2005年12月19日
「ラジオも劇的、2005J最終節」
煙山光紀(ニッポン放送サッカーパーソナリティー)
2005年のJリーグ最終節は、5チームに優勝の可能性がある超混戦になり、ニッポン放送では5人のアナウンサーをそれぞれのスタジアムに送り込みました。首位C大阪が戦う長居スタジアムのアナウンサーが、次々に他の4会場に呼びかけていくという中継です。僕はG大阪のスタジアムを担当。いつ「等々力の煙山さん!」と呼ばれるか分からないので、目の前の試合を実況しながら、長居の実況も聴いていなければなりません。ところが、実況に熱が入ってくると…。
「フェルナンジーニョが右のオープンスペースに出した! アラウージョ に渡ったぞ!」。
「等々力の煙山さん!」。
呼ばれたのに気づかず実況続行。
「アラウージョ突進! ペナルティーエリアに入った! シュート! フ ロンターレ、ブロックーッ!」。
「煙山さ~ん!」。「あっ、はいはいはい! 等々力ですっ!」…。
という具合になってしまいます。かなりドタバタ。
時間の経過とともに、その時点で優勝に一番近いチームも目まぐるしく変わり、それに応じて、それぞれの会場のアナウンサーのテンションも変わっていきます。
G大阪担当の僕も、スタジアムのサポーターと一緒に一喜一憂。そして運命のロスタイム。
長居「今野のゴール! セレッソ追いつかれました! セレッソ追いつか れました!」。
以下、ディレクターとの会話込みで再現。
「えーっ! んじゃ、ガンバ優勝だよな! ガンバ優勝おおおおっ! っ て絶叫しちゃっていいんだよな? あっ、そうか、セレッソがまた勝ち越 すかも。あれっ? 向こうはもう終わったんだっけ? まだだっけ?」。 長居「煙山さん! 実況よろしく!」。
僕「あっ、はいっ。等々力は4-2、ガンバりード! このまま勝てばガ ンバ優勝! すでにセレッソは敗れています(おいおい)いやっ! 違い ます。セレッソは同点に追いつかれています」。
長居「今、タイムアップ! セレッソ、痛恨の引き分けです!」。
僕「さぁ、これでガンバの優勝は間違いなし! タイムアップーッ! ガ ンバ大阪優勝! 苦しんで、苦しんで、苦しみぬいたガンバ大阪が、最後 の最後に、栄光への道を切り開きました! 宮本恒康が泣いています! 西野監督も涙で顔がくしゃくしゃになっています!」(ここで僕も涙声。 最近すぐ泣く)…。
以下、<涙で顔がくしゃくしゃ>のフレーズを連発。語彙の乏しさに赤面。
プロとしては反省点いっぱいの実況になってしまいましたが、でも、本当に久々に心を揺り動かされました。僕にとっては、W杯最終予選超える、今年最高のサッカーシーンでした。そして、そんな感動シーンは、選手やサポーター、長年チームにたずさわってきた全ての人たちの力で生まれたのだと思います。ありがとう。そして、本当におめでとうございました。
まだまだ力不足ですが、僕も、そんなサッカーを愛する人たちに喜んでもらえる実況を目指し、新たなモチベーションが湧き上がってきました。よーし、来年も(こそ?)やったるでー。
December 19, 2005 09:15 AM
