健康連載ブログ

2007年07月21日

この病気にこの名医Part3

【第157回】原発がんの主治医が不可欠

 転移性脊椎腫瘍(1)

 背骨にできる脊椎腫瘍(せきついしゅよう)、特に「転移性脊椎腫瘍」の場合はほとんどががんの転移で、治療にも限界のある全身性の疾患である。

 「がんが背骨を破壊し、背骨が支えとしての柱の役割ができなくなり、圧迫、骨折を生じて、痛みやまひなどの障害をきたします。これが転移性脊椎腫瘍です」と、転移性脊椎腫瘍の治療・研究で、世界的に高く評価されている、日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)整形外科の徳橋泰明准教授は言う。

 がんが原発巣から遠い臓器に転移していると、「末期がん」といわれることでも分かるように、ターミナルケア(終末期医療)が行われる段階がほとんどである。この段階で大きな問題となるのが「主治医不在のがん難民」である。がん治療を行う病院の中には、原発がんの手術後に転移が起きるとその後の対応を行わないところがある。「患者さんにとって最も大事なもともとのがんの主治医が不在になる可能性のあるのが大きな問題です」。

 がんの骨転移では、原発がんは最も多い順に「肺がん」「乳がん」「前立腺がん」。男性では「肺がん」「前立腺がん」「胃がん」「肝がん」が多く、女性では「乳がん」「肺がん」「子宮がん」「甲状腺がん」が多い。「転移性脊椎腫瘍ではさまざまな治療を組み合わせた集学的治療が必要になります。だからこそ、もともとの原発がんの主治医が不可欠なのです。整形外科医だけで安易に治療法を決定してはいけません。一時的に症状が改善したとしても、症状の再悪化や全身状態の悪化も視野に入れて治療を進める必要があります。つまり、最後は誰がどこでみとるかについても、十分に考慮して決定しなければなりません」。

 元のがんの主治医がいて、患者のしっかりとしたパートナーとなり、そこに整形外科、放射線科、腫瘍内科の各医師が入り、連携がうまくとれていると、治療自体も良い成績となって表れるし、事実、表れている。

 ◆ターミナルケア 終末期医療。治る見込みのない患者に対する医療、サポート。対症療法のほかに患者への精神的サポート。もちろん、患者家族への精神的サポートも入る。
 【医療ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆転移性骨腫瘍の名医
 ▼日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)整形外科・徳橋泰明准教授
 ▼都立駒込病院(東京都文京区)整形外科・近藤泰児部長

July 21, 2007 10:00 AM

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