2006年01月19日

2年目のシャムスカマジック楽しみ:押谷謙爾

 移籍騒動に揺れたFW高松のチーム残留は大分にとって吉兆かもしれない。彼の背番号「13」はシャムスカ監督のラッキーナンバーだからだ。「お世話になった人が13が好きで、私もそうなった。知り合いの監督は新聞の見出しの文字が13文字かどうかまで気にするよ」。キリストが処刑された日などの理由で不吉な数字の代表だが、一方で1とその数字以外で割り切れないという「強さ」から好む人もいるそうだ。

 練習取材時、報道陣に番号付きの黒いビブスの着用するルールになっている。ある日、たまたま「13」をつけていたら、監督から「縁起がいいから、ずっとそれを着なさい」と言われた。また別の日には「試合前日、必ず私の取材に来なさい」という。私が他の取材と重なり、大分を「空き家」にしていたら負けたと言うのだ。こんなふうに周囲に意識を配っている指揮官だからこそ、対戦相手のクセも見抜けるのだろう。マジックと呼ばれる采配は高い観察力に裏付けられているのだと思う。

 異動で大分を離れることになったと告げると、シャムスカ監督は「じゃあ負けるじゃないか。私がボスと相談しよう」と真顔で言ってくれた。心理学の心得もあり、人の心をつかむ会話もさりげない。

 今年は初めてシーズン最初から指揮をとる。GK岡中が引退、FWマグノ・アウベスにFW吉田、DF有村など主力が移籍した。経営再建中で、補強もままならない。それでも「私が選手を育ててみせよう」と監督はどこまでも前向きだ。担当を離れたが、2年目のシャムスカマジックを楽しみにしている。

January 19, 2006 07:28 PM 投稿者:押谷謙爾 | トラックバック (4)