健康連載ブログ

2007年07月30日

この病気にこの名医Part3

【第166回】ベサノイドと抗がん剤で完全寛解

 白血病(3)

 「血液のがん」といわれる白血病は、大きく以下の4つに分けられる。「急性骨髄性白血病」「急性リンパ性白血病」「慢性骨髄性白血病」「慢性リンパ性白血病」である。

 「日本人の成人に最も多いのは急性骨髄性白血病(AML)です。その場合も、治療前に行う『染色体検査』等で病型の分類がなされ、『予後良好』『中間』『予後不良』の3群にも分けられます。これらにより治療法が異なってくることもあります」と、東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)血液内科の三浦修教授は言う。

 治療は、まずは「寛解導入療法」が行われる。完全寛解を目指す治療である。「貧血症状、出血症状、感染症症状など、さまざまな症状が出てくるときは、全身の白血病細胞は1兆個程度あるとされます。それが10億個程度以下に減少すると、症状も消えて一般検査では白血病細胞も検出されない状態となり、完全寛解といいます」。

 完全寛解を目指す治療は、基本的には抗がん剤を使った化学療法。通常は2種類の抗がん剤が使われる。ただし、AMLの中の「急性前骨髄球性白血病」の場合は、ビタミンA誘導体のレチノイン酸、「ベサノイド」という内服薬を服用するだけで、多くが完全寛解になるという。「AMLは、十数年前までは多くの方が出血で亡くなり、予後が悪いタイプでした。ところが、ベサノイドによって、今では予後が最も良いタイプになりました」。

 ベサノイドだけでは再発も多く、実際にはベノサイドと抗がん剤で治療が行われ、患者の約90%が完全寛解に-。「AMLでは60歳以上の方々は予後が悪いのですが、急性前骨髄球性白血病では、高齢者であっても70~80%で長期生存が期待できる状況になっています」。AMLの他のタイプでは、高齢者の長期生存は10~20%の状況なので、いかに画期的かが分かる。

 完全寛解までいくと、さらにAMLの予後良好群の場合は、抗がん剤を大量に使って、その上を目指す。「白血病細胞が遺伝子検査でも分からなくなる100万個程度以下にします」。

 その後は、患者自身の免疫力も期待され、白血病細胞が絶滅して治癒することを目指す。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆白血病の名医
 ▼国立がんセンター中央病院(東京都中央区)薬物療法部・高上洋一部長
 ▼愛知県がんセンター中央病院(名古屋市千種区)血液・細胞療法部・森島泰雄副院長
 ▼名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)血液内科・直江和樹教授

July 30, 2007 10:00 AM

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