2005年06月15日
目が離せないロッテ西岡:栗原弘明
担当しているロッテの勢いが止まらない。交流戦でも対戦チームの担当記者が、必ず口にする言葉は「ロッテは本当に強い」。強いチームには、快進撃の象徴となる選手が出てくるものだ。ロッテの場合、それは西岡剛内野手だろう。大阪桐蔭高校から入団3年目で弱冠20歳。ドラフト1巡目での指名だったから期待通りの働きだが、予想よりも早く定位置を獲得しつつあると言っていい。
西岡のスピード感あふれるプレーは見ていて気持ちが良くなる。12日の中日戦では左翼線と右翼線へ二塁打2本、左中間へ三塁打1本とナゴヤドームで躍動した。思い切り良くベースを蹴って、あっと言う間に到達。見ている側をスカッとさせてくれる。機動力野球を標ぼうする中日落合監督にも俊足を見せつけた。2日の広島戦で左足を痛めていたが「もう大丈夫です。左中間へ強い打球が飛べば、調子がいい証拠」と勢いが全身にみなぎっている、という感じである。
練習嫌いと言いながらも、試合後も必ずバットを振り込んでいく。その量は間違いなくチームトップクラスだ。「練習は好きじゃないけれど、やらないと上にはいけないから」。口数は少ないが、この若さで職人の雰囲気が漂う。昨年は63試合の出場にとどまったが、オフに「来年は何とか盗塁王を狙いたい」とタイトル獲得を目標に掲げていた。その言葉が、現実的なものとなる数字を残している。昨季途中に左打ちから右打ちにも挑戦、スイッチ打者への転向も飛躍の要因となった。
ふと、98年オフの日本ハム小笠原道大内野手(31)のことを思い出した。鴨川秋季キャンプのこと。同チームの担当になりたてで、小笠原にあいさつしようと全体練習終了後に室内打撃場の前で待っていた。だが、いつまで待っても練習が終わらない。チーム全員が引き上げても、納得するまでバットを振っていたのだ。捕手から一塁へ転向し、何とか打力を生かそうともがいていた時期でもあった。「いつまで練習するんだろう。名刺も渡せない」と、その練習量に舌を巻いたものだ。
翌年オープン戦からレギュラーに抜てきされると大活躍を重ねた。結果を出さなければいけない、という重圧もどこ吹く風。失敗を恐れぬフルスイングは、見ていても気持ち良かった。「最強の2番打者」としてブレークした。口数は多くはないが、一本気な性格は、どことなく「侍」の雰囲気さえ漂わせていた。
タイプは違えど、同じにおいを西岡にも感じた。あの時期、小笠原が大きくステップアップしたように、今季は西岡にとって大事なシーズンになりそうだ。野球選手には、はたから見ていてもはっきりと感じられるような「転機」が存在する。小笠原が「フルスイング」なら西岡は「スピード」が武器だ。小笠原がそうだったように、西岡も間違いなく将来のプロ野球を代表する選手になる、それを感じさせる「今」だ。
打球が野手の間を抜けたら、西岡の足をドキドキしながら見て欲しい。まばたきをしないで。
June 15, 2005 11:04 AM
