2005年10月10日
スコットランドで俊輔に聞いた
土井敏之(TBSアナウンサー)
三ツ沢? 大宮? 日刊スポーツK記者は大宮と評した。なるほど、小体な作りとピッチへの近さは大宮らしい。スーパーサッカーSディレクターは三ツ沢と言う。なるほど、スタンドの切れ目の土手からの只見はあのマンションのようだ。
これも俊輔の活躍する舞台の一つ。取材に行った、エジンバラとグラスゴーの間に位置するリビングストンのホームグラウンドは1万人収容が精一杯。周りは公園と言うより草っぱら。こんなちっちゃなクラブも1部にいる、スコティッシュ・プレミアリーグ。サッカーの世界の中心から「遠い」国とも言えるスコットランドをどうして選んだのか、しかもW杯前年のタイミングで? 「どんなイメージだった? いや分かんなかった(苦笑)スペインで考えてたからね」。中村俊輔の答えは実直で飾りがないのが気持ちいい。
「レジーナにいたらレギュラー、悪くはない、そういう保険かけとくみたいなのが嫌いなんですよ。だらだら試合出て刺激ないなら、移ってもしダメでも、がんばった努力のほうが自分が成長する、伸びると思うし。ここは毎年1位か2位。絶対ライバルがいるに決まってる。いい選手のいる強いチームに来たかった。ここでは刺激やプレッシャーを練習で毎日毎日感じられる。この環境に自分を置きたかったのが移籍の理由」。
イタリアに比べてリーグのレベルは劣るのは分かって来た、とも言う。なぜか? レジーナのような下位のチームは丸々1週間、相手チームの対策に練習の時間を費やすのだそうだ。フットボーラーの成長ホルモンである刺激やプレッシャーは1週間に一度、試合で、しかも「インテルやミラン戦でしか感じられなかった」。おのずと答えは出る。高いレベルにあるべきはリーグ、ではなくチーム。
欧州1位にも輝いた、伝統ある強豪クラブの中で「自分に何が足りないかとか、何を肉付けしていかないととかっていうのを毎日毎日考えてやってます」という俊輔、W杯に対するスタンスも同じだ。出場は最大の目標でも夢でもなく「W杯で、技術的に足りないものを感じたい。出て何かを得たい、そんな感じ」。実直で飾りがない蹴球好漢が大きく成長し、輝きを増し、青の代表を明るく照らす舞台まで、あと8カ月を切った。
October 10, 2005 09:53 AM
