2005年10月24日

子供たちに「ありがとう!」記憶に残る球宴

煙山光紀(ニッポン放送サッカーパーソナリティー)

 「2005JOMOJリーグオールスター」中継で大分に行ってきました。1993年に始まったオールスターも今年で13回目。かつてのような大物外国人もいなくなり、日本人のスターも多くは海外に飛び出している。しかも、日本代表の欧州遠征に重なったこともあり、一部メディアではその存続に疑問の声すら上がっていました。

 白状すると僕自身、少し冷めた気持ちがあったことは否めませんでした。でも、大分スタジアムに到着すると、そんな自分がだんだん恥ずかしくなってきました。

 前日練習を見に訪れたファンの数、なんと7258人。そしてその人数以上に、詰め掛けたファンの熱気に圧倒されました。中でも子供たちの「大黒選手~」「中沢選手~」と声を合わせて叫ぶ愛らしい声には胸を突かれるものがあって、最初はリアクションをどうしようか迷っていた選手たちが、照れくさそうに手を上げて応えてくれた時には「よかったよかった」と見ている僕までうれしくなりました。

 練習が始まると子供たちは真剣にプレーの1つ1つを見ています。FW大黒将志(25)がシュートを外すと、すかさず「大黒選手、気にすんなー!」、いい守りには「宮本選手、ナイスクリアー!」の声が響きます。

 そんな子供たちの気持ちは多くの選手たちに届いたんでしょうね。オールスターでのプレーを終えた大黒の「ファンのみなさんが前日の練習もいっぱい来てくれて、子供たちもすごく喜んでくれてたと思うし、今日もいっぱい来てると思うんで僕らのプレーで喜んでもらえればいいなと思ってプレーしていました」というコメントからは、ファンの気持ちをすごく考えてくれているのが伝わってきました。

 今回オールスターに選ばれた日本代表選手たちは、欧州遠征に参加できなかった訳ですから、モヤモヤしたものもあったでしょう。でも、そんな思いが、あの前日練習での子供たちの声で晴れて、救われた選手もいたのではないかと思いました。

 オールスターは、ファンにサッカーを広める意味で、また、選手がファンの存在を改めて意識する上で、大きな役割と力を持っている。今回は日程の問題がありましたが、日本代表とJリーグが日本サッカーの両輪であるならば、これからもお互いが、ファンと選手の気持ちを第一に考え、とことん話し合ってくれることを願います。そしてなによりメディアにいる僕も、そういう「気持ち」に鈍感になりかけていたことを気づかされた、記憶に残るオールスターでした。大分のあの日の子供たちに、この場を借りてありがとう!

October 24, 2005 10:33 AM