2007年07月26日
この病気にこの名医Part3
【第162回】出血、膨満感、腹痛が3大症状
小腸疾患(2)
小腸の病気を疑うような症状のある人に、ダブルバルーン内視鏡検査を行うと、病気は約70%の確率で発見される。
その小腸の病気を疑う症状とは―。
「腹痛に慢性の貧血を伴うとか、体重が減少する。身体のたんぱく質が失われるとか、そういったことが重なって小腸の病気を疑うのです」。
と、自治医科大学付属病院(栃木県下野市)消化器内科の山本博徳教授は話す。小腸を調べ、治療もできるダブルバルーン内視鏡の開発者である。
「出血」「膨満感」「腹痛」は小腸の3大症状。このような症状があると小腸の疾患も疑いながら検査が行われる。
◎問診・血液検査 「どのような状況かを詳細に聞き、下血があるときは、貧血の程度を血液検査を行って調べます」。
赤血球数や血色素などを調べる血液の一般検査である。
◎上部・下部消化管内視鏡検査 出血部位を調べるため、食道・胃・十二指腸を上部消化管内視鏡でチェック、大腸は下部消化管内視鏡で検査をする。
「これらの内視鏡検査で問題がないと、出血は小腸に絞られますので、次の検査に進みます」。
◎CT(コンピュータ断層撮影)検査 小腸に腫瘍(しゅよう)があるような場合、治療を行うときに、ダブルバルーン内視鏡は口からアタックするか、肛(こう)門からアタックするか判断できる。
◎カプセル内視鏡検査
今年5月に保険適用となった検査。電池と内視鏡が内蔵された、ビタミン剤程度の大きさの使い捨てカプセルを飲む。小腸内を1秒間に2コマ撮影し続け、情報は患者の腰のボックスに収集され、その情報を解析すると小腸のどのあたりで出血しているかが分かる。狭窄(きょうさく)しているケースでは使われない。
◎ダブルバルーン内視鏡検査 精密検査に使われ、狭窄のある場合でも施行できる。良性のポリープであれば、その場で治療も行う。
「がんや良性腫瘍で手術が必要な場合は、点墨(てんぼく)といって、墨汁を粘膜に直接注射します。それが印となって、腹腔(くう)鏡手術や開腹手術のときも、小腸の管の外からみても場所が分かります」。
以上のように検査は進み、治療をよりやりやすくするように行われるのである。
【医療ジャーナリスト松井宏夫】
◆小腸疾患(ダブルバルーン内視鏡)の名医
▼自治医科大学付属病院(栃木県下野市)消化器内科・山本博徳教授
▼防衛医科大学校病院(埼玉県所沢市)光学医療診療部・永尾重昭准教授
▼埼玉医科大学国際医療センター(埼玉県日高市)消化器内科・喜多宏人准教授
▼東京医科歯科大学医学部付属病院(文京区湯島)消化器内科・荒木昭博准教授
▼日本医科大学付属病院(文京区千駄木)消化器内科・田中周医師
July 26, 2007 10:00 AM
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