2006年01月09日

カタールリーグと日本代表の深い関係

海島 健(バーレーン大学講師)

 カタール(Q)リーグというと、日本から見ると縁のほとんどない「地球の裏側」でやっているマイナーなリーグというイメージを持つかもしれない。しかし意外なところで日本ともつながっているし、実際に見るとかなり楽しめる。つながりというのは浦和のエメルソンがアルサードに来たからとか、日本に遠征したアンゴラ代表のアクワとマウリトがこのリーグでプレーしているから・・・だけではない。

 過去2年間に日本代表は湾岸の成長株とも言えるオマーン、バーレーンとそれぞれ3回ずつ対戦しているが、この両国のトップクラスの選手たちが大量にQリーグに流入し大活躍している。日本代表の試合をよく見ている人がQリーグを見たら「あの選手いい動きをしているけど、どこかで見た顔だな」と必ずひっかかるものがあるはずだ。

 もちろんカタールの選手もここでモマれているわけだが、南米や欧州、アフリカなどの有望若手選手もいて、カタール経由欧州中堅クラブという例も出始めており、一般的なイメージとしてもたれている“ロートル選手のたまり場”というわけでは決してない。当然、中東でもかなりレベルの高いリーグという評価。前回の8カ国で争われたガルフ杯でも、サウジアラビアの不調はあったにせよ、優勝カタール、準優勝オマーン、3位バーレーンだったことも考えると納得がいく。

 1部リーグは全10チームからなり、3回戦総当りで行うので、各チーム年間27試合(9試合×3ターム)をこなす。面白いのはホームアンドアウエーを採用せず、ドーハ市内および近郊にあるいくつかのスタジアムのどこか1カ所で週ごとに集中開催されることだ。

 ゲームは木、金を中心に組まれている。これは主としてカタールの休日が木、金(官庁などは金、土)であるためだろう。また、世界のサッカーカレンダーのことを考えるとこの木、金というのはいわばサッカーの閑散期にあったっているではないか。世界のサッカーがテレビで見られるこのご時勢では賢明な選択と言える。

 1月上旬の時点でリーグは第2タームの終わりにさしかかっており、上位チーム同士の直接対決が多くなり非常に盛り上がっている。実際にドーハのスタジアムで12月に見た第14節のスケジュールはこうだ。(カッコ内の数字は13節までの順位)

 22日(木)5:30  アルサイリヤ(10) - アルワクラ(7)
       7:30  カタールSC(1) - アルシャマル(8)
 23日(金)5:30  アルアハリ(6) - アルホール(9)
       7:30  アルサード(2) - アルラヤン(5)
 24日(土)5:30  アルアラビ(3) - アルガラーファ(4)

 この節はドーハ郊外にあるアルラヤンスタジアム(現在5位チームのホーム)ですべてのゲームが行われた。時間が許せばすべてのゲームをライブで見ることができ(専用のTVチャンネルあり)、Qリーグの後は欧州各国のリーグ戦を衛星中継で見るなどということも可能である。

 特に盛り上がった試合は最後の2試合だ(そうなるように日程を組み替えたりするのだから当然か)。エメルソン(ブラジル)カルロス(エクアドル)の南米2トップを擁するアルサードとホームのアルラヤンの対決。バーレーンの中盤の要であるサルミーンとサルマンイサがいる人気チームのアルアラビと前年度王者のアルガラーファとの首位戦線生き残りをかけた直接対決。

 実はこのアルガラーファというチームはバーレーンの2トップ(フセイン・アリとアラー・フバイル)をそのままそっくり買い取っているので、アルアラビ戦ではバーレーン人同士でボールの競り合いなどということにもなるし、バーレーン代表では司令塔のサルミーンもボランチとしてプレーしていたりと興味は尽きない。11月のアルゼンチン戦でも光っていたカタール代表FWセイエドアルバシールが前試合に続いてゴールを決めアルアラビが1-0の勝利を収めた。上位3チームがすべて勝ち、いよいよ優勝戦線も絞られてきた感じだ。

 前回来た05年4月には無料だったはずなのだが、今回はゲートの手前でぼんやりと突っ立っている人がチケットを売っていて、その場でもぎってくれた。前回はこの人の存在に気づかなかったのかも? 値段は1日あたり10カタールリアル(約300円)と、とても採算が取れているとは思えない設定であった。本来のチケット売り場はアルラヤンのグッズ売り場と化していた。さすが湾岸である。

 いろいろな面でいい加減(ホームゲームがないチームもある)で悠長(週末をQリーグでつぶせる)と、中東風味たっぷりのこのリーグ、機会があったら、観戦してみてはいかがだろうか。ここにいる選手を近い将来、また日本代表との試合で見る可能性は十分にある。W杯の陰に隠れてはいるが、アジア杯予選や本戦もまた近づいているのだから。

January 9, 2006 01:15 PM