2007年08月01日
この病気にこの名医Part3
【第168回】造血幹細胞移植で生存率改善
白血病(4)
白血病の中で、日本人の成人に最も多いのが「急性骨髄性白血病(AML)」。これは治療前に行われる染色体検査等で病型分類がなされ、「予後良好」「中間」「予後不良」の3群にも分けられる。
完全寛解を目指す「寛解導入療法」で70~80%以上の方が完全寛解に至る。が、予後不良群では-。「化学療法での寛解導入療法のみでは予後不良群の方は約70~80%の方々が再発します。そこで、再発を減らすためには『造血幹細胞移植』が必要となります」と、東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)血液内科の三浦修教授は言う。
AMLの治療で一般的に行われる、他人からの同種造血幹細胞移植は、幹細胞の由来により「骨髄移植」「末梢血(まっしょうけつ)幹細胞移植」「臍帯血(さいたいけつ)移植」に分けられる。「予後不良群は長期生存率10~20%程度とされていましたが、造血幹細胞移植療法により生存率の改善が期待されることが、比較試験の結果より示されています」。
◎骨髄移植 兄弟やそれ以外のドナーの骨髄から造血幹細胞を採って患者に移植する。
◎末梢血幹細胞移植 G-CSFという薬を注射した後にドナーの末梢の血管から造血幹細胞を採り、患者に移植する。
◎臍帯血移植 造血幹細胞が多く含まれている新生児の臍帯から造血幹細胞を採って患者に移植する。
「移植は白血球の型の合ったドナーから行われます。移植の前処置として、患者の体に残っている白血病細胞をなるべく消滅させるために、大量の化学療法や放射線治療を行います。そして、ドナーからの造血幹細胞を移植します。患者さんの体に負担も大きいのです。いわゆるミニ移植は高齢者や体力の低下した人など、普通の移植のできない患者さんに行われています」。
◎ミニ移植 事前に行う化学療法(抗がん剤)の量を少なく治療する。そして、ドナーのリンパ球で白血病細胞をたたくのを期待する方法。
選択は主治医と十分に話し合って行うのが重要である。
◆白血球の型 血液型といわれているのは赤血球の型を示している。それと同じく白血球にも「HLA型」がある。兄弟間で一致する確率は25%。一般ドナーではその確率は極めて低い。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆白血病の名医
▼大阪府立成人病センター(大阪市東成区)血液・化学療法科・平岡諦部長
▼岡山大学医学部・歯学部付属病院(岡山市)血液・腫瘍・呼吸器内科・谷本光音教授
▼倉敷中央病院(岡山県倉敷市)血液内科・上田恭典主任部長
August 1, 2007 10:00 AM
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