健康連載ブログ

2007年07月29日

この病気にこの名医Part3

【第165回】何の誘因もなく出血は疑いを

 白血病(2)

 「血液のがん」といわれる白血病は、血液細胞のもとである造血前駆細胞ががん化し、白血病細胞がどんどん増え、正常な細胞がつくられなくなってしまう病気である。どの分化段階の細胞が増えてくるかにより、大きく4つに分けられる。「急性骨髄性白血病」「急性リンパ性白血病」「慢性骨髄性白血病」「慢性リンパ性白血病」である。

 「急性の場合は、血液異常が起きて症状が出るまでにわずか1~2カ月です。そのとき、偶然に健診で発見されるケースもありますが、一般的には症状に気付いて医療機関を受診し、白血球数等の血液検査に異常があって発見されます」というのは、東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)血液内科の三浦修教授。

 急性白血病の症状は正常な造血が抑えられ、貧血症状が出る。「体がだるい」「目まいがする」「動悸(どうき)がする」「疲れやすい」など。血小板が減少するので出血症状も出る。「主に小さな点状出血を生じてくることが多く、ひげそりや歯磨き後だけでなく、何の誘因もなく生じてくることがよくあります。重症の場合、脳出血等を起こすこともあります」。

 さらに、白血球が減少するので感染症を起こしやすくなる。発熱、口内炎、さらに受診時にすでに肺炎を起こしている場合もある。「慢性白血病の場合は、年に1回の定期健診を受けている方は、その健診で『白血球が多い』などを指摘され、発見されます」。

 白血病が疑われる場合、検査になる。血液検査、骨髄検査で、白血病の有無とタイプの診断がつく。

 ◎血液検査 白血球数や貧血・血小板減少の有無が調べられる。急性骨髄性白血病では白血球が増加している場合が多い。「すぐに血液塗抹標本を作って顕微鏡で調べます。幼若な芽球が増えているのが急性白血病の特徴です」。慢性白血病では主に成熟した白血球が増えている。

 ◎骨髄検査 針を骨髄に刺して骨髄液を採取する「骨髄穿刺(せんし)」が行われる。「WHOの分類では、芽球が20%以上ならば急性白血病と診断されます」。また、特殊な染色体検査や白血病細胞表面抗原検査で、骨髄性かリンパ性か等が確認される。さらに、白血病の染色体の型や、特殊な遺伝子異常の有無も調べられる。

 これらの検査を行うことで正しい診断が付き、的確な治療へと結び付くのである。

 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆白血病の名医
 ▼虎の門病院(東京都港区)血液内科・谷口修一部長
 ▼慶応義塾大学病院(東京都新宿区)血液内科・岡本慎一郎准教授、木崎晶弘講師
 ▼東京大学医学部付属病院(東京都文京区)血液・腫瘍内科・黒川峰夫教授
 ▼日本赤十字医療センター(東京都渋谷区)血液内科・鈴木憲史部長

July 29, 2007 10:00 AM

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