱」へ川勝意識改革:村田義治

 韓国Kリーグの強豪、浦項に快勝した川勝アビスパ。練習試合でも滅多に見られない6ゴールと、攻撃チームへの変革を見せつけた大勝劇の裏で、イレブンの闘志を駆り立てた1戦があった。練習試合前日、長崎県島原市で九州のJチームが顔をそろえた教育リーグ「がまだすリーグ2006」が開幕。高卒ルーキーら若手でのぞんだ福岡は、主力が顔をそろえた大分に0-5という屈辱を味わった。

 主力組の練習を外せない川勝監督は、長崎遠征を辞退。選手もGK2人を含む総勢14人。遠征前最後の地元練習でも、一度もフォーメーション練習を行うことのないぶっつけ本番だったことを考えれば、当然といえば、当然の結果のように思える。だが、大分の主力メンバーも、外国人2人を除けば福岡とそう大差ないフレッシュな布陣。都筑社長は「思わす選手を怒鳴りつけた。プロとして恥ずかしい試合をしてしまった」と恐縮顔で話した。

 もちろん、試合結果を伝え聞いた川勝監督も「堪忍袋の緒」が切れた。「同じグループ(カテゴリー=J1)にいて、0-5なんて、おかしいんじゃないの。ふざけるな。また、その結果を聞いて、自然に受け入れる方が、おかしいよ」。浦項戦前のミーティングで、島原遠征組でなく、福岡に残留している主力組に怒りをぶちまけたという。

 このゲキが功を奏したのか? 浦項戦では、前日の初めて方向転換を強いられた1対1の「熱血プレス」でイレブンが奮闘。気持ちで浦項を圧倒し、大量ゴールを奪い取った。まだ、戦術の植え付けを始めたばかりの一戦に、戦前は「コテンパンにやられて、問題がでた方がいい」と口にしていた川勝監督ですら「練習試合でも負けてはならない」と闘争心をむき出し。それほど「0-5」の敗退が、我慢できなかったのだろう。

 前体制では、3点差だった鹿島戦を除けば、あとの敗戦はすべて1点差負け。今、思えば、「惜しい」敗戦が、チームの危機感をオブラードで包み込んで、鈍らせていたように思える。攻撃重視の戦術を掲げ、改革を進める福岡。もちろん、技術、戦術も大事だが「敗戦」を「屈辱」ととらえるプロ意識の芽生えが、チームに大きな力を与えてくれそうだ。【村田義治】

July 3, 2006 04:36 PM 投稿者:村田義治 | トラックバック (0)